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(回答先: <転載>池田幸一さんのメール(夢のような期待) [激動する現代 戦争と平和 5月17日(土) ] 投稿者 彼岸楼 日時 2008 年 5 月 23 日 11:22:57)
皆様。 池田幸一です。
中華人民共和国(以下中国と言う)とチベットとの確執で、世間があまり取沙汰しない側面があります。ダライ、ラマは中国の帝国主義的侵略で追われたのではなく、農奴制の廃止、土地改革など一連の民主革命を避けるための亡命で、つまり法王兼大地主が農民に土地を取られたがための現象である点です。
チベットの革命前土地所有率は地方政府38.9%、寺院36.8%、貴族24.3%という典型的封建国家で、国民の殆どが農奴でありました。そこへ1949年に大多数の要望を担って共産党が天下を取ったのですから地主、資本家が追われ、労働者農民が念願の生産手段を手に入れたのは当然のことでした。
1952年には本土すべてに農地解放を終えた中国政府は、それでもチベットに遠慮して1962年までは手をつけないこと、ダライ、ラマを長とする自治区準備委員会を用意したのでしたが、1959年3月、ウルトラ保守の反乱を口実に一気に社会主義革命が成立いたしました。つまり侵略ではなく革命です。
チベットは清朝以来中国を宗主国としていましたし、万国のプロレタリアは同志であり、共通の敵はブルジョアである共産党に国境意識は希薄です。それに加えて長年のラマ立国ですからこの50年のギクシャクは押して知るべし です。しかし一々は挙げませんが中国の少数民族対策は行き届いたもので、戦前満州での圧政を知る私にはそれほど悪い政治には見えません。
戦後日本においてもマッカーサーの強権で財閥解体と農地解放が行われ、悲喜交々の現象を呈しましたが、軍事力撤廃と共に戦後復興の柱となった功績は顕著であろうと思います。亡命貴族にとって中国は不倶戴天の仇でしょうが、もう水は盆には還らないことでしょう。
歴史は必然の結果ですから「もし」は禁句ですが、仮に蒋介石の天下であったとしても私は今日の成功はなかったと思います。多くの試行錯誤はあれ、一党独裁はよく国と民族の尊厳、繁栄を成し遂げたものと高く評価されるでしょう。しかし問題はこれからです。多い課題の中から私はチベットに関して次の私見を持ちます。
今回の震災で甚大な被害は辛いところでしょうが、首脳も国民も得たるものも大であったろうと思います。「傲慢病」「情報統制」の悪い癖もかなり是正されたようですが、何よりも得がたい収穫はチベット族への同胞愛と連帯感ではなかったでしょうか。それは双方のトップも身に滲みて知ったはず、オリンピックを前に膝を交えて対話をすべきです。世界が見ています。
ケ小平は“白い猫も黒い猫も鼠を捕る猫はよい猫だ”と勇敢にも利潤追求の資本主義に変心し、首尾よく偉大な成果を勝ち取りました。次は更に一歩を進めて複数政党による民主化と、地方自治の大幅緩和です。そうでないといずれソ連の二の舞です。
ダライ、ラマも世界の賢人と聞いています。いまさら封建法王を言い出すとは思へません。軍事、外交、安保は北京、その他は大胆な自治権の移譲・・・・当然ウイグルや雲南にも影響するでしょうが、将来像への軟着陸に踏み出すチャンスだと思います。
“禍福はあざなえる縄の如し” 痛みの残るいまこそが潮時、和解のヒントは前便20009.4月14日の二つをご覧ください。@ ソ連の崩壊を他山の石に・・・・A 朝貢外交の現代版で「連邦型ニューモデル」の構築。
<転載元のURL>
[激動する現代 戦争と平和]
http://www1.ezbbs.net/27/tiznif/