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記者「いつここに来たのか?」
少年「二年前だ」
記者「負傷した友人はだいじょうぶか?」
少年「だいじょうぶだ」
記者「なぜここに君がいるんだ?」
少年「この先の谷には数万発の地雷が埋まっていて、誰かが除去する必要がある、われ われの部族はそれをやっている」
記者「日本が恋しくはないか?」
少年「日本のことはもう忘れた」
記者「忘れた? どうしして?」
少年「あの国には何もない、もはや死んだ国だ、日本のことを考えることはない」
記者「この土地には何があるんだ?」
少年「すべてがここにある、生きる喜びのすべて、家族愛と友情と尊敬と誇り、そうい ったものがある、われわれには敵はいるが、いじめるものやいじめられるものが ない」
※80万人の不登校中学生による日本国家からの集団的脱出をテーマとした
村上龍の小説『希望の国のエクソダス』はじめの部分からの引用。
小説中2001年6月頃の設定とされている物語はじまりの一場面。
少年とは、パキスタン北西部の現地部族に紛れ込んでいる16歳の少年。
記者とは、その少年を取材したCNNの記者。