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(回答先: アメリカは野蛮国(4):野蛮な歴史・・・ 投稿者 いかりや爆 日時 2006 年 10 月 29 日 11:25:07)
第一次イラク戦で、アメリカは何を得たか。
ただで、クエートのためにやってやったなんてこと絶対あり得ません。アメリカが多額の金と人命
を犠牲にして慈善事業をやるわけがない。
私は、本題の一回目の最初のところで、次の通り書いた。
”アメリカの思想の本音の部分は、「邪魔者は殺せ」です。欲しいものは何がなんでも、「自分の
ものにする」ということを至上命題にしてきた国柄です。根底は力と金銭至上主義ですから、金銭
(欲得)を度外視して、何かをやり遂げるという伝統文化は育たなかった”
第一次イラク戦でアメリカが得たものは、次の通り。
まず一番目、クエートから、フセインのイラク軍を追い出してやった。つまり、クエートに絶大なる恩
を売った。その見返りとして、クエートに二次イラク攻撃のための後方支援基地を築いた。自衛隊も
ここから、サマワに向かった。
二番目に、サウジアラビアにも恩を売った。横暴なフセイン軍がクエートに侵攻したことで、フセ
インの次なる野望は、サウジにあるのではないかという恐怖感をサウジに抱かせた。結果として
サウジにアメリカ軍の巨大な軍事基地(中東全体に睨みをきかす?)を築くことができた。いずれも、
第二次イラク戦に備えての布石である。
こうして、アメリカは2003年3月19日イラク攻撃を開始した、第二次イラク戦争の始まりだ。
その9ヶ月前の2002年6月24日に、ブッシュ大統領は演説で中東和平構想の「ロードマップ」
に言及している。つまりイスラエル・パレスチナ紛争を2つの恒久平和国家としてを2005年まで
に実現するための行程表である(殆どの人がもう忘れている?)・・・実はこのとき、ブッシュは「中
東和平構想のロードマップ」と言いながら、腹の中で「第二次イラク戦争」を周到に用意していたは
ずである。言葉は悪いが、口先で「平和」を唱え、腹の中にドスを隠しもっていたことになる。
ブッシュはこの時点で、既に第二次イラク戦争の開始どころか、勝利をも念頭におきながら、中東
の和平構想に言及していたことになる。だからイラク攻撃開始にあたり、イラクの大量破壊兵器が
存在するかどうかは、彼にとってどうでもよかったのである。
イラク攻撃開始から1ヶ月余り経過した2003年4月30日に米国国務省は具体的な中東和平へ
のロードマップを発表した。今からみると、この和平構想の「ロードマップ」は、恐ろしくというべきか
滑稽なくらいに楽観的な内容である。ご都合主義アメリカの絵に描いた餅が描かれているのである。
アメリカの攻撃開始から僅か20日でバグダッドは陥落した。戦争という言葉に値しない一方的な
アメリカの圧勝だった。この時点ではアメリカの思惑はほぼ予定通りだった、これでイラク全土を掌
握したかにみえた。
この「ロードマップ」には、表向きはイラク戦には直接触れていない。だが、中東の邪魔者、フセイ
ンのイラクを予想以上に早く制圧したことで、アメリカはイスラエル・パレスチナのいわゆる中東紛争
の解決へ向けて超楽観的になったのものと思われる。
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