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(回答先: ユーラシアの地政學 ― 日本がグローバル・パワーに成るには 投稿者 石工の都仙臺市 日時 2008 年 11 月 30 日 03:07:13)
全ユーラシア的安全保障システム
早ければ次世紀の初頭には其の全貌を現はすであらう全ユーラシア的安全保障システムによつて、ユーラシアの安定は長期的に強化される事だらう。さうした全大陸的安保システムは擴大NATOを内包し、露西亞、支那、日本との安保協調合意によつて結ばれてゐるかもしれない。だが、其處にたどりつくには、米國人と日本人は、まづ支那を取り込んだ三國間の政治・安全保障に關する對話を推進しなければならない。さうした米日支三國間の安全保障交渉は、より多くの亞細亞諸國を内包するやうに成り、最終的に歐洲安保協力會議との對話へとたどりつくだらう。さうなれば、安全保障問題をめぐる歐羅巴と亞細亞諸國の一聯の會議開催への道を開くことに成る。全大陸的安保システムは、此のやうにして具體的に形成されてゐくだらう。
全ユーラシア的安保システムの本質を定義し其の形態を定めるのは、二十一世紀に於る一大プロジエクトに成るだろう。全ユーラシア的新安全保障枠組みの中核は、主要なユーラシア・パワーによつて構成される常設委員會とともに、米國、歐羅巴、支那、日本、國家聯合的露西亞、印度が擔ひ、此れらが、ユーラシアの安定に關はる重要な問題に集團的に取り組んでゐくことに成ると思はれる。さうした全ユーラシア的システムの出現は、米國の重荷を段階的に輕減する一方で、ユーラシアの仲裁人としての米國のかけがえのない重要な役割を一世代を超えた期間、永續化するだらう。そして、此の試みが戰略地政學的に成功すれば、最初の、そしていまや唯一無二の超大國としての米國の役割は、屹度此れまでの遺産に見合ふものと成る筈である。
ズビグニユー・ブレジンスキーは、一九七七年から一九八一年に
かけて、カーター政權の國家安全保障擔當大統領鋪佐官をつとめ、
現在は、戰略問題國際研究所の顧問、ジヨンズ・ホプキンス大學、
のポールニツツエ・スクールの教授を兼務。此の論文は、近刊
豫定の『グランド・チエスボード』からの拔粹。
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