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(回答先: 「郵政民営化」で予想される未来図を考えましょう。 投稿者 考察者K 日時 2004 年 9 月 15 日 18:48:28)
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2004/9/15 No.251 週刊メールジャーナル 読者数11365人(前回)
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「郵政民営化」反対勢力にびびる自民・民主両党
こんなことならもう一度「小泉支持」に戻ろうか
本誌編集発行人・ジャーナリスト 川崎 明
去る10日、政府は郵政民営化の基本方針を閣議決定した。
マスメディアは「異例の閣議決定」と騒ぎ立て、政局の混迷を予想するが、
この状況は、小泉政権が2年前に郵政関連4法案を与党の事前審査を省略して
国会に提出し、与党の反発を招いて以来、政府と民営化反対勢力との関係には
何の変化も見られないことから、ある意味「予定通りの筋書き」といえる。
むしろ、基本方針への賛否を留保しながら閣議決定を容認した与党内に変化
が起きていると見るべきだ。それは、国民世論の趨勢を読み切れないからであ
り、加えて、このことで政局の混乱を招けば、自民党のさらなるイメージダウ
ンを招くことを懸念しているからに他ならない。
実際、郵政公社はいま国営ゆえの規制のために郵便事業の独立採算の難しさ
に直面しており、総務省幹部も、経営の自由度拡大を前提とした民営化推進に
方針を転換してきている。基本方針は、こうした総務省の考え方を反映して原
案を修正しているのである。
民営化反対の中心勢力とされる自民党郵政族も、政治家としては、必ずしも
全員が「小さな政府」に反対の立場ではなく、自らの選挙民に対するパフォー
マンスとして反対の意思表示を強いられている側面がある。
もっとも極く一部の妄信的郵政信奉者が、程度の低い政治番組に出演し民営
化批判を言い募ったり、マスメディアが党内の反対意見を書き募ることから、
国民世論が見え難くなっているが、郵政票にのみしがみつく御用聞き議員や一
部郵政御用学者の言い分は割り引いて聞く必要がある。
もともと郵政民営化には二つの目的がある。一つは経営の合理化・効率化に
よって郵便事業の競争力をつけること、いまひとつは郵貯・簡保の切り離しに
よってこの国のいびつな国家財政・金融システムを改めることで、このことの
必要性は多くの国民が分かっている。
この大義からすれば、だらだらと郵政の現状を維持する意味は全くないこと
は明らか。しかし、一部の国民にとっては影響が大きいからこそ、きちんとし
た説明が必要なことは言うまでもないが、親方日の丸の公務員が民営企業の従
業員へ立場が変わることと、僻地の住民生活への影響とを同列に論じてはなら
ない。
住民生活への対応策は、これまで、国民の血税を使って大々的に郵貯・簡保
の顧客優遇策を実施してきたことに比すれば決して難しいことではないはず。
例えば郵便事業の全国一律料金の維持は、地方分権とセットで考えれば、地
方税の自発的な注入によって解決できる問題だし、超辺鄙な過疎村でも、もし
ホントに金融機関の窓口が必要なら現在の郵便局を窓口会社にすれば済む話で
ある。
これに対して、巨大な郵貯会社、簡保会社が参入する銀行・保険業界は、基
本方針の当初原案に盛られていた「不当に民業圧迫をしない」という表現が、
冒頭の理由によって削除されたことから、異常なほどナーバスになっている。
両業界が、郵貯・簡保の「段階的廃業」を求めている理由も理解できるが、
これはまったく非現実的なことと言わざるを得ないばかりか、国民には我田引
水の業界エゴとさえ見えてしまうのだ。
郵貯・簡保の顧客層は本来的に民業の顧客たるべき資産保有層のはずだが、
反面、これまでの民業に対する批判層でもある。この人々の民業への資産移転
を図るにしても一朝一夕にはいかないと考えるべきだろう。
むしろ銀行・保険業界は、政府保有株にもとづく国による新会社への経営介
入・支援を民営化後に少しづつ減らし、一日も早く完全な同一競争条件のもと
で、国民・消費者の選択肢が増える金融・保険商品の提供体制を確立する努力
をすべきではないか。
最近自民党郵政族に加え、民主党内の労働組合出身者や推薦議員を中心とし
た民営化反対グループが旗揚げをしたが、今のままでは生保も銀行もこのよう
な反近代的、自己保身の反対勢力と同列に見られてもしかたがない。
なぜなら、今日のような官業の肥大化を招いたのは、旧大蔵行政だけではな
く、それに甘んじて自己保身を図ってきた民業の責任も大きいからだ。このこ
とを自覚し、国民の選択眼に耐え得るオール民業化を目指してほしいものだ。
民主党にしても、「郵政公社を発展させる会」に予想以上の議員が集まった
からといって、民営化方針を明らかにすることに躊躇している体たらくでは、
断じて政権など取れるはずがないことを自覚すべきだ。
いっそのこと、小泉流閣僚人事だけでなく、郵政民営化を踏絵にした「大き
な政府」党と「小さな政府」党に別ける、政界再編成をやってみるのも一法か
もしれない。
【編集後記】
かつて筆者は郵貯・簡保の実態調査に携わったことがある。顧客層の過半は
「比較低所得層」ではなく、自営業を中心としたいわゆる“小金持ち”であり、
加えて公務員や医師、弁護士、税理士・会計士、地方議員、有名ジャーナリス
ト、作家、俳優、大学教授など、自由業・知識階層の主婦らが意外なほど大き
な“へそくり”を持ち込んでいることを知りビックリしたことがある。
いわば国民の“裏金”といってもいいような資金が財政投融資に回され、そ
の一部は回収不能な“不良債権”化し、それに対して国民の血税が使われよう
としている。郵貯・簡保の民営化反対論がこのような人々からも強まっている
ことには要注意だ。
一方の民間銀行や保険会社は不良債権が原因で倒産したり国営化されたり、
役職員・顧客ともども痛い目に合っている。郵貯・簡保だけひとりぬくぬくと
温存されていいわけはないだろう。
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週刊メールジャーナル 2004年9月15日 第251号(水曜日発行)
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