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(回答先: 傷害容疑で逮捕???女子中生に蛇の入れ墨=彫師の男ら、傷害で逮捕−大阪 【時事通信→yahoo】 投稿者 デラシネ 日時 2005 年 1 月 21 日 00:12:20)
かいつまんで言うと、
医療行為は構成要件該当性の点だけで判断するならば犯罪になってしまう。
しかし、医療行為の場合には特別な事情を考慮して例外的に犯罪とはみなされない。
ということです。
従って、医療行為でなければ人の身体に損傷を与える行為は犯罪になります。
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「犯罪」とは、に関する一般論。
http://www.h3.dion.ne.jp/~urutora/hanzai.htm
>> 犯罪の成立要件
ある行為が「犯罪」として成立するためには、どんな条件が必要とされるのでしょうか。といっても、こうしたものは時代や国家によってさまざまに変わりますから、一律普遍ではありません。現在のわが国では、犯罪の成立要件として、@構成要件に該当すること、A違法性があること、B責任があること、の三つの要件が掲げられています。
まず、「構成要件に該当すること」の意味から説明します。刑法の罪を規定した条文をご覧になるとお分かりだと思いますが、他の法律と違って独特の条文の構成になっています。つまり、たいていの条文が「○○したる者は△△に処す」というような形になっています。実は、この「○○したる」という部分が「構成要件」なのです。これは別の言い方をすれば、「禁止の内容」といってもよく、国家があらかじめこれこれの行為をしたら処罰しますよ、という形でそれらの行為を禁止しているわけです。ですから、いかに重大な被害を及ぼす行為や社会倫理的に非難される行為であっても、それが条文に規定されていなければ、すなわちどの構成要件にもあてはまらなければ決して処罰されません。「罪刑法定主義」の大原則からも当然の結論です。
次に「違法性があること」についてですが、構成要件に該当する行為がすべて犯罪とされ処罰されるとは限らず、「違法性がある」ことが要求されます。このように書くと、「ムムッ?」と思われる人もいるでしょう。条文に規定されているからすなわち違法ではないのかと。確かに基本的にはその通りですが、そうでない場合があるのです。
分かりやすい例を挙げますと、たとえば刑法第204条に傷害罪の規定があります。これは「人の身体を傷害したる者は・・・」という構成要件になっていますが、それならお医者さんが手術をして患者の身体を傷つけても罪にならないのはなぜでしょうか。あるいはボクシングの試合で相手をボコボコにやっつけて血だらけにしても逮捕されないのはなぜでしょう。いずれも明らかに傷害罪の構成要件に該当する行為です。実はこれは、これらの行為は正当な業務行為として罰しないことが別に規定されているからです(刑法35条)。つまり、構成要件には該当するけれども法に違わない、違法性がないということになるわけです。実質的な言い方をすれば、いくら構成要件に該当するとしても社会的な日常性や通常性を逸脱しなければ違法性がないということになります。そのほか、正当防衛と認められる加害行為も同様の扱いとなっています。
そして最後に、「責任があること」についてです。ふだん私たちは、この「責任」という言葉をよく使ったり聞いたりします。「子どもに対する親の責任」とか「部下の不祥事の責任をとって辞任する」などです。前者は、何かをしなければならない義務を負うという意味で使われ、後者は結果の責めを負う、穴埋をするという意味で使われています。若干のニュアンスの違いはありますが、いずれも自分と何らかの関係があることに対して「責任」を感じているわけです。
刑法でいう責任も同じような意味ですが、時代によってその範囲は大きく変わってきています。かつては、それこそ結果責任が問われ、何らかの因果関係があればそれだけで処罰された時代がありました。しかし、現代ではこのような考え方は否定されています。つまり結果を引き起こしたことについて、事実的な因果関係に加えて主観的な関連性について評価し、ほんとうに非難に値するかという観点が加えられます。
そして、その責任の態様を大きく分けるのが「故意」と「過失」です。「故意」というのは自分の行為が悪いと知りながら敢えて行う、すなわち規範を直接破ることで、「過失」はそのつもりはなく、ただ必要とされる注意を怠ったために悪い結果を引き起こす、すなわち間接的に規範を破ることです。当然ながら「故意」のほうが責任が重いとされます。
また、その人の「責任能力」も斟酌されます。典型的な例としては、善悪の判断がつかないとされる心身喪失者や14歳未満の子どもによる行為は、これを罰しないと規定されています。責任のない者の行為は刑法上の犯罪とはならないのです。
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医療行為が「犯罪ではないのは何故か」について。
http://homepage3.nifty.com/dontaku/ijihou/CHAP1.htm
医療行為は重大な危険を内包する行為である。このような危険は医療のすべての場面に潜んでいる。手術・麻酔はもちろん,日常的な検査,投薬,注射などいかなる場面でも,たとえ事故の起こる可能性は小さくとも,常に危険が伏在しているといっても過言ではない。この意味で医療行為は許された危険 das ealaubte Risko とよばれる。これは,ある業務が多少の危険性を内包していても,その業務の社会的な必要性や有用性が極端に高い場合には違法性はないとする法理である。つまり,医療は危険性をはるかに上回る有用性を持っているという理由で業務として成立しているのである。「医療は元来危険性を内包しているのだから,不測の事故が起こってもそれは許されるべきである」という意味ではない。
他人の身体を切開したり,劇薬を飲ませたりすると,刑法上の暴行や傷害の罪に問われる(刑法第204条など)。しかし,それを行うのが医師であって,それが業務であれば犯罪を構成しない。といっても自由気儘にそれが許されているわけではなく,それが医療行為として認められる場合にのみ合法なのである。医療行為がなぜ犯罪を構成しないか,については次の諸説がある。
(1) 医療行為は元来正当な行為であり,刑法でも問題にならない(正当行為説)
(2) 医療行為は,患者の承諾があるから,傷害罪にならない(患者承諾説)
(3) 医療行為が正当であることは慣習法がこれを認めているからである(慣習法説)
(4) 医療行為は,国家が正当であると承認しているからである(国家承認説)
(5) 医療行為は,小害で大害を排除するものであるから,犯罪にならない(必要行為説)
(6) 医療行為は,人の身体に対する侵害を目的としないから,犯罪にならない(目的説)
(7) 医療行為は,医師等当然の業務であり業務権に基づくものである(業務権説)
いずれの説も医療行為を非行・犯罪であるとはしない。通説は,医療行為を法令による正当業務行為に相当する(刑法第35条)ものと解している。
医師の行為が医療行為と認められるためには,次の3つを充足していなければならない。
1. 治療を目的とすること
2. 医学上認められた手段および方法であること
3. 患者,保護者,代理人などの承諾のあること
医師が善意であって,しかも過失もなく,目的が達成されても,前に述べた3点を充足していなければ原則的には違法行為である。逆に前記3点を充足していれば,患者に不幸な結果を招いたとしても医療行為であることに変わりなく,診療過程に過失の発見されない限りその責任を問われることはない。
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傷害罪の構成要件(↓)
http://www1.plala.or.jp/kunibou/houritu/k016.html
2 傷害罪
(1) 傷害の意義
人の身体の完全性を害すること
人の生理的機能に障害を与えること
(2) 行為
暴行(狭義:人に対する有形力の不法な行使)に限らない。
例:相手に毒を飲ませて相手を病気にした場合
ナイフを突き付けて脅したところ、被害者が恐怖のあまりそのナイフをつかんで怪我をした場合
(3) 故意
傷害の結果の認識がある場合はもちろん、暴行の認識しかない場合(暴行罪の結果的加重犯)も含む。
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