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「デタラメなうんちく」より「えらそうなうんちく」のほうがまだましでしょう(笑)
http://www.asyura2.com/0406/dispute19/msg/168.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 8 月 13 日 17:20:58:Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: 論理と価値観の峻別ができないようですね。 投稿者 あっしら 日時 2004 年 8 月 13 日 15:24:34)


最悪さんの「えらそうなうんちく」( http://www.asyura2.com/0406/dispute19/msg/155.html )へのレスです。
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最悪さん、どうもです。

>あっしらさん、あなたの誤りは、ひとつは、マクロを論じるときにミクロの言葉が、
>ミクロを論じるときにマクロの言葉が出てくることです。需要、供給、消費、投資な
>どです。
>経済学を学ぶ人間はミクロとマクロははっきり分けろとまず叩き込まれます。あなた
>はその基本的なことができていないのです。

私の書き込みは、基本的にミクロの連関的経済活動の総体としてのマクロを論じています。

念のため、マクロ経済学を論じているわけではなく、近代国民経済の活動論理を論じています。

このようなことをわざわざ言うのは、新古典派であろうがケインズ派であろうかマルクス経済学であろうが、経済学にはデタラメな説明が多く、近代国民経済の活動規定論理を説明できていないと認識しているからです。
彼らの「うんちく」は参考になるものではあっても、国民経済の動きを掴んだり、経済政策を考える上ではあまり役に立たないと考えているから、「えらそうなうんちく」をたれているのです。

ですから、経済学の知識でいろいろ批判していただくのは大いに喜ばしいことですが、経済学ではどうのこうのというレベルではなく、○○はこう理解したほうがいいのではという具体的な説明論理レベルでお願いしたいのです。
認識の対象は、現実の経済社会であり、経済学ではありません。

「経済学を学ぶ人間はミクロとマクロははっきり分けろとまず叩き込まれます。あなた
はその基本的なことができていないのです」については、どこがどのようにできていないのか説明していただければ幸いです。

需要、供給、消費、投資はマクロ・ミクロのいずれのレベルでも使われる概念だと思っていますが、どれがマクロ固有でどれがミクロ固有なんでしょうか?


>「マクロベースの利益」ってどういう概念ですか?

それは、ミクロの経常利益の総和です。
ミクロが全体として利益を上げているのならマクロベースで利益があるということであり、ミクロが全体として損失を被っているのらマクロベースで利益がないということです。
但し、赤字財政支出やインフレで名目的に得た経常利益とは峻別する必要はあります。

「マクロベースの利益」は、どのミクロが手に入れるかは別として、その国民経済のI'を超える需要だというのが私の理解です。

>もうひとつは経済成長至上主義であること。経済は誰の何のためにある?

勝手に“意訳”しないでください。
経済成長はこのような論理で達成されるという説明したり、「デフレ不況」から脱する方策についての断片的な記述はありますが、経済成長を至上の目的として掲げている記述は一切ないはずです。

経済成長はこのような論理で達成されるという説明(論理)と、経済成長至上主義(価値観)は別次元なのですから、それこそ「はっきり分けろ」と言います。


>マクロ経済学は「政府の経済学」とも言われますから、「マクロが経済政策であるか
>のような説明」で構わないのです。


マクロ的分析の用途とマクロ的分析そのものとは違います。

経済政策はマクロ的分析を基にしたものであるのは確かですが、マクロが経済政策というわけではありません、


>>「ミクロの総体である有機的統一体が不調かどうかを判断したり、その原因が何な
>>のかを探るときにマクロデータが役に立つのです。」
>ここでいう「有機的統一体」とはマクロのことです。マクロ(データ)を分析するの
>にマクロデータが役立つとは文章が成立しません。なぜこんな変な言葉を使うのです
>か?あなた自身が物事を良く分かっていない証拠です。
>現実には政府はマクロデータを見ながら経済政策を検討します。ミクロを見るのはそ
>の後です。


ミクロがデータではないと同じように、マクロもデータではありませんよ。
経済データは活動状況の貨幣表現であり、データそのものが自存しているわけではなく、データから活動状況を推察することに意味があります。
(データは連関的活動状況を映し出したものです)

