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以下(このスレを含む4つ)のチベット問題と中国の震災に関連した投稿(池田幸一氏による伊豆利彦氏宛のメール)は孫引きになりますが、皆様方のご高覧を拝したく転載させていただきました。筆者の戦前・戦中・戦後を通じての大陸体験に根ざした不偏不党なる視座から今回の事件と災害を捉えた論考は十分評価されるべきものであると思量します。
尚、投稿は伊豆氏が管理するBBS[激動する現代 戦争と平和]に所収のものであるため、阿修羅板上でのコメント対応には適さないと判断し、レスすることは差し控えたいと考えますので、何卒ご理解を賜わりたくお願い申し上げます。また、()内は伊豆氏によるもの、それ以降が池田氏のメールの内容になります。
Auf Wiedersehen.
(池田幸一さんのメールを紹介します。)
四川の大震災をテレビが知らせたとき咄嗟に浮かんだのは、街道筋に咲き乱れる立葵の群落と、小便くさい宿場町の光景でした。震源地の赤い×マークの位置はまがうことなくこの映秀鎮を指していたからです。
一昨年の6月のことでしたが成都から奥へ・・・・「神々しいほどに美しい四川自然遺産を歩く旅」に参加したときの思い出のひとこまです。この珍しい名前の村は場末の映画館を連想させるような古い宿場でした。
古代ダムで名高い都江堰の名勝を後にバスは一路北へ走りますが、そのまま直進すれば九塞溝や黄龍のある松藩へ、この映秀鎮から西へ折れれば四姑娘登山の基地である日隆へ向かいます。a江の支流に沿った古い道は二車線に拡張する工事の真っ最中で、難行に次ぐ難行の旅となりました。
神秘のベールを剥ぎ取って便利、開発、文明、観光がいっせいになだれ込み、その勢いに私も加担して、ようやく着いたところがパンダの飼育所がある臥龍鎮でしたが、この辺り一帯が震源となったのか、私を抱いて遊んでくれたパンダもさぞ驚いたことでしょう。
按ずる間もなく次々に伝わる報道は破滅的で、ついに空から撮った映秀鎮の惨状で決定的なものになりました。9割の倒壊、数千の死者。私は思わず目を閉じてしまいました。この廃墟に今年も何事もなく立葵は咲き乱れるのでしょう。
このアバ地方は「蔵族、羌族自治州」の名のとおり、チベット系諸族の多いところで、四川省の西半分は彼らの在所です。ラマ廟を囲んで色とりどりの幟を靡かせた彼らの村落は、地表にはびこる苔のように住み付いています。彼らと漢族との長い歳月の関係は一介の旅人が慮るほど簡単なものではないでしょうが、そこへ降って湧いたような今回の災難は深刻です。
“禍をもって福となす” 私はこの災難が60年の紛争解決の転機になるのではと夢のような期待を持っています。非常に困難なことはよく承知していますが彼たちには不可能を可能にする叡智を持ち合わせていると思うからです。
いまは心の痛む報道ばかりですが、いずれ落ち着けば私見を纏めたいと考えています。
<転載元のURL>
[激動する現代 戦争と平和]
http://www1.ezbbs.net/27/tiznif/