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(回答先: また一人将来有望な医師が消されました 直接犯は橋詰均裁判長 投稿者 どっちだ 日時 2007 年 4 月 21 日 17:07:33)
また医療破壊系の判決が出ましたね。怒りが悲しみに、そしてうつからまた妄想気味になりそうです。どっちださんの様に日本の医療の行く末に不安を抱いている者の一人として、もっと現場から警鐘をならさねばと思いつつ、告発された医師と同じ境遇におかれた者として一筆。
そのお医者さんは町医者でありながらミリスロール・リドカイン注射の在庫を確保していたのは、むしろ賞賛されるべきものでしょう。
当院は経営が苦しい事もあり、年に1回使うか使わない注射は、開業当初は置いてましたが、使用期限が切れる事が多く、薬のおろしへの無駄な支払いで赤字を増長するので、だんだん購入しなくなっています。いざとなったら病院へ送ろうと。それにこの判決で見られるように、首尾良く院内で手当できても、結果が悪いだけで移送しない事の罪に問われるからです。
(誰かが医療賠償保険がおりるからいいじゃないかと言いましたが、絶対おりる保証がありますか?例えおりても、心労・罪悪感・悪い評判・裁判準備で忙殺・・・とても患者さんにマトモな医療が行えるだけの心理状態じゃなくなると思いますよ。それに医療賠償保険払うくらいなら、めったに使わない救急薬品でも置くのがいいお医者さんじゃないですか?小生は「悪い医者」ですが、なにも好きでそうしてるわけじゃなく、こんな世の中だから万一の事態にも自院を維持存続させる為にもやむなくやっています。それに思い上がりと言われるかもしれませんが、アチコチ回されて近所では僕じゃないとダメな患者も多いし。)
ミリスロール・リドカインを即座に使うくらいだから、不安定な冠動脈イベント(場合によっては致死的)と考えているわけで、その医師はもちろん転送を考えていたはずです。それが70分かかるとは・・。場合によってはそれくらい優にかかると思います。そして、年々転送にかかる時間は増える傾向にあります。
最近奈良の妊婦が近隣の移送先病院に断られて、転送が遅れて大阪まで回されて亡くなった事件が在りましたが、それを想起させるのです。あるいは、今回の裁判官はこれを前例に判決したのかもしれないと思います。
こういう場合、患者を診て「移送が遅れた」のが罪に問われ、移送が遅れた原因になった、患者を診ず、奈良県内の近隣中核病院の診療のお断りは罪に問われず、医療行政も何吹く風でした。
こういう場合、患者を診た医師は「ババを引いた」やら、「地雷を踏んだ」と、他の医者は揶揄する。患者を「ババ」だ、「地雷」だと不謹慎じゃないかとご批判も在ろうと思いますが、first lookでriskyな患者と思いきや診ない医師は無罪放免。地域医療で患者を受け、専門医が見ても、真摯に患者を「診た」医者を告発し、罪に問い、マスコミが攻撃する方がよっぽど不謹慎だと思う。
で、医師ほとんどが、報道をみて返す返す思う事は、「死亡の可能性のある患者はできれば診ないのが無難。」となる。で、そういう患者が「ババ」や「地雷」に仕立て上げられて行く。
小生も数年前から、「「危険な」患者や大勢の患者を診て命を縮め、儲からなくてもいいから医院を細々と続け、質素に暮らして行ければいいや」と考える様になった。
70分なんか相談先の病院の対応によってはすぐかかっちゃいます。場合によっては、その間他の患者も診ないといけないし。
まず、命に別状のある患者を診てるから、他の患者は休診、なんて事が町医者にできますか?他にも重症患者がいるかもしれないし。自分でないとわからない患者もいるでしょうし。
で、紹介目的に電話するとします。
最初の病院の受付が出る。じゃあ、・・外来につなげますと、すぐつながらず音楽を3−5分聞かされる事も、やっと看護師がでる。先生はいま患者さんを診てます。どういう患者さんですか?と。3分説明する、わたしじゃわからないので、医師と変わりますと。3−5分説明する。あからさまにイヤな顔をされると、細かく質問されたり、送る前に胸部レントゲンはどうなのかとか、ニトロールを舐めさせてみろとか、どうこうしろと指示され10分以上も、今他の医者は心カテ中で内ではできないと。ベッドがないと。急変があって医師の手が足りないと。外来多くて手がはなせないと。もっと大きな病院に行った方がいいと。
それも、大きな病院の勤務医の先生が宿直あけ外来だったりとか、空床確保の大変さとか惨状を知っているので強くはお願いしずらい。
あるいは、病棟の空床確認して電話するとか言われて、15分待たされたり。
結局受け入れてもらえない。次の病院へ。次の次の病院へ。場合によっては他県の病院へ!
で、他の患者も診ながら、そうこうしながら、やっと受け入れ先の病院がきまる。
病院が決まってやっと救急車を要請、紹介状なしで送れないので紹介状を書く。
場合によっては、患者や家族がその病院は嫌いなので、他の病院をあたって欲しいなんていう事もあり、やりなおしもあり得る。
地域の病院の規模縮小や診療科廃止、医師削減や廃院という、病院統廃合、危険な患者は敬遠される、訴訟リスクや過酷な労働をいや気し、医師の巨大病院か開業への指向、雰囲気の世の中、あっという間に70分。世間はそれを町医者の罪と言う。
それが判例になって、今後の同様なケースも医師の有罪。裁判官もまじめに審議したつもりだろうが、確実に医療の担い手は理想が踏みにじられ、医療は荒廃して来て、時に一線を越えてしまっている。
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