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2005年04月24日(日)
ウイルスバスター不具合 ユーザー苦情にPC会社悲鳴
「ウイルスバスター」によるトラブルは23日、企業や一部官公庁だけでなく、個人ユーザーにも広がり、パソコンメーカーに電話が殺到するなどの影響も出た。このソフトを販売するトレンドマイクロ社は24日未明、テストをしないファイルを配布していたことを明らかにした。ウイルスの侵入を防ぐはずのソフトが招いた混乱に、ユーザーからは「十分検証もしていないファイルを出すなんて信じられない」と怒りの声が上がった。
「パソコンが起動しない」「画面が白っぽく、動かなくなった」――。
「パナソニック」ブランドの松下電器産業やNECなどパソコンメーカーの相談窓口には23日朝から個人ユーザーからの苦情電話などが殺到し、対応に追われた。
パナソニックの大阪相談窓口センターのパソコン約100台もウイルスバスターを使っていた。午前8時半過ぎ、一斉にシステムトラブルが発生し、直後から電話が始まった。専用電話約50台が一斉に鳴り続け、担当者だけでは対応しきれなくなったという。
担当者の一人は「自分のパソコンは起動しないし、お客様からは電話がかかってくるしで午前中はオフィスがパニックに陥った」と話した。また、NECのパソコン相談センターでも、ユーザーからの苦情は夕方までに約200件にのぼったという。
都内に住む30代の勤務医の女性は23日朝、パソコンを立ち上げようとしたが、内部の音がうるさく、立ち上がらなかった。
午前10時すぎ、パソコンメーカーのサポートセンターに電話をかけたが、つながらなかった。
正午すぎ、秋葉原にあるメーカーのパソコンセンターに持ち込んだ。ハードディスクを初期化することにし、普段使っていた医療辞書ソフトや年賀状のあて名を打ち込んだ住所録ソフトのデータがすべてなくなった。
ウイルスバスターが原因だと知ったのは、その2時間後だった。
女性は「テストもしないファイルを配布したのはいい加減で許せない。トレンドマイクロ社は社会的責任と影響を考えていたのか」と憤る。
トラブル対応に追われた人たちからは「十分検証してから配布してほしい」などの声が上がった。
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/shakai/20050424/K2005042302910.html