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Re: 自閉症と、言語能力及びゼロ・ポイントフィールドとの関係について
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投稿者 都会暮らし 日時 2005 年 5 月 30 日 10:46:12: qpL7B6r4wrfEE

(回答先: 自閉症と、言語能力及びゼロ・ポイントフィールドとの関係について 投稿者 風のように 日時 2005 年 5 月 29 日 11:25:17)

風のようにさん

自閉症の人や都会暮らしさんのご紹介リンク先(http://www.onyx.dti.ne.jp/~sultan/colum110.html)のサヴァン症候群の人が、物事を言葉ではなく感覚(非言語)で捉えているということは興味深い例だと思います。

つまりZPFから得られた情報の束(思考ボール)も、脳のこうした脳細胞機能の段階で言語というものに変換されるということであり、情報そのものは、非言語の状態であるということなのでしょう。

言語能力の欠乏が調和的な思考を生み出しているのか、調和的な思考が言語能力の欠乏を生み出しているのか。

また俺の、娘の話になります。
自分の子供の事を書くのは、親バカの謗りを免れないのですが、彼女がいなかったらここでこうして、風のようにさんと会話をすることもなかったでしょう。
俺にとっては最も興味のあることなので、苦笑をお誘いするかもしれませんが、お許し下さい。

申し遅れましたが、我々一家は日本も含め、複数の国を渡り歩いてきましたので、娘は数ヶ国語をネイティヴとするマルチリンガルです。
彼女にとっての母国語は、3つあります。

で、ある日ふと、疑問に思ったことがあり、直接娘に尋ねてみました。

「あんたは普段、頭の中でモノを考える時、何語で考えてるん?」

そう聞かれた娘は、不思議そうな顔をしました。
「モノを考える時、コトバで考える」の意味、つまり「思考をする際、言語という道具を用いて思考する」という「普通の人にとってはあたりまえ」のことが、理解できないのです。
暫らく親娘でトンチンカンな問答を続けましたが、ようやく彼女が申すには、

「モノを考える時、言葉なんて使っていない。」というものでした。

どうもその、彼女の頭の中には(便宜的な意味で頭の中と言ってます。どこの中かは知りません)、情報を「生」のままで蓄えておけるフォルダみたいなのがあって、例えば日本人と話をする際には、そのフォルダから取り出した情報を日本語に変換し、アウトプットしているようなのです。
(その非言語フォルダを俺は、冷蔵庫と名付けました。)

PCに例えて言えば、ちょうどひとつのOSの中に、複数言語のワープロソフトがインストールされているようなもんでしょうか。
といっても、入ってくる情報が自動的に日本語に変換されてしまうモノリンガルの俺には、感覚的に理解できません。
(そういえば俺も、英語はある程度流暢だし、英語を話す時は英語で考えて喋ってはいるのですが、そういうのとは全く次元の異なる思考回路のようです。)

「天才と凡人の違い2〜」http://www.onyx.dti.ne.jp/~sultan/colum110.htmlでは、こう言ってますね。

サヴァン症候群の人たちは、概念でものを見ていないという。概念でものを見るということは、言語能力を獲得するということである。そしてこの特殊な能力は、言語能力が獲得されると失われてしまうのだ。

人間には「直観像」という能力がある。直観像は、言ってみれば写真のような記憶のことで、見たそのままを細部まで覚えており、それを頭の中に写真があるように思い出すことができる。
ただこの能力は実際には子供の頃にはあっても、大人になるにしたがって消えてしまうという。

ナディアは言語の発達が遅れていた。そのために彼女は上記のような言葉で世界を切って、見ることをせず、ありのままを受け取ることができたのだ。このありのままを受け取るのが「直観像」であり、言語の獲得と平行して失われる。ナディアの才能は、言葉を知らないから、花開いたといえなくもない。

上記が正しいとすると、マルチリンガルという人並み以上の言語能力を持つ娘が、同時に情報を生でストックしておける「冷蔵庫」も持っているということは、どういうことなんだろうか?
先ほどちょっと娘に、お前は風景を写真のように記憶することが出来るかと尋ねてみましたが、逆に「お父さんはできないの?」と不思議がられました・・。

たぶん通常の環境においては、直観像が言語の獲得とともに失われるってのは正しいのでしょう。
だが俺の娘は、オギャアと産まれ落ちたと同時に複数言語世界に放り込まれてしまったので、言葉でもってモノを概念化するという方向に行かなかったのかもしれません。
ゼロスタートからの段階で、「赤くて丸くて、食べると甘いモノ」がリンゴ(日本語)、アップル(英語)、マンサナ(スペイン語)である世界というのは、単語だけ並べてみりゃ大したことありませんが、これに複雑な文法のみならず、それぞれの言語が根を生やす土壌、相互に異なった文化背景やロジックも同時にある訳で、幼児期の彼女が「言語によって世界を<ある概念>に固着させる」など不可能だったのではないかと想像できるのです。
つまり彼女の冷蔵庫は、人生の初期の段階において緊急避難的に形成され、そのまんま彼女の中に定着してしまったのではないかと・・。

個人的な事を長々と読ませてしまって、申し訳ない。
ただ風のようにさんの投稿を読ませてもらってると、俺の中にあった疑問が次々と氷解していきます。

いやもう、楽しくなってきました。

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