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(回答先: Re: 人権関連法案に関するまとめの手助け(臨時)・・・あまりにも酷いデマの横行のほうが問題 投稿者 木田貴常 日時 2005 年 3 月 20 日 10:26:14)
ご紹介のサイト『権関連法案に関するまとめの手助け(臨時)』の「間違った事実認識や、誇張表現が多々あります。しかし、それを放っておく事は、バグをソフトに残しておくようなもので、反対する人たちにとってはむしろ害となってしまいます」という問題提起自体は一般論としては正しいと思いますが、この『権関連法案に関するまとめの手助け(臨時)』自体基本的なバグをかかえています。
それは次の一節にあらわれています。
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まず最初に言っておきますが、家宅捜査を行う人権委員会は、総理大臣が選ぶんですよ?今で言えば、自民党総裁でもある小泉純一郎です。何でそんな人に選ばれた人が「経済制裁を訴える事は朝鮮人への差別だ」と考える人を選ぶと思うのですか?小泉さんを信頼してないのかな……そりゃ、北朝鮮政府を支持する人たちが経済制裁容認発言を行う政治家に対し、「朝鮮人への差別だ!」と言う事はありえるかもしれません。しかし何で「一部の人たちが騒ぐ=総理大臣と衆参両院によって選ばれた人権委員会の人たちが強硬な態度で捜査に乗り出す」となるのか?はっきり言うと意味不明です。
----------------(引用終わり)---------------------------------
「小泉さんを信頼してないのかな」はこのサイトの上記問題提起にも矛盾する致命的なバグです。
総理大臣であろうがなかろうが、小泉純一郎であろうが誰であろうが問題ではありません。
法律は条文がすべてです。施行する者が誰であろうと、立法理念通りに機能するものでなくてはなりません。たとえヒトラーが総理になっても理念通り正しく機能するものでなくてならず、誰かが恣意的に運用できるようなものであってはならないというのが基本です。
『人権擁護法案』は人権委員会を法務省の管轄に置きます。
しかし、この法務省がこれまでやってきたことは、たとえば次に記事にあるようなことです。
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漂う政治難民 誇りなき政策
東京新聞 - 2004年7月17日
曽我ひとみさんの夫ジェンキンスさんらの来日に向け、政府が大車輪の動きを展開している中、「もう一つの人道問題にも力を入れて」−そんな声が、難民問題にかかわる弁護士、支援団体などから上がっている。難民受け入れ実績が低く「難民鎖国」とまでいわれる日本。問題点を探った。
(社会部・市川隆太)
難民支援の関係者らは「民族対立や軍事政権の迫害を逃れてやってきた外国人も、日本政府はなかなか難民認定してくれない。政治難民保護が“務め”と考える欧米各国を見習うべきだ」と口をそろえる。たしかに、なぜ、これが不認定なのかというケースもある=別項。
指摘を裏付けるデータもある。過去五年の難民認定者数は十六人(一九九九年)、二十二人(二〇〇〇年)、二十六人(〇一年)、十四人(〇二年)、十人(〇三年)。それぞれ、年間約二万人を認定する英国、米国、ドイツに遠く及ばない。
さすがに、政府も国会に入管難民法の改正案を提出し、今年五月に成立した。▽難民申請不認定とされた人の異議申し立てを法務省自身が再審査してきた方式を、有識者からなる「参与員」の再審査方式に変える▽入国後六十日以内だった難民申請期間を六カ月に変更する▽難民申請中は「仮滞在許可」を与え、「退去強制手続き」を停止する―などが柱。法務省は「中立性、公正性が高まった」としているが、「これでは、依然として多数の政治難民が救済されない」との指摘もある。
難民問題に詳しい「連合」の中嶋滋総合国際局長は「入国管理と難民認定を法務省が兼務すること自体、おかしい」と、認定審査全体を法務省から切り離すべきだと主張する。
入国管理は悪質外国人の国外退去や入国阻止、難民認定は迫害された外国人らの保護と、相反する業務だからだ。参与員も法相が任命するうえ、その決定に法相が従う義務がなく、独立性が疑問視されている。難民問題の専門家や民主党も、法務省から独立した「難民認定委員会」設置を求めている。
さらに、難民申請できる国を経由して来日した人を難民認定しない方針も変わっていない。弁護士らは「トルコのクルド人や、ミャンマーの民主化グループは、近くの国で難民申請するのが怖いから来日するのに、実情が無視されている」と嘆く。
国連難民高等弁務官事務所と協力関係にある特定非営利活動法人「難民支援協会」(東京都新宿区)は「難民認定のノウハウに問題がある」と訴える。先進国の難民認定機関は、例えばミャンマー民主化デモの場所、時間などをデータベース化し、難民の物証(本国での指名手配書など)がない人でも供述が信用できれば認定するが、日本では物証を提出しないと認定されにくいという。関係者は言う。「まじめな難民調査官も、入管からの人事異動では頭の切り替えができず、ノウハウも蓄積しない。誇り高き専門職員育成が急務です」
■ケース1
トルコ国籍のクルド人タスクンさん(28)=埼玉県在住=は「クルド人を弾圧するトルコ軍には加わらない」と、一九九二年に兵役を拒否し日本に逃れた。
「帰国したら拷問に遭う」と難民認定を申請したが不認定に。法務省は「反政府活動家として迫害を受ける恐れがない」としているが、トルコの複数新聞は、トルコ国民会議幹部が、在日クルド人団体を批判したと報じている。
