現在地 HOME > 戦争66 > 895.html ★阿修羅♪ |
|
イラク議会選:
シーア派が大勝の勢い
【カイロ福島良典】30日投票のイラク移行国民議会(定数275)選挙は即日開票され、多数派のイスラム教シーア派が大勝する勢いだ。旧フセイン政権下で迫害されてきたシーア派主導の政府が誕生する可能性が高まり、建国以来の少数派スンニ派支配の構図が崩れることが確実になった。イラク人スタッフを動員して監視にあたったNGO(非政府組織)は「不正は極めて少なかった」とし、ブッシュ米政権をはじめとする米欧政府や国連は選挙を基本的に「成功」と評価している。
独立選挙委員会は30日夕、投票所からの非公式情報を根拠に推定投票率を約6割と発表。イラク暫定政府は選挙前、約5割を「選挙成功」の目標値に掲げており、独立選挙委の国連代表も慎重姿勢ながら、投票率が事前予想を超えたと認めた。
イラク中、南部のシーア派地域、北部のクルド人地域では9割前後の投票率になると推定している。スンニ派勢力のボイコット宣言を受け、選挙の正当性を左右するのが同派住民の投票率。AFP通信によると、中部ファルージャやラマディなど治安情勢の悪い地域では、投票に訪れる住民の姿はまばらで、スンニ派地域の投票率は低調と見られる。
シーア派地域での好調な投票率により、勝利が確実となったのはシーア派最高権威シスタニ師の支持する連合会派「統一イラク同盟」。中心となるイラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)幹部のアンマル・ハキム氏は30日夕、独自集計に基づき、同会派が「圧勝した」と宣言した。
「選挙参加は宗教的な義務」と投票を呼びかけてきたシスタニ師は30日夜、「投票したイラク国民」に謝意を表明した。同会派は選挙後のイラク政局で主導権を握ると見られ、他派との融和や国情安定化には移行政府の閣僚配分が焦点となる。
選挙の公正性には疑問も持たれたが、1万人動員して監視に当たったNGOは「選挙は全体的に良好な状態で行われ、不正は極めて少なかった」との声明を出した。隣国ヨルダンで活動する国際選挙監視団のキングズリー団長は30日、「選挙の枠組みはよく準備され、基準に達していた」との声明を出したが、公正だったかどうかには言及しなかった。
フセイン元大統領は少数派のスンニ派を基盤に独裁体制を維持してきた。スンニ派とシーア派の主従逆転で、今後、宗派・民族の内部対立が深刻化する可能性もある。
毎日新聞 2005年1月31日 11時18分
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050131k0000e030041000c.html