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(回答先: 人質虐殺事件:チェチェンに自由を!ロシア軍はただちに撤退し民族自決権の承認を [かけはし2004.09.13号] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 9 月 10 日 18:05:00)
あえてそう語っているとも考えられるが、プーチンが対象にしている相手とは何なのか。
「ビンラディンをホワイトハウスに招待してみたらどうか」とプーチンがブッシュに言った部分の記事は、結構出回りましたが、長めの記事もありましたので紹介しておきます。
「『冷戦気質』に支配されているいくつかの集団による工作」「NATOは今後何よりもまず政治的な機構になるだろう」など、気になる発言があります。
チェチェン紛争は利用されてしまっている様に思います。チェチェン人は、長く悲惨な弾圧において、大戦中の日本人のように、暴走状態にあるように想像します。ここで焚き付けているのは大日本帝国軍ならぬ合成イスラム原理主義集団ですが。
>ロシア軍のチェチェンからの即時撤退を要求し、チェチェン人民の民族自決権を無条件に承認する立場からの支援と連帯
ここしか出口は無いように思いますね。次いで、占拠している合成イスラム原理主義も、はたして自分たちの望むものなのか選択してもらうと。
参考:合成イスラム原理主義およびワッハーブに関してはこちらも
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ウラジミール・プーチンが4時間をかけて語ったこと
Vladimir Poutine: "Voudriez-vous que des tueurs d'enfants arrivent au pouvoir?"
ウラジミール・プーチン:「子どもを殺す奴らが権力を握ることを望むのですか?」
9月8日付け ル・タン Eric Hoesli
元記事はこちら
9月6日にロシア大統領官邸にジャーナリストやロシア専門家約30名が集められ、プーチン大統領への合同インタビューを行いました。ほぼ4時間に及ぶ長いインタビューで、その様子はル・モンドなどでもすでに報じられました。ご紹介するル・タン紙の記事はこのインタビュー関連ではもっとも詳細なもので、書き手は自らモスクワに飛んでプーチンに対面したル・タンの編集長。ウラジミール・プーチンという人の「ナマの声」はなかなか聞く機会がなく、その意味で非常に興味深いものです。
(翻訳はじめ)
べスランの虐殺と国民に対する厳粛な声明以来はじめて、ウラジミール・プーチンはロシアが蒙った歴史に残る悪夢についての彼自身の見解、この事件の原因とそれがロシアに与える影響について語った。ロシア人にとって「戦争」という言葉が持つ歴史的な背景を強調しつつ、「ロシアは戦争状態に突入しました」と大統領は表明した。この「黒い金曜日」まで、クレムリンはチェチェン紛争についても戦争という言葉を使うことを常に拒んできた。ウラジミール・プーチンは 1941年10月のナチス侵攻をあからさまにほのめかしながら、「襲撃事件が発生したときは常にそうであったように、戦争の準備を整える時間が必要です」と言及した。「私が子どもの時、父が語った言葉をよく覚えています。『戦争がそこに迫っている時には闘志を高めなければならない。ロシアにはなんだってできるさ!』」
ロシア全国が喪に付した9月6日の夜、欧米メディアに罵倒されたウラジミール・プーチン大統領は、ロシアの変遷について討論するために招待された欧米のジャーナリストと専門家との長い会談において持論を展開した。この会談はモスクワ郊外のノヴォ・オガレヴォにある大統領官邸で行われた。ここは、1991 年にミハイル・ゴルバチョフがソ連邦とその共和国のまとまりと統一を保つために、最後の闇取引を行った場所として知られている。