タスクンさんと妻ベルトランさん(37)は不法残留(オーバーステイ)だとして今年一月、入管施設に収容(現在、仮放免)された。長女ジランちゃん(3つ)は両親と引き裂かれたショックがトラウマとなっている。
■ケース2
ミャンマー軍事政権が民主化指導者アウン・サン・スー・チーさんを自宅軟禁した際、同時に身柄を拘束された側近男性(40)は、刑務所で拷問を受け、釈放後の一九九九年、日本に逃れた。
スー・チーさんの著書「恐怖からの自由」で「活動仲間」として写真まで掲載された人物だが、法務省は「反政府活動家として迫害される恐れはない」として、難民申請を不認定に。男性は茨城県の入管施設に収容されている。
----------------(引用終わり)---------------------------------
このような省こそ、まず真っ先に”人権委員会”で問題にされなければなりません。それが”人権委員会”を管轄するというのはブラックジョークに等しいでしょう。
以下参考まで。
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中村てつじの取り組み <難民問題について>
http://www.tetsu-chan.com/torikumi/nanmin/nanmin2.html
○ 日本における難民政策の問題点
日本における難民政策で問題視されているのは、大きく、以下のポイントがあげられると思います。
1)難民認定者数が先進諸国と比べて非常に少ない
2001年、日本政府の認定数は24名です。これは先進諸国の例(カナダ:13,336名、フランス:5,049名、ドイツ:17,547名、イギリス:10.995名、アメリカ:20,487名 ※全て2001年のデータ)と比べても数百から数千分の1です。これでも最近は多くなったほうで、10年前は一桁でした。
法務省は、「各国と比べれば、そもそも難民申請者の数が少ない」と主張しています。実際、日本における難民の申請者数は353人と少ないのですが、認定率で見ると7.6%(2001年)と各国(カナダ:58%、フランス:12%、ドイツ:28%、イギリス:11%、アメリカ:43% ※全て2001年のデータ)と比較しても低い数字となっています。
こうした難民の認定率が低いことに加え、空港における入国拒否も多いという指摘まであるのであれば、「難民に冷たい」という評判の日本が、そもそも申請者数が少ないのも当然かもしれません。
2)不認定の場合の理由が具体的に明示されない
難民申請を行った場合、認定か不認定かは法務大臣が判断することになっていますが、不認定の場合、法務大臣は理由を付すこととなっています。
しかし、多くの場合その理由は具体性が乏しく、また、日本上陸後60日以内に難民申請をしなかった場合は、難民であるか否かに関わらず、それを理由に不認定処分を受けてしまいます。不認定理由が明らかでないため、認定の基準が全くわからず、事実上役人の裁量に委ねられています。
また不認定処分に対する異議申出を行う際にも、不認定理由が明示されない為に具体的に何を反論すれば良いのかわからないということで、申請者に対して大変不利な状況になっています。
3)現行の難民審査体制は不十分であり、また不認定処分に対する異議申出を第三者機関に行えるようになっていない
理由が明示されないことや、難民認定数が少ない原因の一つには、法務省の審査体制が不十分であるためという指摘があります。
実際に調査を行うのは、難民調査官という入国管理局の職員、専任の難民調査官は全国で4名、残り40名は入国審査官が兼任です。法務省は世界の諸情勢を適宜収集し、専門の研修を実施する等、難民審査には十分な体制を整えているとしていますが、審査に約一年かかっている現状や、審査状況の透明性の低さを考えると、十分な体制とはとても言えないと思います。
また、不認定処分に異議申出を行う場合、先進諸国では審査を行った組織とは別の、第三者機関に申出を行うシステムとなっているのが通例ですが、日本はいずれも法務大臣に行うこととなっています。これでは異議申出が適切に機能しているか疑問が残ります(異議申出により、2001年に難民と認められた方は2人:申出全体の2%、アメリカは7817人:34%、イギリスは8060人:19%)。
4)難民申請者の法律上の位置付けがなく、その結果、強制収容者が多い
日本における難民申請者の法律上の地位は特に設けられていません。自国で迫害されている難民は、多くの場合適切な在留資格を得ないまま日本に入国しているため、結果的に不法入国者となっている事例が多いのです。そのため、難民条約を批准した各国は、原則として、難民申請者を収容しないようにすることを合意しているにもかかわらず、強制収容される方も多く(難民申請者手続を行っている者の10%以上)、例え仮放免等で収容を免れた人も、在留資格がないために、医療や教育等政府からは何の支援も与えられず、又就労も許可されず生活困難な状況にあります。
他方、収容者は、何時強制退去されるのか不安におびえながら、長い人で一年以上に渡って拘束されている人もいます。
先進諸国では、難民申請者に対して、一時受入先や、無料の医療制度を用意しています。また、多くの国では審査が長引く場合、就労が許可され、生活援助も行われています。
5)難民認定者への援助体制が未整備
晴れて難民の認定を受けた人は、通常定住者としての在留資格が与えられますが、彼らが日本で生活をするための援助を行う包括的な体制ができていません。各種福祉制度のガイダンスや語学教育の実施等をNPOと協力しながら行う、政府の専門の機関が必要です。(上記のデータでは、いわゆる「インドシナ難民」は対象としておりません)
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