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(回答先: ありがとうございます。 三菱自、仏プジョーと出資交渉・再建計画抜本見直し 投稿者 hou 日時 2004 年 11 月 14 日 09:49:15)
何か過信があるようです。
確かにエンジンを作るのには技術が必要ですが、技術はどこについて回るかを考えれば分かると思います。自動車業界は人の移動が激しいところです。競合他社に移籍する人間はたくさんいますし(特にデザイナー)、むしろそれを業界全体としては好ましく思っているくらいです。最近ホンダはヨーロッパでディーゼルエンジンを販売していますが、この会社は今に至るまで日本ではディーゼルエンジンを販売していません。基礎研究くらいはしていたでしょうが、生産技術や不具合対策などの技術はなかったはずです。しかし実際にはかなり優秀なエンジンのようです。技術の蓄積の無かったホンダがなぜ開発できたのでしょうか?実はいすずから技術者を引き抜いているんです。ですから技術の移転は割と簡単に起こります。わざわざ企業単位で買収する必要は無いといっていいでしょう。
もうひとつは、部品メーカーの技術力の向上です。実は自動車の開発には部品メーカーの占める役割が大きく、提携先によって最終的な製品の質が大きく違ってきます。日本ではデンソー、アイシン、世界的にはボッシュですね。これらの部品メーカーは自身でエンジン(補器類を含め全部)を開発する技術力を有しています。エンジンに限らず最近は部品メーカーの技術力向上が著しく、自動車メーカーの技術力が相対的に低下しているのが現状です。現在では自動車メーカーに要求される技術とは、ボディとサスペンションと、組み合わせる部品の選定くらいですね。ですから技術が無いと言われていた韓国メーカーが作った車が世界中で売れています(意外に思われるかもしれませんが事実です)。なぜなら信頼性に関わる部品は全て上記の大手部品メーカーが納入しているからです。
ちなみにトヨタもエンジンの開発はヤマハに頼っています。トヨタ自身の技術は大したことありません(F1を見れば一目瞭然。資金力は最もあるのに、フェラーリから技術を盗んでも下位に甘んじている。ちなみにトヨタの下はやる気の無いジョーダンとミナルディだけ)。
JPモルガンの意図は良く分かりません。houさんと同じく過信があるのかもしれません(日本の製造業には技術力があるとする。実際は全部がそういうわけではない)。金融会社が財務面以外の個別の企業の内容に関して詳しいとは思えません。
PSAグループとの提携は弱者連合の感が否めません。PSAグループは経営の悪化でWRC(自動車ラリーレース。F1と並んで特にヨーロッパでは人気がある)を今季限りで撤退します。ヨーロッパにおいて宣伝に非常に大きな効果があるWRCをやめるのです。ミニバンの開発ではVWやOPELやルノーと比べて遅れていたので、急にラインナップに加える必要があったのでしょう。
三菱御三家が本気で三菱自動車を守る気があるなら、他社に経営権を掌握されるようなことは無かったでしょう。もともと国策とは関係ない企業ですからどうでもいいと思っているのでしょう。これ以上問題企業を(体質は三菱全体の問題だが、三菱自動車は製品の性質上一般庶民と距離が近く、三菱ブランドのイメージを失墜させる)グループに置いておくわけにはいかないので、今頃手切れを模索しているでしょう。旭硝子やニコンのように三菱のブランドマークを外される日は遠くありません。