北オセチアの悲劇以来ロシア全土を覆っている深い悲しみが刻印された雰囲気の中で、ウラジミール・プーチンは珍しくくつろいだ率直な口調で、ロシアが現在直面している大問題について次々に語った。4時間近く続いた会談の最中、プーチンはチェチェン問題における自分の立場を擁護し、べスランの虐殺、彼の対テロ戦略、欧米との関係、NATOやEUがウクライナにまで拡大する可能性、グルジアとの戦争の危険性、巨大石油会社ユコスの運命、対イラン関係、対米関係の諸問題、ロシアにおける民主主義と自由の状態などについて次々と語った。
まずまっさきに、ロシア大統領はオセチアの事件と、じきに10年目を迎えるチェチェン紛争との直接的な関係を否定した。大統領は「チェチェンにおけるロシアの政策とオセチアの人質拘束の間にはいかなる関連もない」と断言した。べスランの学校の襲撃以来、ロシア各当局は、虐殺を行ったゲリラはチェチェン人ではなく、イングーシ人、オセチア人、そして数十名のアラブ人を含む寄せ集めの集団であったと執拗に繰り返しており、この発表は大多数の電子メディアによって報道された。
ロシアの大手放送局で中継された国内向けの談話の際には、チェチェンという言葉を決して発しないよう、大統領は細心の注意を払っていた。ノヴォ・オガレヴォでの討論の際も、この点について大統領は自分の確信を繰り返した。ウラジミール・プーチンがテロリストに付与しようとしているイメージは、国内に何のつながりも持たない傭兵部隊で、複数の国家の支援を得ている国外のテロ組織によって資金援助と指令を受けている集団というものだ。「我々は、この資金援助の出所がどこなのか正確に突き止めています」と大統領は指摘し、「しかし我々はこの問題を武力で解決するのは有効ではないし、またそのようなやり方が無責任であると判断しました。これらの国々においては、我々の同盟者である社会層とともに仕事をしなければなりません。そして、これらの国々に我々の同盟者は実在しています」と語った。
話の勢いに乗じて、ウラジミール・プーチンはべスランでテロリストと対決した特殊部隊の勇気とヒロイズムを熱を込めて賞賛した。大統領は「彼らにもまた子どもがいます。しかし、突入準備が終わっていないのに銃撃が始まったとき、彼らは子どもたちを救うために躊躇なく突入しました。隊員のうち10名が死亡し、20名以上が負傷しています。ドゥブロフカ(2002年に129名の死者を出した、悲劇的な人質立てこもり事件の舞台となったモスクワの劇場)の突入の時も、いつ爆発するかわからない地雷が仕掛けられた建物内に突入するのをためらった隊員は一人もいませんでした」と見解を述べ、「これほど勇敢な特殊部隊を擁している国は世界のどこにもないでしょう」と付け加えた。いっぽう、アメリカの下院によって任命された911事件の特別調査委員会のようなものをロシアでも設置するのではないかという仮定に対しては、もしロシア議会がそう望むなら、このような調査委員会の設置に反対するつもりはないとウラジミール・プーチンは明らかにした。「しかしこのような重大な件が絶対に政治ショーの出し物にならないように注意する必要があります」
大統領はチェチェンの悲痛な歴史についてもごく自然に口を切った。このテーマについてロシア政権が発言するのは稀である。第二次世界大戦時、チェチェン出身の赤軍兵士がとりわけ勇猛果敢な働きをしたこと、その後スターリンがドイツとの戦争の真っ最中にチェチェン人を中央アジアとシベリアの収容所に送ることに決定し、それにより全てのチェチェン人が忌まわしい不正の犠牲になったことについて大統領は語った。「このスターリンの決定がどれほど恐ろしいものであったかは、これらの収容所を見学してみればすぐにわかります。私自身も見学しました」と大統領は指摘し、このような恐怖政治の中にチェチェン分離派の起源を探らなければならないと説明した。
