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「解放」最新号(第1837号2004年9月27日)
http://www.jrcl.org/
闘うムスリム人民と連帯しイラク反戦の炎を!
プーチン政権の北オセチア人民虐殺弾劾!
チェチェン独立闘争の圧殺を許すな
リード
チェチェン独立を求めて北オセチアの学校を占拠していたムスリム急進派武装グループにたいして、ロシアのプーチン政権は、人質の生命をなんら意に介することなく軍事的な攻撃を加えてこれを鎮圧した。その結果、多数の子供を含む七〇〇名もの人民が虐殺された。この事態の一切の責任は、チェチェン人民の独立闘争への大弾圧を加え抑えこんできたプーチン政権にある。われわれは、プーチン政権による北オセチアの人民大虐殺を断固として弾劾する。チェチェン独立闘争への強権的弾圧に反対する。
われわれは、チェチェン急進派勢力がとったところの、一〇〇〇名の子供を含む民衆を人質にとるという闘争戦術を是認しない。たとえ民族独立の大義を掲げようとも、彼らのこの闘争戦術は、国家権力機構およびその担い手とは直接関係のない学校と人民をタテにとるものであり、まさに目的のためには手段を選ばないテロリズムにもとづく以外のなにものでもない。反米反占領・傀儡政権打倒のためのゲリラ戦をくりひろげているイラク人民の闘いとは、それは明らかに質を異にするものである。
この事件は、プーチン専制下のFSB(ロシア連邦保安局)を実体的基礎とした強権的=軍事的支配体制の限界をも露呈させた。チェチェン独立闘争にたいする血の弾圧は、中洋ムスリム人民の怒りをかきたてずにはおかないのである。
中洋世界においては今、アメリカ帝国主義のイラク軍事占領ならびにこのアメリカに庇護されたシオニスト・シャロン政権のパレスチナ人民虐殺にたいして、ムスリム人民のレジスタンスの炎が燃えひろがっている。イラク人民は、来年一月予定の選挙に向けてシーア派・スンナ派間の垣根を超えての結束を現にいま強化しており、米軍事占領を根底から打ち破る地歩を着実に築きつつある。諸民族間・宗派間・部族間抗争の泥沼化に揺らぐアフガニスタン(およびパキスタン)においては、イスラム原理主義勢力の猛攻によって、米傀儡のカルザイ政権が倒壊寸前の危機に叩きこまれている。
それぞれに戦略・戦術を異にしながら中洋各地でくりひろげられているムスリム人民・武装諸勢力の闘い。これをインパクトとして、現代世界は、米英日のハーケンクロイツ同盟と仏独連合およびロシアと中国という四極構造への推転・分岐を露わにしている。この四極間の中東・カスピ海石油資源争奪戦の激化とともに、いまや巨大な地殻変動が開始されつつある。
こうした情勢のもとで、今なお日米安保同盟を基礎としてブッシュ帝国につき従う小泉ネオ・ファシスト政権は、国連安保理常任理事国入りの意志を表明し、これをも契機として「戦争をやれる国」への飛躍をめざして憲法改悪策動などの反動攻撃を強化している。われわれは、「一超」軍国主義帝国アメリカの暴虐に抗してたたかう全世界の人民と連帯しつつ、この日本の地において、イラク反戦・反安保・改憲阻止の闘いを、さらに強力におしすすめていくのでなければならない。
見出し
FSB強権体制の限界露呈
燃え上るムスリム的反逆の炎
激変する国際情勢とブッシュ帝国の揺らぎ
危機に喘ぐポチ公政権
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この一号前の「解放」1836号にも声明あり。
プーチン政権による北オセチアの人民大虐殺を弾劾せよ!
ムスリムのチェチェン独立闘争への弾圧反対!