マクロはミクロの有機的連関活動の総体です。それがどのような状況かを知るために、ミクロのデータを集めてマクロ的に再構築するのです。
国民経済計算のフロー分析データや資金循環データは、ミクロがそのような関係性で動いているからこそ、そのような切り口でデータをまとめる意味があるのです。
ミクロがばらばらの独立的な存在性であるのなら、マクロ的データ分析はできないし、理由をつけてやったとしても空虚なものになります。

(経済は変化状況が重要ですから、その時系列データがミクロ総体の状況を知る鍵になります)

「マクロ(データ)」という表記にして、「なぜこんな変な言葉を使うのですか?あなた自身が物事を良く分かっていない証拠です」と言われるのには唖然とします。

「現実には政府はマクロデータを見ながら経済政策を検討します。ミクロを見るのはそ
の後です」と書くあなたのほうが奇妙だとまだ思いませんか?
マクロのデータは、ミクロデータを基礎としミクロの関係性を既に認識しているからまとめられるものですから、抽象化されたものではあってもミクロの活動状況を現しているのです。

>では経済政策は何のために行うのですか?
>国は誰かに金儲けをさせるためにしているのではないのですよ。
>国の責務とは何か?
>それが分かっていれば「ミクロがスムーズに経済活動を行う条件(場)をつくること
>が目的」とは言えないはずです。話の前提がおかしいのですから、私と話が合うはず
>はありません。まあいかにも経営者らしい発想ですがね。

論理と価値観をない交ぜに語るのはやめたほうがいいですね。

近代国民経済を基盤している国家の政府は、ミクロが金儲けできやすい(利益を上げられる)環境条件を整えることを主たる目的として経済政策を実施しなければ能無しということになります。
なぜなら、ミクロが供給活動で支出したお金が、勤労者である国民の給与となり、税収のほとんどを占めてもいるからです。
景気対策も、失業対策も、年金問題や社会福祉政策も、ミクロの活動に負っているのです。

あなたはひとの職業であれこれ言うのではなく、あなたが認識している「政府の経済政策な目的」はどのようなものであるかを提示するか、あなたの価値観に基づいて「政府の経済政策な目的」はどうものであるべきかそれをどういう手法で行うかを提示すべきです。

>「供給→需要」の考え方はサプライサイド経済学であり、既に否定されています。

否定されていますと言うだけで済むのなら、何でも無効化できますよ、

いわゆるサプライサイド経済学はデタラメが多いと思っていますが、どう誤っているのか説明してください。

また、「供給→需要」の考え方だからサプライサイド経済学派と言えるわけでもありません。


>>「C(消費)で使われるお金はどこから来るのか説明してください。
>>私は、Cの原資はI'であると説明しています。」
>これを説明しなければいけませんか・・・
>「カネ」は誰が供給するのですか?誰でも勝手に刷って使って良い訳ではないでしょ
>う?貨幣を用いている限り、原資はあくまでもGです。それがGを式から排除できない
>理由です。GがなければCで使われる「カネ」は存在しません。そもそもI'とやらが意
>味不明です。Cの一部分しかI'にはならないのですから、C+Iなどという単純な式は成
>立しません。

おっしゃられていることは、近代経済社会の制度論としては意味があります。

しかし、フロー所得の問題を論じるときにCの原資はG(日銀)だとする説明は、Gが人々にお金を配っていない限り意味はありません。


お金を刷っても、フロー所得(付加価値)は生まれません。日銀がお金を銀行に貸し出しても、フロー所得(付加価値)は生まれません。銀行が企業にお金を貸し出してもフロー所得(付加価値)は生まれません。
さらに言えば、貯蓄そのものからもフロー所得は生まれません。(貯蓄からフロー所得が生まれるのは、それが誰かに貸し出しとして渡り供給活動に使われ、その成果である付加価値から利息が支払われることで生まれます)

お金そのものからフロー所得が生まれることはないという押さえが重要です。
お金の“移転”からフロー所得が生まれるわけではなく、フロー所得は財やサービスの供給活動を通じて生まれるものです。


「GがなければCで使われる「カネ」は存在しません」も、銀行が有する「信用創造」機能を考えれば誤りです。

G(日銀)が供給した日銀券が預金され貸し出しに使われることで、実は存在しない「カネ」が存在するかのように供給活動に投じられます。

「I'とやらが意味不明です。Cの一部分しかI'にはならないのですから、C+Iなどという単純な式は成立しません。」の「Cの一部分しかI'にはならない」が誤読であることは、もう一度私の説明をお読みになればわかるはずです。