ウラジミール・プーチンによれば、スターリン後も数々の失策が繰り返された。とくにここ15年、ソ連崩壊による壊滅的な影響に対抗できるほどの力をロシア政府が持っていなかったときに、このような失敗は犯された。しかしロシアは「あらゆる対策を試み」、北部コーカサスで最大の死者を出した紛争を理性的に解決するために「柔軟に対応するということを明白に証明した」とプーチンは考えている。「3年間、実質的にチェチェンが独立していた時期(第一次紛争終結時の1996年から第二次紛争開始の1999年まで)がありました」と大統領は指摘した。「その間に彼らがしたことをご覧なさい。数千件の誘拐、人身売買、公開処刑、イスラム法の適用、おまけに社会は混乱状態に陥り学校は閉鎖されました。アスラン・マスハドフ(当時のチェチェン共和国大統領)はもはや何もコントロールすることができませんでした。犯罪組織の親玉たちが国を牛耳っていたのです。この権力の空白において、イスラム原理主義がすぐさま台頭してきました。そして原理主義は別の場所にもただちに拡大しようとしています」
欧米ではテロリストを「抵抗軍」と呼んだり、チェチェン・ゲリラとの交渉再開を望む声があることについて、この会談では珍しくウラジミール・プーチンは声を荒げた。「いったい誰と交渉しろというんですか?」とプーチンは叫んだ。「マスハドフとですか?マスハドフは今やなんの立場も代表していません。我々はアハメド・カディロフ(5月9日の爆弾テロで死亡)とは話し合っていました。彼は第一次チェチェン紛争で我々と戦った人間です。それとも、子どもたちを殺した犯人と交渉しなければならないのでしょうか?我々は、アメリカ人やスペイン人にビン・ラディンと話し合って、ビン・ラディンの考える中東政治構想に耳を傾けろなどとは口出ししません。どうしてビン・ラディンをブリュッセルやワシントンに招待しないんですか?自分自身にこう問いかけてみてください。いったい世界のどこに、子どもを殺す奴らが権力を握ることを望んでいる人がいるというのでしょうか?」
交渉ができないとすれば、犠牲者が増え続けるチェチェン戦争は永久に続けられるのだろうか?「まず最初に、あれは戦争ではありません」と大統領は明言する。「少なくとも、アメリカ風に敵意のレベルを測定するのであれば、戦争とは言えません」。しかし大統領は、この不安定な情勢が、イラクにおける米軍のようにロシア軍側の暴力行為と越権行為の温床になっていると認めた。「恐ろしい、ぞっとするロジックですが、しかしこれは事実です」と大統領は語り、しかしながらこのような略奪行為は罰せられるべきだと言及した。政治方針としては、ウラジミール・プーチンは現在の路線を継続するつもりだと明言している。すなわち、主に議会選挙によって、辛抱強く少しづつチェチェンにおけるモスクワ・シンパの数を増やすという方針だ。「ロシア憲法の限界」である大幅な自治権がチェチェンには与えられている。「そして我々には、解決策を探るために今一度更なる柔軟な姿勢を見せる用意があります。私には、我々が考慮しなかったことは思い浮かびません。しかしいずれにせよ、ロシア領土の完全性を脅かすような事態は論外です」
ロシアが参加をを決意した多国間共同のテロリスムに対する全面戦争宣言は、疑う余地なくさらに集中的な協力体制の基盤の上に団結した連合の結成を必要としている。これについてウラジミール・プーチンは楽観的な見通しをもっている。とりわけ各国国家元首との政治レベルにおいて、すでに満足できる結果が得られた。話の途中で、プーチンはジョージ・W・ブッシュに対する短い賛辞を発した。「仕事仲間としてだけではなく一人の人間として、ブッシュ氏はきちんとした、信頼のおける人で、彼の行動は予測できる」。しかしプーチンにとって西側で権力の仲介者の位置にいる人間、とくに官僚、軍人、特殊機関の人間などは付き合いづらいようだ。ロシア大統領はアフガニスタン戦争に際し、イスラム急進派が欧米によって武装されたことを指摘し、「冷戦気質」に支配されているいくつかの集団があり、お定まりにロシアを弱体化させるためにテロリズムに訴えていると嘆いた。「そのような例は次々と発生しています」と大統領は明言したが、それ以上踏み込んだ発言はしなかった。「彼らにとって、弱いロシアだけが良いロシアなのです。しかしこれは完全な誤りです」と大統領は語る。「これらの人々は、自分の推論の結論がどのようになるか自問してみるべきです。そうすれば、ロシアの弱体化によって恐ろしい結果になることに気づくでしょう。いずれにせよ、支払わなければならない犠牲がどれほどのものであろうと、我々はそのようなシナリオを受け入れないことを彼らは知らねばなりません」
