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労働組合に関するメモ@
http://www.asyura2.com/07/idletalk22/msg/503.html
投稿者 heart 日時 2007 年 2 月 12 日 01:51:40: QS3iy8SiOaheU
 

AAA+さん、gataroさん、kerogasoさん、Kotetuさん、パルタさん(名前はアルファベット順)、
http://www.asyura2.com/07/idletalk22/msg/308.htmlでは労働組合等に関していろいろと教えていただきありがとうございました。
整理して後日投稿するとか言いながら、随分経ってしまい、申し訳ありませんでした。
皆さんの投稿を整理するだけではたぶん釈迦に説法にしかならないと思ったので(また随分日が経ってしまったこともあり)、一冊本を読んでそれを整理しようなどと思いました。
しかし、元来、本を読むのも遅く、要約というものも苦手な私が、「労働組合法」(西谷敏著、有斐閤)(http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9981470473)という480ページ近くもある本などを読み始めてしまったものですから、収拾がつかなくなりました。

とは言っても何かレスしなければと思い、とりあえず、取り急ぎ(?)、以下、投稿させていただきます。
続きはまた数日後ということでお許しください。
今のところ、労働基本権をどう捉えるべきかということと、公務員と他の労働者とで、憲法より下の法令でどのように異なる扱いを受けているかということを続きで投稿しようと思っています(があまり期待しないでください)。

以下、URLが明記していないもの以外は全部、「労働組合法」からの引用です。今回は申し訳ないですが自分の文章はありません。

◆日本は企業別組合が支配的なことで有名だが、そうなった原因には、GHQの政策がある。
当時、企業別組合の連合体として産別会議というものが大きな影響力をもっており、産業別単一組織への転換を志向していた。
しかし、ドッジライン下の合理化攻勢の中で、また、産別会議自体がGHQの抑圧下に置かれる中で、産業別組織への発展は阻害され、企業別組合が日本の労働組合の支配的組織形態として定着することになった。

◆公務員の争議行為禁止については、Kotetuさんがまとめてくださったこれ↓
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大政翼賛・治安維持法時代 →官民問わず争議行為禁止、労働組合禁止
敗戦後GHQ統治時代初期→官民問わず争議行為、労働組合容認
昭和22年       →ゼネスト宣言、GHQのゼネスト禁止令により挫折
以降          →公務員(官公労)の争議禁止令
http://www.asyura2.com/07/idletalk22/msg/316.html
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の後は、主な判例だけ見るとこのようになっているようです↓

□1966年10月26日の全逓東京中郵事件・大法廷判決、1969年4月2日の東京都教組事件、仙台安保6・4事件の大法廷判決:
官公労働者の争議禁止を全面的に合憲とする従来の態度を改め、これらの禁止規定は限定的に解釈される場合にはじめて合憲になる(合理的限定解釈論)との立場を示した。
特に1969年の4・2判決は、公務員法における争議禁止規定をそのまま適用すると違憲の疑いを免れないとまで述べた。

□しかし、国会が最高裁判決を受けて具体的な法律改正の措置をとることのない間に、最高裁判所裁判官の任命権を利用した政府・自民党による巻き返しの結果、裁判所の姿勢が大きく転換され、結局、1973年4月25日の全農林警職法事件判決により、最高裁はもとの全面合憲論に回帰した。

◆使用者にも、政府にも、労組の存在そのものをなくしたいという願望がある。
例:
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http://blogs.yahoo.co.jp/starstory60/22638269.html#22638269(ブログ:キリスト者として今を生きる)より編集。

□中曽根:「国鉄民営化は国労潰しを意図してやった」(NHK)
今から約20年前、はげしい反国労キャンペーンが行なわれました。国鉄分割民営化が政治の俎上にのぼり始めた1982年初頭から、新聞・雑誌・TVは、国鉄労働者が真面目に働いていないとする「ヤミ手当・ポカ休・ブラ勤」報道を大量に流しました。新聞記事の数は、朝日・読売・産経3社だけでも5ヶ月間で200以上にのぼります。メディア各社が足並みを揃えて、これほど長期かつ集中的に国の政策に呼応する形でキャンペーンを展開したのは戦後初めてのことでした。

その結果、「国鉄労働者は怠け者集団」「国鉄赤字は彼らのせい」が人々の意識に刷り込まれ、分割民営時に解雇された国鉄職員には「働かなかったのだから解雇されて当たり前」という風潮がつくられました。一方、鉄道の利権にむらがって、国鉄を借金づけに追い込んだ政治家の責任が問われることはありませんでした。
(引用は右サイトから http://www1.jca.apc.org/ouen/030405.html

