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新聞記事文庫 有価証券(8-037)
大阪朝日新聞 1937.9.5(昭和12)
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証券投資会社を設立
暴落株を買支え
東株、あすから乗出し
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東株取引所および取引員首脳部では株価暴落の対策につき協議中であったが、資本金二千万円の証券投資会社を設立し暴落株の買支えに乗出すことに決定した、機構および目的左の如し
一、資本金、公称資本二千万円、一株五十円券とし第一回払込二十円、総額八百万円
一、出資者、取引員組合、東株代表会社、東株共栄会社、東株取引所(主務省の認可を要す)において半額を引受け、残り半額を取引員有志および一般財界有志引受
一、創立期、六日払込を了し七日創立総会を開く予定
一、運用資金八百万円を頭金とし買入株券を担保に銀行より四百万円程度の借入れを行うはず
一、買入銘柄は暴落の程度甚だしきものを主とす
一、買入価格大体九月四日の相場を基準としこれ以上引返したるものを追っかけて買うことは避ける
なお創立は七日になるはずであるがすでに資金は出来ているため六日月曜から早速出動する手はずとしている、役員は未定であるが、運用には主として取引員組合が当るはずである
運用資金は興銀から
証券投資会社資金調達については日本興業銀行との間に了解が成立している模様で、払込資金八百万円を頭金として証券投資をなしその買入株式を興銀に提供して運用資金の調達をなす仕組となっている
東株の参加は条件付で認可 きょう商工省議で決定
東株を中心とする証券投資会社設立につき、取引所の坂常務理事は四日午後商工省に村瀬次官および西川取引課長を訪れ、東株の新会社への出資につき商工省の内意を伺い出た
証券投資会社は東株の参加如何に拘らず具体化される運びになりかつ政府として何ら介入する必要はないので問題は取引所法による財産保管方法に関する監督事項として東株が新投資会社に参加することを許すか否かにかけられているが
吉野商相は五日午前中に院内で省議を決定するはずだが、商相の意向は大体これを認可するものと見られる、もちろん新投資会社は株界の変態症状を矯正するためのものであるから、株界回復後は当然解散すべきものと解され、その意味で商工当局が東株の参加を認める場合は臨時的措置として条件を付すことになろう