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(回答先: 更生、よく観察を・謝罪は生き抜くこと…遺族コメント(YOMIURI-Online) 投稿者 まさちゃん 日時 2004 年 3 月 10 日 18:59:57)
加害者の元少年仮退院「あのころの自分、幻のよう」
2004 年 3 月 10 日
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犯行時14歳という年齢と残忍な行為が社会に大きな衝撃を与えた神戸市の連続児童殺傷事件から約7年。医療少年院に収容されていた当時少年の加害者男性(21)が仮退院した10日、遺族は、「心に重い十字架を背負って生きていってほしい」との思いをつづった。
犯行当時、「さあ、ゲームの始まりです」と大人社会に挑戦状を書いた男性は、その後の矯正教育で遺族の手記を繰り返し読み、「二度と同じ気持ちになることはない」との言葉も口にするようになった。
「生きるよう迫らないでほしい。どこか静かな場所で独りで死にたい」
関係者の話によると、少年審判で、男性はしきりにそう訴えたという。当時、男性は神戸少年鑑別所の中。自殺防止の独房で、24時間の監視態勢が取られていた。
男性に面会に来た父親が「家族みんなで頑張っていこう」と声をかけると、男性は「会わないと言ったのに、何で来た」とどなり、受け入れなかった。
しかし、関東医療少年院に収容された男性は、少しずつ心を開き始めた。
施設の教官が、包み込むように接するうち、教官たちを「お父さん、お兄さん、お母さん」と家族のように呼ぶようになった。
2001年9月、男性は出院準備のための教育課程に編入され、2か月後、ある中等少年院に移った。技能資格をとるとともに集団生活の中で社会性を身につけるためだった。
傷害事件を起こした少年という扱いで、約20人と寮生活を体験した。「生意気だ」と殴られるなど、いじめを受けたこともあったが、友人もでき、いくつかの資格も得て、1年後、再び医療少年院に戻った。
そこで、教官を通じ、男性が殺害した2遺族の手記を繰り返し読み、こんな感想を漏らしたという。
「できることなら何でもしたい。遺族らの悲しみに近づけるように努め、罪の重さを一生背負い、償い続ける。あのころの自分は、まるで夢、幻のよう。犯罪で自分の存在を確認しようとしたこと自体、理解できない。2度と同じ気持ちになることはない」
自分の家族の手記も読み、肉親の苦境も知った。当時は、「母親に犯行を見抜いて、止めてほしかった」と憤ったが、今は違う。母親に向き合わなかったことを反省し、「いつか、心の底から分かり合える間柄になりたい」と願い、一方で「大迷惑をかけた家族の中におめおめと帰れない」と複雑な思いも持っているという。
「社会に出る男性をどのように見守っていくか」。昨年2月、男性の教官や医療担当者らのスタッフ、保護観察所の職員、家裁関係者ら計約20人が関東医療少年院に顔をそろえた。仮退院後の男性を取り巻く環境を協議する非公式の会議だった。
席上、医療少年院側は男性の矯正過程について、「いつでも仮退院できる状況にある」と説明した。しかし、男性の受け入れ態勢については、それまで関係機関の間でも、具体的に論議されたことはなかった。
どこに住むか、名前はどうするか、そして、男性が働く職場の関係者にはどこまで話すか……。
様々な協議事項のうち、「居住地」が焦点となった。その結果、24時間態勢でサポートできる保護観察官らが多い大都市での生活が適当、という意見が大勢を占めたという。その後も、男性の受け入れ環境については、関係機関が連携を取りながら、一つひとつ整えられていった。
犯罪をおこした少年の矯正に携わる関係者はいう。
「男性は現在、水泳で言えば、スタート台に立ったところ。後は、水という社会に飛び込んで、泳ぎ切ることができるかどうか。見守っていきたい」
◆両親に「生んでくれてありがとう」◆
男性の両親の代理人によると、両親はこれまで計十数回、男性と面会した。最後に会ったのは、昨年10月。事件後の少年審判のとき、男性は、母親をののしったが、現在は、普通の母子関係になっている。「産んでくれてありがとう」という手紙ももらい、両親は涙を流しながら読んだこともある。「親として一番、うれしい言葉だった」という。
母親は「子どもにとっても、私たちにとっても、気の遠くなるような厳しく長い道のりだと思うが、できれば静かに見守ってほしい。被害者に謝罪することをはじめ、やらなければならないことはたくさんある。子どもとともに勇気を持って生き抜いていきたい」と話している、という。
男性には「会いに行きたい」と言う。だが、自分たちと一緒に住むことを望んでおらず、自分たちが動くことで、マスコミなどに所在地を知られてしまう可能性もあり、それは避けたいと希望している。