中曽根元首相は、のちにNHKの番組で次のように語っています。
「55年体制(自・社体制)崩壊は意識的にやった。国労が総評の中心だった。いずれこれを(国労を)崩壊させなきゃいけない。民営化で、国労が崩壊し、総評が崩壊し、そして社会党が崩壊した。一連でやったことで、意識的にやった」(http://www.labornetjp.org/news/2005/20051124m1

□森善朗:「日教組、自治労を壊滅できるかどうかということが次の参院選の争点」(2006年10月31日産経新聞東京朝刊のインタビュー記事)
同紙5面の記事:「安倍政権と自民党が公務員労組の政治的影響力をそぐことなどを狙いとして、自治労、日教組に対する攻撃姿勢を強めている。自民党には有力労組を抑えることで支持政党の民主党に打撃を与え、苦戦も予想されている来夏の参院選に向けて巻き返しを図る思惑があるとみられる。」
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◆1970年代頃から、「司法保守化」。
(例)「受忍義務説」(組合活動と使用者の権限が抵触した場合、使用者は一定の範囲内で組合活動による自らの権限の侵害を受忍すべき)をめぐる判例の変化
70年代に至るまでの判例は、使用者の法益と組合活動の必要性とを比較衡量し、組合活動との関係において使用者の施設管理権等も一定の制約を受けることを承認するという点で共通していた。
しかし、1970年代の一連の裁判例は、受忍義務説を明確に否定し、現在もそれが踏襲されている。
(例1)日本NCR事件に関する東京高裁判決(東京高判昭52.7.14)は、「労働者の労働組合活動は、原則として就業時間外にしかも事業場外においてなすべきであって、労働者が事業場内で労働組合活動をすることは使用者の承認のない限り、当然には許されない」との一般原則を宣言し、企業内における無許可ビラ配布を理由とする懲戒処分を容認した。
 (例2)国労札幌地本事件に関する最高裁の判決(最三小判昭54.10.30)は、使用者が企業の維持・運営のために、企業の人的要素と物理的施設を総合し、配備組織して企業秩序を定立する権限を有することを強調した上で、企業内組合はその活動にあたって企業施設を利用する必要性が大きいとしても、「使用者において労働組合又はその組合員の組合活動のためにする企業の物的施設の利用を受忍しなければならない義務を負うとすべき理由はない」と言い切った。⇒使用者の企業秩序定立権を前提として、明確に受忍義務説を否定し、労働組合は原則として労使合意もしくは使用者の許諾なしに企業施設を利用することはできない、との原則を定立。
▽受忍義務説を否定した判例に対する批判(西谷敏氏):労働組合がよきパートナーである限り組合活動のために様々な便宜をはかりつつ、組合と対立状態に入った途端に施設管理権や企業秩序安定権を盾に、組合活動をほしいままに制限することが使用者に認められるとすれば、憲法28条の団結権・団結行動圏保障の趣旨が没却されることは明らか。

◆1990年代以降の、公務の「民間化」による変化
□「量的」民間化:公務の民間委託、公務部門の第三セクター化、2003年地方自治法改正による指定管理者制度の導入、国公立大学・病院の独立行政法人化、官民競争入札による市場化テストの導入
□「質的」民間化:能力・成果主義の人事管理手法の公務員への適用

⇒労働基本権が制限される公務員の範囲を次第に縮小し、結果としてより多数の労働者に労働基本権を保障。
公務と民間の差異が相対的なものにすぎなかったこと、したがって公務の特殊性を理由とする労働基本権剥奪が決して合理的根拠をもつものでなかったことを明白にし、公務員の労働基本権回復の客観的条件を作り出すことになった。
しかし他方、従来の公務を引き受けた民間企業の労働者は、不安定雇用労働者が多いことなどもあって労働組合に組織することが困難な場合が多い。また、労働運動が全体として活力を失い、公務員の勤務条件の引き下げ圧力が強化されるなかで、公務員組合の中でも労働基本権回復を要求する力が強まっているとはいえない。
このように、公務の民間化は、客観的には労働基本権の適用される範囲を拡大し、また公務員の基本権回復要求の正当性を明白にしているが、他方でかえって労働基本権を行使し、あるいはその回復を要求する労働者の主体的条件を弱めているのである。

≪参考文献(というよりほぼ全文引用)≫「労働組合法」(西谷敏著、有斐閤、2006年)

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