NATOや欧州連合の東への拡大は、ロシアにとっての脅威と見なさねばならないのだろうか?もしウクライナがNATOやEUへの加盟を決定した場合、何が起きるのだろうか?ロシアの多くの政治家がNATOとEUを混同しているのとは対照的に、ウラジミール・プーチンは二つをはっきりと区別している。プーチンによれば、ウクライナのヨーロッパへの接近はロシアからも奨励されることになるだろう。またロシア自身も、経済、運輸から科学研究に至るまで、ヨーロッパのスタンダードに近づくために努力せねばならない。大統領が大きな重要性を置いている旧ソ連の各共和国(ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタン)との共同経済空間創設の目的もここにある。「ウクライナの発展のペースがもっと速ければ、我々はEU加盟路線を継続するよう奨めます。しかしウクライナの人口が5000万人で、ウクライナはチェコ共和国ではないということを考えれば結論はおのずから出ます。ウクライナの加入は欧州連合には高くつくはずです。そしてウクライナなしでも、EUにはすでに問題が山積しています」
「いっぽうNATOはまた別問題です」。ウラジミール・プーチンは、明らかに「NATOはもはや敵対組織ではない」と認め、さらにその「軍事的な有用性」を疑問視していると付け加えた。ロシア大統領は、NATOは今後何よりもまず政治的な機構に
なるだろうと考えている。NATOのグローバルな性質と安定装置としての効果から、「NATOが無くなってしまうことは望んでいません」と大統領は楽しそうに指摘する。しかし大統領は、ロシア関係について時としてNATOが採用する方法に大きな懐疑を表明している。「テロリスムに対する闘いが最優先だと、 NATOはよく言っています。そうだとすれば、エストニアのNATO加盟がテロ対策のなんの役に立つのか、ぜひ教えてもらいたいですね。それから、なぜ NATOの戦闘機をロシアとの国境沿いに警戒飛行させる必要があるのかも?」
より大きな透明性と、NATO本部に見られるような前向きな姿勢があれば、ロシアとNATOの協調は実りの多いものになるだろうと大統領は判断している。「もしウクライナがNATOに加盟するという選択をしたら、いずれにせよそれは我々にとっては不安の材料となります。しかし平和的な、落ち着いた賢いやり方でウクライナ加盟に落ち着くのならば、最終的にはそれも悪くないと思いますね」
(以下、囲み記事)
プーチンはさらにこう表明した
グルジア
「ロシアはグルジアと接している南の国境沿いの紛争にいかなる利益も見出していません。(…)しかし私は、グルジア大統領が南オセチアとの紛争を武力で解決するつもりではないかと疑っています。そのようなことは非生産的です。たとえ軍事的な勝利を収めたとしても、グルジアは別の長い消耗戦に新たに取り組まねばならなくなることでしょう」
ユコス
「繰り返し申し上げますが、ユコスが倒産することに我々の利益があるわけではありません。ロシアの一官僚が倒産を目論んだと考えている人がいるなら、是非その名前を知りたいですね。尊敬しますよ。ユコスが資産の一部を売却しなければならないのは企業としての責任を果たすためであり、これを行うには政府によるいくつかの調整が必要です。この線で努力するよう、政府には指示を与えるつもりです」
ロシアにおける報道の自由
「私はイタリア映画の中の次の一節が大好きです。『本物の男は常に挑戦しなければならない。本物の女は常に抵抗しなければならない』。国家と報道機関の関係も同じようなものです。官僚たちにとって、報道機関に影響力を行使しようと試みるのは永遠の誘惑なのです」
(翻訳おわり)
Posted by media_francophonie at 08:27