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(回答先: もう少し説明がほしいのですが、よろしいですか? 投稿者 hou 日時 2004 年 8 月 13 日 20:02:20)
サプライサイド経済学の主張
G縮小、規制緩和、減税
まず、サプライサイド経済学が出てきた1980年前半当時のアメリカの経済状況を見ます。実質成長がマイナス、失業率とインフレの上昇、つまり経常収支赤字で、スタグフレーションの状態。これが、(アメリカ国内の)供給を増加させて景気を回復させるという主張につながっていきます。(当時は日本製品の不買運動も起こっていた)
主張を見ると分かりますが、この流派の主張には、政府は非効率的で民間は効率的であるとする癖があり、その結果行うべきとするのが、金持ち・資本家・企業優遇です。つまり彼らを優遇すれば投資が増え、その結果消費が増え経済が拡大すると。ところがこの論理を展開するのに必要な前提条件を誤っている。そのことが、サプライサイド経済学が失敗の烙印を押された原因である。
サプライサイダーの誤り
1. 政府が非効率的と言うレッテルを貼っていること。政府支出や政府の数々の規制は、民間企業の効率向上に少なからず役立っている。それを撤廃することは民間企業の効率を低下させる。
2. 民間企業は必ずしも効率的ではなく、独占企業の効率も政府と同じく非効率的であることを無視。実際には、減税を行って貯蓄を増やしても、効率の極大化が図られるまで投資は増えない。
3. 供給されたもの全てが需要につながると考えていること。実際には、人間の需要は、供給増加によって自動的に増えるのではない。供給されたものが人間の関心を引かず、需要が増えない場合もありうる。そのような不確実性を企業は嫌い、効率の極大化を図っていてもなお投資には慎重である。
私とあっしらさんとの論戦のなかで、以上のことのいくつかについては私が既に取り上げています。何が該当するのか、検討するのも面白いでしょう。
サプライサイダーには経営コンサルタントや投資家が多く、上記の誤りを知らないはずはないのです。つまり、彼らの主張の動機はただ単に自らの利益の極大化であり、それを実現するため経済理論を適当に後付しているだけなのです。そのことが、経済学者が単にサプサイサイド経済学を理論として失敗としているだけでなく、論じる価値の無いものとして無視している理由なのです。