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(回答先: あっしらさん、質問です。マクロ統計では例にあげる資金の流れはどう記載されるのですか? 投稿者 hou 日時 2004 年 10 月 28 日 06:32:37)
houさん、どうもです。
流れ1:「アメリカのデルフォイが、中国の工場で生産した部品を、アメリカ子会社欧州ゼネラルモーターズに納入しました。」
中国のGDPに部品の輸出価格(−使った輸入財価格)相当が計上され、欧州GMの所在地国に対する輸出が計上されることになります。(欧州GM所在国は輸入の計上)
流れ2:「そして、この部品を使って乗用車を生産しフランス・ドイツ・イギリス・アメリカに販売しました。」
欧州GMの付加価値は乗用車の販売価格−部品輸入価格を計上しますから、欧州GMの所在国のGDPもその分増加します(計上されます)。
フランス・ドイツ・イギリス・アメリカは欧州GMの所在国(生産拠点国)ではないとすると、それぞれの国は乗用車の輸入額を計上し、「最終販売価格−完成車輸入価格」の値(付加価値)をGDPとして計上することになります。
流れ3:「そして、この一連の資金の流れを管理したのは。JPモルガン・チェースマンハッタン銀行でした。」
デルフォイがドルを中国に持ち込み人民元に転換すると、中国当局の外貨準備が増加し人民元の供給量が増加します。
そして、「部品の輸出総額−部品生産投下額」(利潤)がデルフォイ本社にドルベースで送金され、その一部がJPモルガン・チェースマンハッタン銀行に利得(利息)+元本として支払われることになるでしょう。
(再生産のために人民元が必要なら輸出で稼いだドルのある部分も、中国当局の外貨準備増加要因であり人民元の供給量増加要因となります)
デルフォイが部品の輸出で稼いだお金(欧州GMの支払い)もJPモルガン・チェースマンハッタン銀行から融通を受けたものなら、欧州GMは完成車の輸出で受け取ったお金のなかから債務を履行することになります。
(欧州GMがドルをユーロに転換するのなら、ECBかどこかの中銀の外貨準備が増加する可能性もあります。民間市場で転換され、持ち込まれたドルは輸入決済や国際金融取引に使われるだけかもしれません)
完成車を輸入し最終消費者に販売した企業も、消費者から受け取った代金でJPモルガン・チェースマンハッタン銀行に対する債務を履行することになります。
(ユーロ圏ならユーロからドルへの転換が行われます)
つまるところ、完成車の最終消費者が、完成車の生産と販売に関わった企業の費用と利潤を負担するとともに、JPモルガン・チェースマンハッタン銀行の利息も支払うことになります。
>このような、資金の流れはどのようにマクロ統計(国際貿易統計)に表れるのですか?
JPモルガン・チェースマンハッタン銀行が取り仕切る資金循環は国際貿易統計には現れません。
自己資本だろうが借入金だろうがリアル経済の動きには無関係だからです。
(全額自己資金で住宅をポンと買おうと、全額借金で苦しみながら住宅を手に入れようとリアル経済(住宅供給者にとって)に違いがないことを考えればわかりやすいはずです)
また、利息収益もマクロ統計の埒外とされている(実際は「みなし利息」として計上されていますが..)のでマクロ統計にはかかわってきません。
利息収益の原資は、企業の営業余剰なので、それがマクロ統計に出てくるだけです。
>また、アメリカの輸出、輸入統計にはどのように反映されるのですか?
上記の例ですと、米国の輸出・輸入統計に反映されるのは、欧州GMからの完成車の輸入だけです。
所得収支を含む経常収支ベースであれば、デルフォイや欧州GMが利潤の一部(全部を含む)が米国本社に支払われると、所得収支のプラスとして計上されることになります。