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(回答先: 安倍人脈:次期政権像を探る/1 ブレーン政治―「毎日新聞」 投稿者 天木ファン 日時 2006 年 9 月 01 日 11:11:26)
安倍人脈:次期政権像を探る/2 外交・安保
◇解釈改憲、陰に参謀−−「拉致」起点に信頼関係
外務省の谷内正太郎事務次官(69年入省)は今春、同省の施設に安倍晋三官房長官を招き、集団的自衛権行使の解釈変更や、防衛費削減などをめぐり幅広く議論した。同席したのは外交評論家で元駐タイ大使の岡崎久彦氏、JR東海会長の葛西敬之氏、日米同盟研究が専門の大阪大学大学院の坂元一哉教授らだった。
安倍氏に最も近い外務官僚は、谷内次官と、斎木昭隆駐米公使(76年入省)と目されている。谷内、斎木両氏ともに、北朝鮮の拉致被害者問題に取り組み、安倍氏と信頼関係を深めた。「北朝鮮問題を巡り安倍さんは孤立していたが、恥をかかせるわけにはいかなかった」。谷内氏は周囲に、当初の小泉政権の様子をこう語っている。
外務省内でも日米同盟の堅持、発展論者の急先ぽうである谷内氏にとって、集団的自衛権の解釈変更は、長年の悲願だ。01年、小泉政権発足後まもなく、当時総合外交政策局長だった谷内氏は、ワシントン市内のホテルで、ケリー国務次官補、パターソン国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長(いずれも当時)と極秘に会談した。
谷内氏は「日本政府は集団的自衛権の解釈変更などにも取り組む。なるべく早くきちっと決着をつけたい」と米側に伝えた。「ぜひやってほしい。遅すぎるぐらいだが、きちっとやってほしい」と語るケリー氏に谷内氏は「今はおおっぴらに話をすることはできない。我々は静かにやる。理解してほしい」と応じた。
それから5年。安倍氏は総裁選に向け、憲法の解釈変更で集団的自衛権の行使を容認する意欲を示す。
「日本の外交・防衛政策の基本は日米同盟」(26日、富山市での講演)。外交をめぐり、安倍氏の対米重視は鮮明だ。
今年7月5日の北朝鮮のミサイル発射をめぐっては、安倍氏とハドリー米大統領補佐官(国家安全保障担当)のホットラインが注目を浴びた。ハドリー氏と安倍氏の間を取り持ち、安倍氏の携帯電話の番号を教えたのは斎木氏だった。両氏のラインは、北朝鮮への対応を巡る国連安保理の各国の攻防の中で機能した。
外務省幹部は「今、安倍氏の対米人脈の核は、シーファー駐日大使とハドリー氏の2人」とみる。シーファー氏はブッシュ大統領と同様、テキサスの出身で、米大リーグ球団のテキサス・レンジャーズに共同出資するなど親しい間柄だ。一方、大統領直属のNSC担当のハドリー氏は大統領、ライス国務長官の信頼が厚い。安倍氏が日本版「NSC」構想を打ち出したのは、ハドリー氏やNSC担当次席補佐官のクラウチ氏らとの交友が影響したとの指摘もある。
加藤良三駐米大使(65年入省)も安倍氏の対米人脈を支える。加藤氏はラムズフェルド国防長官、アーミテージ元国務副長官、クラウチ氏らとのパイプが太い。
安倍氏にとって「日米同盟」の原点は祖父の岸信介元首相が国内の強い反対を押し切り実現した「日米安保改定」でもある。改定の60年当時、安倍氏は5歳。東京・南平台にあった祖父の家で「アンポ反対」と叫び、遊んでもらったという。晩年、岸氏は「改定がきちんと評価されるのには(改定後)50年かかる」と言い残したが、50周年は4年後。祖父譲りの日米重視をどう発展させるのだろうか。=つづく
毎日新聞 2006年8月30日 東京朝刊
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