ロシアのプーチン政権による虐殺がくりかえされた。二年前のモスクワ劇場占拠事件のとき以上の大虐殺に、ロシア権力者は手を染めた。
ロシア南部の北オセチア共和国の小さな町ベスランにおいて、九月一日の小・中学校始業式の日に、チェチェン独立を求める三十数名のムスリム武装グループが乱入し、生徒や教員、父兄ら一二七〇人を人質にとって学校を占拠した。五十二時間後に、この事件は、五〇〇人いや六〇〇人以上の死者と数百人のケガ人 ――多くは子供たち――をうみだすというかつてない悲惨な結末をむかえた。
FSB(連邦保安局)強権体制下の厳しい情報統制から漏れでた諸報道によるならば、プーチン政権は学校を占拠した武装グループ全員を殺害して鎮圧するために、FSBの指揮のもとにロシア軍特殊部隊を強行突入させた。千人を超える子供たちが人質になっている体育館に、治安特殊部隊は銃を乱射してやみくもに突入し、人質たちの周囲に仕掛けられた手製の爆発物を次々に炸裂させ屋根を崩落させた。さらには戦車をも出動させて、武装グループも子供たちも体育館ごと破壊し焼き尽くした。人質たちがそこに倒れていることを承知してのことである。
人質たちは、明らかに、武装グループのせん滅=事件解決を第一義としたプーチンが送りこんだロシア軍特殊部隊によって殺された。彼らは、チェチェンの独立派武装グループを殺害するためならば、子供であろうと人質を殺すのも厭わなかった。二年前の劇場占拠事件のときには強力な特殊ガスを使って武装グループもろともに人質多数の命を奪った。これと同じように、FSB・軍の特殊部隊を投入して暴圧したのだ。まさにこれこそ、FSB型大弾圧にほかならない。
八月二十四日に発生したモスクワ発旅客機二機の空中爆破事件(後日、「イスランブリ旅団」が「ロシアに最初の一撃」と声明)。八月三十一日のモスクワ地下鉄での爆弾事件。チェチェン大統領選を前後しての相次ぐ攻撃にたいしてプーチン政権は焦りをつのらせ、「テロとの戦い」の名のもとにムスリム急進派狩りを強めた。その矢先に勃発した北オセチア学校占拠事件にヒステリーを高じさせ、大暴圧に打ってでたのがプーチン政権なのである。
ロシア権力者によるこの軍事作戦の実行に、国連安保理諸国の権力者は事前に了解を与えていた。事件発生当日の深夜にロシアの国連大使の要請をうけて安保理緊急会議が開催され、「ロシア政府を支持し、テロを弾劾する」という議長声明が発せられた。「国際テロリズムとの戦争の必要性」を煽りたてるブッシュ政権に助けられ尻押しされ、国連安保理の一応のお墨付きを得て、プーチンは治安部隊を突入させたのである。そして、特殊部隊の強行突入・大虐殺にたいして、米・中・EU諸国、日本などの権力者どもは、いっせいにロシア政府支持を唱えた。これらの権力者どもは、すべて、プーチンの共犯者である。
すべての労働者・学生諸君! われわれは、「テロとの戦争」と称して強行されたプーチン政権による大虐殺を、満腔の怒りをこめて弾劾する! またチェチェン・イングーシのムスリムによる民族独立闘争にたいする弾圧に反対する!
ところで、イラクのムスリムたちは、攻撃対象(打撃対象)を占領軍・傀儡政権とその暴力装置に設定し、自爆などの闘争形態を駆使している。けれども、チェチェンのイスラム急進派の一定のグループは、学校を占拠し子供たちを人質にとり爆弾の真下に置いた。これは、独立を求めるムスリム急進派のテロリズムであるといわなければならない。
われわれは、彼らが人質にとった子供たちを殺すことを直接の目的としていたのではないことを知っている。何百人もの犠牲者をうみだしたことの一切の責任が、ロシア権力者にあることはいうまでもない。しかも、チェチェンにおいては、十年におよぶロシア軍の攻撃によって、二〇万人もの人民が殺され、今も殺されつづけている。このことへの憤怒はいかばかりであろう。そうであったとしても、こうした手段を選ばぬ戦い方(打撃対象や闘争形態)をわれわれは是認しない。これは、たたかう者の倫理にかかわる問題である。
九月十三日、大統領プーチンは地方自治体の首長を任命制にすると発表した。これはFSB強権体制のほころびをのりきるためのものにほかならない。
プーチン政権によるチェチェン独立闘争への大弾圧を弾劾しよう。そしてまたブッシュ政権による「対テロ戦争」の名によるイラク占領の継続と全世界への侵略戦争拡大を阻止するのでなければならない。