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(回答先: SとΔSの区別もつかないようです。ついでに恒等式の意味も分からないようです。 投稿者 最悪! 日時 2004 年 8 月 14 日 10:05:44)
経済学の知識を鵜呑みにしないようにと何度も書いているのに相変わらずの反応ですね。
>SはΔSではないのですよ?式をきちんと読みなさい。
>ある時期に別に増加なんてしなくていい。それまでの貯蓄の蓄えがある。
わざわざ「S」はSではなくΔSと考えるべきだと説明したのに、その意味を理解されていないようですね。
「それまでの貯蓄の蓄えがある」って、貯蓄を預かっている経済主体や政府部門が現金を金庫にしまっているとでも言うのですか?
貯蓄というストック的資産は、それに対応して債務があるものなのです。
ですから、過去の蓄えは、預金準備や支払い準備(生保や郵貯など)を除いて、誰かの債務になっており、基本的に余剰はないのです。
(さらに言えば、債務はなんらかの実物資産になっているものが多いのですから、貯蓄は実物資産になっているものなのです。貯蓄引き受け者に準備を超える現金があるというのは、利息を生まないその部分の貯蓄にも利息を贈与するという愚かな行為です)
このような理解をちゃんとしていれば、“準備額”が一定のとき新規債務要請に応えるための「余剰貯蓄」は、期間のフロー所得から増加した貯蓄しかないことがわかるはずです。
もう一つ、貯蓄余剰がなくても貸し出し(資金調達)の増加に対応することはできます。それが「信用創造」です。
この「信用創造」という貸し出しの増加で、元は100兆円の預金から、500兆円の預金をつくりだすことができます。(100兆円を原資に貸し出し債権を400兆円生み出したということです)
ですから、余剰の貯蓄がなくとも、資金調達をして投資(I)に使うことはできるのです。
ストックの「S」が、純余剰かどうかは、経常収支データによらずとも、「民間部門(企業・家計)貯蓄額−(政府部門債務額+民間部門債務額)」で判断できるものです。
家計部門は、貯蓄とは言い難い保有株式の時価評価額を含め1400兆円の貯蓄残高で、債務の300兆円を差し引いても、1100兆円の純資産になっています。
企業部門は320兆円の純債務ですから、民間部門は790兆円の“貯蓄余剰”と言えます。
政府部門(国と地方自治体)の債務残高は少なくとも900兆円です。
このことから、日本の貯蓄をB/S的に見れば、マイナス110兆円の純債務状態なのです。
(日銀の国債保有残高が100兆円であることを考え合わせれば、この数値の意味性がわかると思います)
>そもそも、貯蓄不足であれば、政府は国内から資金を調達できないし
>日銀に引き受けさせればその分インフレになって結局は同じです。
あれあれ、現実を無視するようなとんでもない経済学を信奉していますね。
「貯蓄不足」でも、「信用創造」で政府も資金調達ができます。
(政府が国債発行で調達した資金を預金したお金も、政府部門預金から民間部門預金になり「信用創造」の原資になります)
そのような見えにくい仕組みを考えなくとも、銀行の「信用創造」機能が不全に陥っていることで物事が見えやすくなっているのが日本経済の現状です。
保有国債の増減を中心とした日銀の財務諸表をお調べくださいと説明していますよ。
そして、その理由として、日銀が銀行保有既発国債を購入しその対価として日銀券を発行し、日銀券を手に入れた銀行が新規発行国債を購入すれば、「貯蓄不足」でも政府は国内から資金を調達できると説明しています。
「貿易収支黒字(10兆円)=(S−I)+赤字財政支出」を、貯蓄余剰かどうかを判断するために
(S−I)=10兆円+35兆円=45兆円
日銀は昨年度保有国債を11兆円増加させています。
これは、銀行から既発国債を買い入れたわけですから、国債に固定化されていた貯蓄を現金にしたことを意味します。
銀行の貸し出し残高は減少していますから、国債を売って得たお金は、新規国債の購入に回ったと考えてもほとんど間違ってはいないでしょう。
ということは、日銀が増加させた国債保有額が、そのまま新規国債の引き受けに回ったと見ることができます。
ですから、45兆円は、日銀の経済行為によって11兆円分の“嵩上げ”がされているということになります。
さらに、日銀が金融緩和政策をとる一方で銀行の貸し出し残高が減少し預貸率も下がっていますから、貸し剥がしや繰上げ返済によって貸し出し債権が新規国債保有に変わることで生じる“嵩上げ”も考慮する必要があります。
このような金融機関(貯蓄受け入れ機関)の資産構成の変化による“嵩上げ”の有無を、郵政公社・生命保険など主たる国債引き受け機関で調べる必要があります。
(「貯蓄純受け入れ増加額−新規国債引き受け額」の値がマイナスであれば、その金額分が“嵩上げ”されているということになります)
最後に、貿易収支黒字で生じた貯蓄増加がどれほどあるかを調べる必要があります。
そうでなければ、「EX−IM=(S−I)+(T−G)」は、「EX−IM=(S+(EX−IM)−I)+(T−G)」になる可能性もあります。
※ 「恒等式の意味も分からないようです」って、このように、経済事象を数式化したときは数学論理だけでは済まないのです。内実を掴まなければでっち上げの数式を盲信することになります。
そうであれば、10兆円=(S+10兆円−I)−35兆円 ですから、
(S−I)=35兆円
となります。
「EX−IM」が、Sの増加ではなく、そのままIに使われたと考えても同じです。
なぜなら、Sから差し引くべきIの値を減少することになるからです。
【日銀03年度決算】
国債保有高:100兆円(前期比プラス11兆3707億円)
日銀券発行残高:71兆4032億円(前期比プラス3,459億円)
当座預金残高:36兆3600億円(前期比プラス5兆194億円)
【政府債務】
借り入れ残高:703兆1478億円(前期比プラス34兆3873億円)
国債残高:556兆4163億円(プラス52兆1627億円)
借入金残高:60兆6057億円(マイナス46兆4149億円)
短期証券残高:86兆1259億円(プラス28兆6395億円)
「日銀に引き受けさせればその分インフレになる」って、現実になっていないでしょう。
だったら、そのような理論を疑うべきです。
理論を基軸にして現実を疑うことも必要ですが、その場合は、隠れている現実を見つけ出さなければなりません。
インフレになるかどうかは、日銀が国債の保有を増やすかどうかの問題ではありません。
(それは日銀が直接引き受けする場合でも同じです。日銀が10兆円の国債を引き受けても、政府がそのお金を支出しなかったり、そのお金を預かっている銀行が貸し出しを増加させなければ、インフレにはなりません)
インフレは、通貨の流通速度が一定として、通貨供給増加率と財供給量増加率の関係で通貨供給増加率が上回ったときに起きる変化です。
デフレが続いているということは、財供給量の増加のほうが上回っていることを意味します。
赤字財政支出は35兆円規模で横ばい、その一方で財政投融資は毎年5兆円ずつほど減少しています。
インフレは変化率の問題ですから、これではGによる物価引き上げ効果はありません。
このようなことから、仮に日銀が毎年35兆円の国債を直接引き受けしても、インフレとは無関係であることがわかるはずです。