I'は、人件費のみならず設備投資に投じられたお金も、公共事業受注業者が支払った人件費や中間財などの費用もすべて含まれている概念です。

なお、C+Iは、あなたが持ち出されたので俎上に乗せてきただけで、「Y=C+Iの虚妄と有効性:Y=C+Iは有意義な切り口ではあってもGDP数値としては“嵩上げ”」( http://www.asyura2.com/0406/dispute19/msg/157.html )でその不十分さを指摘しております。

>なぜ産業資本主義を否定したいのですか?理由はこれか。
>>「近代産業資本主義は、共同体(国家社会)の需要を超えた過剰生産(供給)力を
>>輸出(外部需要)で打ち消すことを前提としたシステムである。この意味で、近代
>>産業資本主義は根っからグローバリズムを内に抱えている。」
>最初に誤った結論があるわけですね。日本には江戸時代という前例があるのに・・・。
産業資本主義を否定も肯定もせず、ただどういう規定論理で動いているかを説明していることを理解してください。

租税の基本が物納であった江戸時代が、近代産業資本主義=貨幣経済だと言われるのですか?

>産業資本主義がうまく行かなくなった理由は過剰生産ではなく過剰貯蓄ですよ。過剰
>貯蓄に自分で言及しているのに結論が分からないとは哀れです。

「貯蓄」は、そのまま銀行・郵便局・生命保険会社の金庫に眠っているわけではありません。

そのため、日本は「過剰貯蓄」ではなく既に「貯蓄不足」に陥っています。
貯蓄は、企業や家計向け貸し出しや政府部門向け貸しだしに使われるものです。
政府部門債務+企業部門債務+家計部門債務と企業部門貯蓄+家計部門貯蓄を比較すると、この間の赤字財政支出の増加により債務のほうが上回っています。


問題は、政府が民間の膨大なお金を借りて赤字財政支出を重ねなければGDP循環を下支えできない経済状況です。
政府が赤字財政支出をする代わりに民間企業が供給活動に投じていれば、「貯蓄不足」に陥ることもなければ、勤労者の公的負担が増大することもありませんでした。

この間の日本経済を説明するなら、「貯蓄」がスムーズに供給活動に投じられない状況に陥り、政府がそれを打開するために「貯蓄」から借り入れを行って赤字財政支出を積み上げ、「貯蓄不足」にしてしまったというものです。


90年代前半までを「過剰貯蓄」だとすれば、そうなった理由は、GDP条件に対して「過剰生産力」に陥ったからです。
生産力(供給力)不足であれば、貯蓄が貸し出しに使われるので、「過剰貯蓄」は解消される方向に進みます。

>過剰生産はあなたが、供給が需要を創出するとしているとおり、もし過剰生産分のみ
>の消費につながるならば、失業給付などの「浪費」も総需要の増加につながります。
>本来消費するべき人間の代わりに失業者が消費しているだけですから。でなければこ
>れから高齢社会を迎える日本の将来は絶望です。しかしそうは思ってはいませんよ
>ね?高額な社会保障費が給与から天引きされようとも働くのを止める人間はいません
>からね。

失業給付は、基本的に、供給活動に従事している人たちと企業から失業者への「所得移転」です。
雇用保険基金がお金を金庫に眠らせたままであれば失業給付で需要増加になりますが、雇用保険基金も預金されて使われていたのなら、失業給付が行われても、需要増加につながるかとは限りません。(投資や財政支出(最後は消費につながる)が減って、その分消費が増えただけになるかもしれないのです)

また、失業給付や年金給付を現状水準で維持するために給与が増えない就業者の公的負担が増加するという現状のような事態であれば、失業給付や年金給付は総需要を増加させません。

私は、失業者は2%水準まで下げ、年金給付は現状水準を維持するために、勤労者の給与を引き上げ、その一部を公的負担の増加に充てるべきだと考えています。

★ 参照投稿

『「産業資本主義」の終焉:国民経済と年金問題:“高齢化社会”が問題なのではなく“供給活動投資額”が問題』
http://www.asyura2.com/0403/dispute18/msg/866.html


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