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デフレは、生産量増加に対する供給額増加不足=需要増加不足で起きるものです。
http://www.asyura2.com/0403/hasan34/msg/388.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 3 月 19 日 16:38:26:Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: デフレは、生産過剰で起きるから、銀行が貸し出しをやめないといつまでもデフレ。 投稿者 hou 日時 2004 年 3 月 19 日 06:15:16)


houさん、どうもです。
先回のやり取りの繰り返しを避けるため簡単に...

「デフレは、生産過剰で起きる」という見方はなんとなく正しい論理のように思えるものですが、市場に供給される物(財)やサービスが多すぎるからデフレが起きるという説明は何も語っていないに等しいものです。
さらに言えば、生産過剰でデフレになるというのなら、生産性の上昇はデフレをもたらすということになってしまいます。

貨幣経済の普遍化と「自由な労働」(労働力の商品化)を根幹とする「近代経済システム」においては、生産(供給量)と消費(需要)を別物のように切り分けることができないのです。
国民経済(世界経済でも同じ)を構成する全員が「自由な労働」でお金を稼いでいるモデルを考えればこの論理が理解できるはずです。
誰もが消費するためには、自分の活動力(労働力)を企業(国家機構も含むととりあえず考えてください)に売ってお金を得なければならない社会(世界)です。
企業が、活動力を買うのはそれによってつくられる(達成される)成果をほかの誰かに売ってお金が得られるからです。

これが、供給額=需要だと繰り返し説明している論理の根拠です。
個々の企業は違いますが、総体としては、供給活動に投じるお金が供給活動の成果である財の需要を規定するのです。
(ある企業が供給額を超えた需要を得れば、他の企業が供給額未満の需要しか得られなくなるというかたちで総体としての供給額=需要が貫徹します)

「生産性の上昇」とは、同じ供給額でより多くの成果(財)を生産することです。
ですから、生産性が上昇すれば、財1単位当たりの供給額=需要が減少することになるので、必然的にデフレになります。

生産性が上昇してもデフレにならないためには、増加した供給活動の成果を国民経済の外(他の国民経済)に輸出する必要があります。
(輸出以外にも、赤字財政支出で同じ効果を実現することができますが、後世にツケを回すだけの一時凌ぎでしかありません)

「生産過剰でデフレが起きる」としたら、生産性上昇に見合う供給額の増加(端的には給与アップですが設備投資の拡大でもかまいません)や、もしくは、生産性上昇に見合う輸出の増加(輸入の減少でも可)が達成されていないからです。

このような経済論理を踏まえない限り、現状の長期デフレ状況を克服することはできません。

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houさん:「社会主義政策は、間違いなく、組織を堕落させます。

日本の場合、GDPの80%で雇用されている産業が非常に社会主義的なのです。

日本は社会主義と資本主義の二重構造の状態がいまだにつづいているのです。
しかも、現在の財政赤字をみればわかるようにその社会主義維持のための予算枠だけが
大幅に伸びています。

それを、改革するとなると、投資額をいじり過剰生産性産業の投資額を減らすべきなのです。

いま、銀行がそれをおこなっていますが、国は反対にぞれらの維持に努めています。」


「社会主義政策は、間違いなく、組織を堕落させます」にそれほど異を唱える価値観は持っていませんが、“自由主義的金融主義的市場原理政策は、間違いなく、国家社会を破壊させます”とも言えます。

改革に動くのはデフレを克服した後であり、デフレ下で「投資額をいじり過剰生産性産業の投資額を減らす」政策は無謀な破壊行為です。

houさん:「過剰生産性産業からの失業者は、
雇用のミスマッチのため解消できないのが
問題です。
国もここで何らかの有効な政策を出せればいいのですが、お手本がないので打つ手なしといった状況です。」

雇用のミスマッチがあるとしても、一朝一夕で解決できるテーマではありません。
だからこそ、学校教育を含めた中長期的なスパンでそれに取り組み、現状の就業者を失業させるべきではありません。

houさん:「少なくとも、社会主義経済は持続可能ではない経済であること、そしてそれを破棄するには今の間接金融主義から直接金融主義への転換が必要なわけですから、
いまはその過渡期であり、デフレになるのはあたりまえなのです。
やり方によれば、いまの現状からインフレにするのは可能だとおもいますが
それをやると、衰退期の中興の祖とよばれる時代になる可能性が高いとおもいます。」

社会主義経済は、成長可能ではない経済とは言えても、持続可能ではない経済とは言えないと考えています。
間接金融主義が社会主義的な経済活動につながるという趣旨はわからないではないのですが、直接金融主義になったら持続可能な経済になるというのは1920年代の米国経済の結末(大恐慌とそれに続く大不況)を考えれば幻想でしかありません。

銀行の審査力と個人や事業会社の審査力のどちらが上であるかは問いませんが...


houさん:「財政投融資をどれだけ追い詰められるかが今後のポイントではないでしょうか?」

財政投融資は“管理されない国家資金”という性格をいちばん問題にしています。
郵便貯金・簡易保険・年金保険料などの預り金を官僚が与党政治家とつるんでほぼ勝手に使える構造にしてきたことが問題です。
そして、「デフレ不況」が財政投融資を破綻に追い詰めています。

高速道路にしても料金はインフレに伴いアップすると見込み、10年前や数十年前に借りて投資した金額は苦もなく返済できると考えていたはずです。
また、「デフレ不況」によるフロー(所得)の減少が郵便貯金・簡易保険・年金保険料などの預り金の減少につながる一方で、名目の率としては低いが実質は高い金利負担の重荷がのしかかっています。

政府(官僚)も、国債サイクルを維持するために郵便貯金・簡易保険・年金保険料などの預り金が必要だとは考えていても、財政投融資は削っていきたい(削るしかない)と考えているはずです。


houさん:「改革を非常な危機意識(給料減)もなく乗り切った時代は歴史上ないはずです。」

敗戦後の日本は、改革を非常な危機意識(給料減)もなく乗り切った典型です。

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