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朝日新聞
2005年03月17日18時17分
ライブドアがフジテレビジョン買収に向けて、レバレッジド・バイアウト(LBO)と呼ばれる手法を使って、3000億円の資金調達を検討していることが17日分かった。LBOは80年代に米国で発達した手法で、3000億円にものぼる調達は日本では過去最大級。ライブドアはこの資金を元に、フジ株の過半数の取得を目指す見通し。ニッポン放送の経営権取得にめどをつけた同社は、フジサンケイグループの「本丸」掌握を狙う。
関係者によると、ライブドアは買収先であるフジの資産を担保にして、複数の外資系金融機関などからなる融資団から、借り入れや債券・コマーシャルペーパー(CP)発行の形で資金を調達する。2月のニッポン放送株取得時に約800億円を調達した「転換価額修正条項付き転換社債型新株予約権付き社債(MSCB)」をしのぐ金額が必要なため、新たな金融手法を活用する。
ライブドアはこれまでに、ニッポン放送株の議決権ベースでの過半数取得を確実にし、同放送側の対抗手段である「新株予約権の発行」を巡る司法判断でも有利な立場にある。このため、当初からの狙いだったフジ本体の買収を加速させる条件が整ったとみた模様だ。
フジの発行済み株式数は254万8608株で、時価総額は約7000億円。外国人の保有比率(議決権ベース)は15日時点で18.6%になるなど、市場で買い付けられる余地(流動性)はあるとされる。
ニッポン放送はフジ株約22.5%を保有しているため、ライブドアはあと30%程度取得したい考えだ。
巨額の資金調達を成功させるためには、来週にも下される同放送の新株予約権発行を巡る差し止め仮処分申請の高裁判断で、地裁判断が覆らない必要があると見られる。LBOの実施には、買収先の経営権を掌握できる見通しが必要で、覆った場合には、ライブドアのニッポン放送に対する支配力が弱まるためだ。フジやニッポン放送側が新たな防衛策を講じる可能性も残っている。
LBOは80年代後半、米国でブームを巻き起こした企業買収法で、89年の米投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)による、たばこ・食品大手のRJRナビスコ買収が代表事例。
日本では、03年の米系投資会社リップルウッドによる通信大手の日本テレコムの買収がLBOを使った最大事例。買収額は2600億円あまりだったが、リップルはこのうち約2000億円を、国内外の銀行から調達したとされている。
このほかにも投資会社フェニックス・キャピタルによる、食品製造のゴールドパックの買収などに使われている。
〈LBO〉 企業買収には巨額の資金が必要となるため、買収しようとする対象企業の資産や将来収益を担保に、金融機関や市場から資金を調達して買収をする方法。レバレッジド・バイアウトの略。小さな力(少ない自己資金)でも大きな力(多額の資金)を生むことから、てこ(レバレッジ)の言葉を使う。
対象企業に多額の借金をさせる形になるため、対象企業の経営には負荷がかかるうえ、倒産した場合には資金の出し手が巨額の損失を負う。このため、主に安定収益型の企業を買収する際に使われる。
http://www.asahi.com/business/update/0317/099.html
ライブドア フジテレビ本体の買収に乗り出す方針 NNN 2005年3月17日
3/17 15:46更新
ニッポン放送株の実質50%を確保したライブドアが、フジテレビ本体の買収を検討していることが明らかになった。
ニッポン放送はフジテレビ株の22.5%を保有しているが、ライブドアは、ニッポン放送を子会社化を進める一方で、フジテレビ本体の買収に乗り出す方針。フジテレビの時価総額は6400億円で、過半数を確保するためには約3000億円の資金が必要となる。
ライブドアは、ニッポン放送との裁判が有利に進んでいるため、外国資本などから資金を調達することが可能と見込んでいる。また、買収を予定している企業、つまりフジテレビの資産を担保に資金調達する方法も選択肢の一つとして検討している。
フジテレビは15日に増配を決めた後株価が上昇しているが、これについてライブドアは、一時的なもので取得の障害にはならないとみている。
http://www.nnn24.com/32732.html
フジテレビ株が2万4000円高…投機的な買い
17日の東京株式市場で、フジテレビジョン(フジテレビ、東証1部)の株価が大幅に上昇し、午前の終値は、前日終値比2万4000円高の27万7000円となった。
ライブドアがフジテレビ株の本格的な取得を検討していることを受け、今後の株価上昇を見越した個人投資家やヘッジファンドなどが投機的な買いを入れている。
ライブドア(東証マザーズ)株も続伸し、同3円高の344円で午前の取引を終えた。ニッポン放送株を実質的に50%超確保したことで「ニッポン放送の経営を支配できる可能性が強まった」との見方から買われた。
一方、ニッポン放送(東証2部)株の午前の終値は前日終値と同じ6500円だった。
(2005/3/17/12:12 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/business/news/20050317i203.htm