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http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060916i214.htm
ローマ法王庁、ベネディクト16世発言で謝罪声明
【ローマ=松浦一樹】バチカン市国(ローマ法王庁)のタルチジオ・ベルトーネ国務長官(首相に相当)は16日、イスラム諸国で反発が強まっているローマ法王ベネディクト16世の発言について、「イスラム教徒への攻撃と受け止められたことを、法王は大変申し訳なく思っている」と謝罪する声明を発表した。
拡大しつつあるイスラム教徒の反発を和らげることを狙った声明とみられるが、これで抗議行動が収束に向かうかは不透明だ。
11月には法王のトルコ訪問が予定されるが、「訪問は無理ではないか」(バチカン関係者)と実現を危ぶむ声もある。イスラム諸国との対立が先鋭化すれば、前法王ヨハネ・パウロ2世の在世から促進してきた「宗教間の対話」が、大きく後退しかねない。
バチカンの新国務省外務局長(外相に相当)に15日任命されたばかりのドミニク・マンベルティ師は、「宗教間対話を最優先課題とする」と改めて強調し、イスラム社会との関係修復に取り組む考えを明らかにしていたが、法王庁としては、イスラム諸国との関係修復を目指すほかに選択肢はない。
法王の発言については、メルケル独首相が「発言の意図が誤解されている。法王が明確にしたのは宗教の名において暴力を断固拒否すること」と擁護する考えを示した。
だが、教会内部からは、「イスラム教やムハンマドを批判していると受け取れるような引用がまずかった」との批判が聞かれる。
また、ドイツ訪問中、プロテスタント関係者からは「我々を教会として扱わなかった」と不満の声も上がっていたという。
神学者出身のベネディクト16世は難解な言葉を発することが多く、バチカン関係者ですら、法王のメッセージの「真意が伝わらない」面があると指摘する。このため、法王庁が今後、「トップ」の新たなイメージ作りに取り組む必要が出てきそうだ。
(2006年9月16日22時34分 読売新聞)
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