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(回答先: 海を越える新任務 <2>海幕主導 (東京新聞) 投稿者 天木ファン 日時 2007 年 8 月 24 日 20:54:55)
http://www.tokyo-np.co.jp/feature/sakimori/news/070530.html
米主導でも海自意欲
「乗船!」。ヘルメットや防弾チョッキに身を固めた立ち入り検査員がゴムボートから身を伸ばし、貨物船から下りた縄ばしごをつかむ。甲板までよじ登ると、船内捜索に散った。
二〇〇五年八月、シンガポールで行われた「大量破壊兵器拡散防止構想」(PSI)の海上阻止訓練。海上自衛隊は海外のPSI訓練に初めて参加し、護衛艦一隻とP3C哨戒機二機を派遣した。
「北東アジアの貨物船が違法な化学物質を積んで航行中」とのシナリオで哨戒機による南シナ海の捜索訓練も行われた。海自は難しい夜間捜索を担当。赤外線を利用して容疑船三隻を発見し、他国の乗員をうならせた。
派遣部隊指揮官の寺嶌栄治一佐(50)は「各国の連携が深まった」と振り返る。だが、PSIで難しいのは実動訓練ではない。初日に行われた机上訓練では、各国の国内法の違いから阻止行動にばらつきが生まれ、問題山積が表面化した。
例えば、日本の海上阻止行動は国内法が適用できる領海内にとどまり、しかも実施できるのは海上保安庁だけという制約がある。海上自衛隊は、海上警備行動が発動されるか、日本周辺で戦争が起きて米軍が活動する「周辺事態」の際の船舶検査法を根拠に活動するしかない。
PSIは〇三年五月、ブッシュ米大統領の提唱で生まれた。
米国の狙いはこうだ。国連海洋法条約で公海上の船舶航行は自由とされ、取り締まれるのは奴隷取引、海賊行為、国籍不明船・詐称船に限られている。だが、各国とも領海内なら国内法によって取り締まれる場合がある。PSI参加国が増えれば、世界中で大量破壊兵器の拡散を防止できる−。現在の参加国は七十五カ国だ。
昨年十月、日本は北朝鮮の核実験をきっかけに米国との“思惑違い”を知ることになる。国連安保理は北朝鮮との大量破壊兵器関連物資の取引禁止を決議した。だが、警告射撃を含む強制的な船舶検査ではなく、「各国の国内法に従い、かつ国際法にそって必要に応じて行う」という穏やかな表現にとどまった。
安保理をリードした米国は、日本の求めた「強い制裁」よりも中国、ロシアの意向を優先させた。米国が警戒するのは、北朝鮮の核が第三者に渡ることであり、米国を攻撃できる軍事力を持たない北朝鮮ではなかった。
このときの「国際法と国内法を組み合わせた検査活動」は、PSI活動そのものだ。当時、米国の国連大使は国務次官時代にPSIを考案したボルトン氏。PSIを根付かせ、米国の安全保障につなげようとした狙いがあらわになった。
どの国が監視対象となる国なのか、その決定は米国の考えで左右される。かつてボルトン氏は「『ならず者国家』だ」と断言し、北朝鮮、イランからの拡散阻止を打ち出した。シンガポールでのシナリオ訓練に登場した「北東アジア」は明らかに北朝鮮を指している。
だから北朝鮮と友好関係にある中国、韓国はPSIに参加しない。米国には反対世論を押し切り、有志連合で強行したイラク戦争の前例があり、PSIと距離を置く国もある。
「それでもPSI参加の意義はある」と海自幹部は強調する。艦艇と哨戒機を保有して、日本でPSIに命を吹き込めるのは海自だからだ。国内法の制約はどうあれ、存在感を示す絶好の場と考えていることは間違いない。
2007年5月30日
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