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(回答先: ユーラシアの地政學 ― 露西亞の課題 投稿者 石工の都仙臺市 日時 2008 年 11 月 30 日 03:01:36)
ユーラシア南部安定の要
コーカサス、中央亞細亞の安定を促進する際には、米國はトルコを疎外しないやうに十分に注意しつつ、一方で米國とイランの關係改善が可能かどうかも探るべきである。若しトルコが歐羅巴から見捨てられたと感じれば、此の國はよりイスラム色を強め、當然、中央亞細亞を世界のコミユニテイに取り込まうとするわれわれの努力と共同歩調をとる可能性も低下する。米國は歐羅巴への影響力を行使して、最終的にはトルコのEU加盟を認めるやうに働きかけるべきだし、トルコの國内政治がイスラムの方嚮へと劇的に急旋囘しない事が前提ではあるが、トルコを歐羅巴諸國として扱ふことの利點を明確に示すべきである。カスピ海地域や中央亞細亞をめぐつてアンカラ政府と定期的に協議する場をもてば、自分たちが米國との戰略的同盟關係にあると云ふ意識をトルコ側に與へる事も出來るだらう。更に米國は、アゼルバイジヤンのバクーから、地中海に接するトルコの沿岸のセイハンまでパイプラインを引くことによつて、此の地域をカスピ海のエネルギー備蓄・搬出の據點にし度いと望むトルコの意嚮を支持すべきである。
一方、イランとの敵對關係を永續化させる事は、米國にとつても利益ではない。最終的な和解は、イランをとりまく危險に滿ちた地域的環境を安定させる事が雙方にとつて戰略利益である事を認識したものでなければならない。頑迷でかつ宗教色が強いとしても、狂信的で叛歐米主義でないイランでさへあれば、其れだけでも米國の利益である。ユーラシアに於る米國の長期的な利益は、トルコとイランの經濟的協調、とくにアゼルバイジヤンからトルクメニスタンに至るパイプライン建設に對する米國の叛對路線を撤囘する事によつて、うまく確保出來るだらう。實際、さうした建設プロジエクトへの金融面での參加は、米國にとつて經濟的利益と成る筈だ。 .
(此處で其の東側の印度亞大陸に目を轉じてみよう。)印度はいまのところ受け身のプレイヤーだとは云へ、ユーラシアに於る重要な役割を擔つてゐる。蘇聯からの政治的支援がなくなつた今、印度は地政學的に支那・パキスタンとの聯携によつて封じ込められてゐる。其れだけに、印度の民主主義が今後存續していくこと自體が重要なのである。と云ふのも、印度の民主主義其のものが、如何なるアカデミツクな議論の積み重ねにもまして、人權と民主主義は歐米的な思想だと云ふ排他的な意見に對する叛論に成つてゐるからである。
印度の存在は、シンガポールから支那に至るまでの諸國の論客が喧傳する非民主的な「亞細亞的價値」と云ふものが、たんに叛民主的なだけで、必ずしも亞細亞的ではない事を立證してゐる。したがつて印度(の民主主義)が今後挫折すれば、亞細亞に於る民主主義の將來にとつても痛手と成り、とくに支那の臺頭を考へた場合、亞細亞のパワー・バランスに寄與出來る(民主)國家が消失する事を意味する。米國と印度の防衞コミユニテイ間の絆の促進は云ふまでもなく、地域的安定に關聯する話し合ひにも組み込んで關與させていく必要がある。
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