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(回答先: 諫早干拓差し止め 公共事業総点検が必要だ(毎日新聞・社説) 投稿者 シジミ 日時 2004 年 8 月 27 日 05:14:00)
http://www.nagasaki-np.co.jp/press/isahaya/2004/kikaku2/01.html
佐賀地裁の差し止め命令が、完成目前の国営諫早湾干拓事業の工事を止めた。事業の推進、見直し両派は明暗を分けた。進行中の巨大な公共事業が司法の判断で中断するという極めて異例の事態。諫干をめぐる混乱が再び始まった。
「やったぞ」―。二十六日午前十時すぎ、弁護士が「勝訴」の垂れ幕を掲げて地裁の建物から出てくると、待ちかねた原告の漁業者や支援者ら約二百五十人が一斉に歓声を上げた。
人の輪の中で、馬奈木昭雄弁護団長は顔を紅潮させ「漁民、住民無視で事業を進めた農水省が断罪された瞬間だ。私たちは直ちに水門の開放を求める」と大声で呼び掛けると、大きな拍手が何度も起こった。決定を見届けに来た中田晋介県議(共産)は「画期的だ。私たちは一貫して諫干事業を批判してきた。司法がそれを認めた」と興奮を隠せない。
同じころ、北高森山町の中央干拓地のゲートでは、ダンプカーが退去を始めた。地裁命令を受け、九州農政局が請負業者に工事中止を指示。有明海のノリ不作問題による工事中断(二〇〇一年二月―〇二年一月)以来、約二年七カ月ぶりに中央干拓地で重機の音が止まった。
諫干事業はノリ不作問題の後、規模を縮小して継続されたが、その後も難題続きだった。
福岡県有明海漁連による工事差し止めの仮処分申請は今年一月に却下。五月には、懸案だった中・長期開門調査も見送りが決まり、県は胸をなで下ろした。だが、立ちはだかる壁を一つひとつクリアしながらの事業進行が、再びつまずいた。
勝利に自信を見せていた原告弁護団の中にも「94%も進んだ事業を差し止めることに、裁判官が抵抗を感じる可能性はある」との懸念はあった。だが、地裁は「事業全体を再検討し、修正を施す」ことまで踏み込んだ。
県諫早湾干拓室の鶴田孝廣室長は「ショックだ」と声を絞り出した。調整池の活用を話し合う諫早湾地域資源等利活用検討協議会は二十六日、諫早市内で予定していた会合を急きょ中止した。
韓国出張から帰った金子知事の記者会見が始まったのは午後八時。「裁判所の判断へのコメントはしない」と批判を避けた。工事中断が延びるほど、〇六年度の完成予定に影響が出るのは明らかだが、この点も「現時点では分からない」。
知事は、異議申し立てをはじめとする法的な対抗手段が残っていることを強調。地元自治体や住民団体など事業推進派が激しく反発したのとは対照的に、この夜は静かに語った。
2004年8月27日長崎新聞掲載