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12月9日付・読売社説(1)
[“遺骨”は別人]「『北』の愚行が自ら制裁を招く」
拉致被害者の身を案じる家族の心情を、どこまでもてあそぶのか。卑劣極まりない“ならず者国家”北朝鮮の態度である。
先に平壌で行われた日朝実務協議で、北朝鮮が新たな資料として提出した、横田めぐみさんのものとされた“遺骨”は、DNA鑑定の結果、まったく別人のものと判明した。
別人の遺骨を出してきたのは、松木薫さんの前例があるが、今回は、二種類のDNAがあったというから、二人分の骨を混ぜていたことになる。松木さんの例と同様に、骨は念入りに焼いてあったといい、DNA鑑定は出来ない、と踏んでいたのだろうか。
めぐみさんについては、新たな写真も提出されているが、一部は合成されたものという専門家の指摘もある。
度を越した、でたらめぶりには呆(あき)れるほかない。つじつま合わせに走って馬脚を現したのは、滑稽(こっけい)でさえある。
北朝鮮の金正日総書記は、小泉首相が今年五月に再訪朝した際、安否不明の拉致被害者十人の再調査を約束した。その後、三回の実務協議が開かれたが、北朝鮮は「八人死亡、二人未入国」とする従来の説明を変えていない。
今回、めぐみさんの“遺骨”が別人のものであったことは、拉致問題に関するこれまでの北朝鮮の説明全体がまやかしであり、真実にはほど遠いものであることを示すものだ。
家族の願いを裏切るだけでなく、政府間の公式の協議で臆面(おくめん)もなく虚偽の資料を提出したことは、日本政府や日本国民を愚弄(ぐろう)するものでもある。
政府は北朝鮮に厳重に抗議したと言うが、それで済むものではない。拉致問題の全容を明らかにし、解決する意思が、北朝鮮にないのであれば、経済制裁の発動を検討せざるをえない。
北朝鮮に対する制裁については、既に北朝鮮との貿易の制限や送金の停止が出来る改正外為法や、北朝鮮関係船舶の入港を制限する特定船舶入港禁止法などの法整備を終えている。
自民党が先にまとめた五段階の制裁プログラムに沿った制裁の発動は十分、考慮に値する。このプログラムでは、人道支援の凍結・延期から、限定的な貿易や送金の制限を経て、最終的に船舶の全面入港禁止に至る。
人道名目の支援については、首相が再訪朝した際に約束した二十五万トンの食糧支援の半分がまだ実施されていない。政府は当面、凍結するというが、第一段階の制裁として、中止すべきだろう。
北朝鮮が経済制裁を避けるには、誠実に真実を明らかにするしかない。
(2004/12/9/01:34 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20041208ig90.htm