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(中国中西部における世紀の激震による犠牲者の方々を深く哀悼するとともに、たくさんの被災者の皆様方が一日も早い普通の生活への回帰を祈念します)
さてー、
林秀彦『日本人はこうして奴隷になった』をザッと読んだ全体的な印象である。日本人の「鵜呑み」体質、「無哲学」体質、「世界音痴」体質、「養豚列島」化、「奴隷民族」化、日本語の「不完全性・曖昧性」などを執拗に論じる。思い余って、「志賀直哉が唱えた大愚案、国語フランス語論が、正論に思えてくる」、再考する価値がある、とまで言う。
日本人に生まれたことを悔いているようだ。そのためであろう、外国(濠州)に18年間逃避していた。論理は分裂していて分かりにくい。その論理過程に、何の疑問もなくカント、ベーコン、ロックなど西洋哲学者の言葉を所与のものとして引用し論じているが、その真髄が本当に分かっているのだろうか※。
【※ ここでの「理性」の捉え方は平板で常識的なものだが、林氏は西洋での「理性」の意味をもっと深く捉えているので、哲学者・木田元の説くところと対比して次回に考えたい。】
林氏の指摘する日本人の体質が生来のものならば、昭和初期まで子供から老人まで、あらゆる階層の庶民が知的ないい顔をしていたはずがない。この要因は林氏自身も指摘する、「明治から綿々と続いている日本人の欧米崇拝と自虐史観、簡単に言えば、恐怖心である」で十分ではないのか。
日本人の欧米異常崇拝を批判しながら、西洋哲学者たちを無条件に引用するのも、「日本人は支離滅裂な人種だ」というその人種に自ら属してしまっている。
やはり副島教授と同様、心が「白化」してしまったが遺伝子までは白化できず支離滅裂人間になってしまった印象が濃い。日本語の非論理性を批判しながら、本人自身の論理が成っていない。シナリオ・ライターという芸術的感性で書いた人物に論理性を要求するのが酷なのかもしれないが…。
過去の氏の著作『ジャパン、ザ・ビューティフル』『日本を捨てて、日本を知った』『悲しいときの勇気』の方が、はるかに心が黄色く、日本人にエールを送っている。最新刊は妙に心が白化し屈折している。一連の著作を勘案すると、林氏の日本人への裏返しの愛情表現とみることもできるが、副島教授と同様の犠牲者の一人と大きく括(くく)ることもできよう。。
最後に巻末にある「詩」のワンフレーズを掲げる。
人類が滅びつつあるとき、
日本民族がいかにすばらしかったか、
われわれしか人類を救えなかったのだという慙愧の想いが、
誰にでもわかることだ。
・バカヅラだらけの今の日本人/林秀彦
http://www.asyura2.com/08/dispute28/msg/132.html
投稿者 藪素人 日時 2008 年 5 月 10 日 19:47:12: BhHpEHNtX5sU2