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ブッシュ米大統領が20日に議会で行った一般教書演説の要旨は次の通り。
■テロとの戦争
米国は偉大な責任を求められた国であり、我々はそのために立ち上がっている。多数の米兵士がテロとの戦争のため全世界に展開している。抑圧された人々に希望をもたらし、暴力に正義をもたらすことが米国に一層の安全をもたらす。司法、情報当局者はテロリストの脅威を追跡し、国土安全保障省は国境と沿岸の警戒に当たっている。
米国民は世界で最も働き者であることが、改めて証明されている。経済はより強くなり、減税が効果を発揮している。今夜、議員諸氏は偉大な任務、不可能と思われていた改革を誇りに思うだろう。米国民は、我々の国家が強く自信に満ちあふれていることを示した。
我々は、この自信とともに前進するのか、テロリストがもはや何の企ても持たず、無法な政権が我々の脅威とならないという危険な幻想に戻るのか、という深刻な挑戦と選択に直面している。
■テロの脅威
我々の最大の責任は、国民を積極的に守ることだ。01年9月11日から28カ月が経過したため、米本土への危険は去ったと信じたい誘惑にかられる。そう願いたいのは分かるが、テロによる殺害はバリ、ジャカルタ、リヤド、モンバサ、エルサレム、バグダッドで続いている。
米国と文明社会に対するテロリストの企みは続いている。我々の意思と勇気によって、この危機は克服される。
■愛国者法
戦争の始まった米本土では、本土の安全保障と我々を守るのに必要なすべての手段を引き続き実行しなければならない。
その核心の一つは愛国者法だ。同法は、連邦政府が情報を一層共有し、テロリストを追跡し、その細胞を破壊し、資産を差し押さえることを可能にする。愛国者法は来年、有効期限を迎えるが、テロリストに有効期限はない。司法当局は国民を守る重要な法制度を必要としており、愛国者法の更新が必要だ。
■テロリスト
米国は、テロリストと対決している。昨年3月、9月11日テロの首謀者で米国とパキスタンが拘束した聖職者ムハマンドは罪を悟った。昨年8月にはインドネシアで200人以上を殺害したテロの重要人物であるハンバリが拘束された。世界中のアルカイダの指導者格の人物の3分の2は殺害または拘束した。多くの熟練の兵士たちが、都市や洞くつに隠れている殺人者を一人一人捕捉している。
テロとの戦争の一環として、我々はテロリストに活動場所、支援、核、生物、化学兵器を提供する政権とも対峙(たいじ)している。米国と同盟国は、こうした究極の危機との共存を拒否することを決意した。
■アフガニスタン
その決意の最初はアフガニスタンでアルカイダに基地を提供したタリバンであった。アフガンは今月、新憲法と女性が参加する自由な選挙を手に入れる。ビジネスが始まり、子供たちは学校へ戻る。アフガンの人々は自由で誇り高く、テロと戦う国家を建設しており、米国は彼らの友人であることを誇りに思う。
■イラク統治
サダム・フセインの統治を終わらせ、そして、国民は自由になるのだ。我々はサダムの支持者の暴力の残骸に直面している。戦闘において逃亡した人間は今、隠れて攻撃する。これらの殺し屋は外国のテロリストと結託し、危険であり続けている。かつての強力なイラクの指導者は穴蔵から見つかり、今は独房に座っている。前政権の上位者55人のうち我々は45人を捕まえ、殺害した。我々の軍隊は攻撃的で、日々1600人以上がパトロールしている。毎週、平均180件の家宅捜索を実施している。
新しいイラクを建設する作業は難しいが、それは正しいものだ。米国は常に正しさの実践を望んでいる。今日、我々連合軍はイラク統治評議会とともに、基本法の草案作りをしている。我々はイラク人とともに動いている。米国は6月末までにイラクの統治権をすべて移譲させる用意がある。イラクにおいて民主主義が定着するにつれ、自由の敵は自分たちの力すべてを使って、暴力と恐怖を広げるだろう。彼らは我が国や友人の意思と握手しようとする。しかし、米国は決して、暴漢や刺客に萎縮しない。イラク国民は自由の下で暮らせるだろう。
月を追うごとに、イラクは自らの安全保障や未来により重い責任を担いつつある。そして今夜、我々はイラクの最も尊敬すべき指導者の一人を迎え入れることを誇りに思う。現イラク統治評議会の議長だ。米国はあなたやイラク国民とともに、自由で平和な国家建設に取り組んでいる。
■リビア
米国のリーダーシップと決断で、世界は良い方向に変わりつつある。先月、リビアの指導者が、核兵器開発のためのウラン濃縮計画を含むあらゆる大量破壊兵器プログラムの廃棄を誓った。カダフィ大佐は、大量殺戮兵器なしに、いっそう暮らし向きの良い国にするという正しい判断をした。12年に及ぶイラクとの外交交渉は不調に終わったが、米英とリビアによる9カ月の厳しい交渉は成功した。外交が効果的になるには、言葉は説得力のあるものでなければならない。今、米国の言葉を疑う者はだれもいない。
■北朝鮮
異なる脅威には異なる手法が求められる。我々は北朝鮮が核兵器を除去するよう主張する。米国や国際社会はイランが公約に応じて核兵器を開発しないことを求めている。米国が関わっているのは、世界で最も危険な兵器を、世界で最も危険な体制から取り除くことだ。
私が01年9月20日、この演壇に立った時、倒れた警察官の盾を持ってきた。命は消えても、その仕事は終わらない。私はあなたやすべての米国人に、自国の安全や敵を打ち負かすための私の公約を与えた。一人によってもたらされたこの約束は多数によって保持されている。我々と同盟国は動揺しない。
米軍兵は男女とも困難な役割を担っている。我々は装甲車の中や真夜中の捜索の中で、彼らの技術と勇気を見ていた。彼らが帰還した時の歓喜に触れ、彼らが亡くなった時の悲しみを感じてきた。私は、太平洋の輸送船のデッキからバグダッドの食堂まで、多くの地位の男女軍人に会い、彼らを誇りに思ってきた。軍人の多くが今夜、聞いている。そして、私があなたや家族に知ってほしいこと、それは、米国はあなたを誇りに感じているということだ。そして、私の政府、この連邦議会は、あなたたちがテロとの戦闘を戦い、勝つために必要な財源を与えるだろう。
■闘いへの決意
米国は実際、戦闘の中にいるのか、と疑問を持つ人がいる。彼らが描くのは、テロリズムは犯罪であり、主として法の告発・執行で解決するものだということだ。93年、最初に世界貿易センターが攻撃された後、犯人の何人かが起訴され、裁判を受け、刑務所に送られた。しかし、問題は解決しなかった。テロリストは依然、他国で訓練を受けて点在し、より野心的な計画を描いている。9・11の混乱と大虐殺の後、司法の紙だけで敵に向かうのは十分ではない。テロリストとその支持者は米国での戦闘を宣言している。
■イラク戦争の是非
議会や国内の何人かはイラクの解放を支持しなかった。戦争反対はしばしば理にかなった動機からきている。しかし、フセイン元大統領が権力から去った結果について正直に見つめよう。
ケイ報告書はすでに大量破壊兵器に関する多くの計画や、イラクが国連に隠していた装置を確認している。もし行動しなければ独裁者による大量破壊兵器計画が今日まで継続しているだろう。国連安保理決議は空虚な脅威を明らかにし、世界中の独裁者による抵抗を勇気付ける結果になっただろう。イラクの拷問部屋はいまも無実の犠牲者で一杯になっているだろう。数十万の男性、女性、子供が行方不明となったイラクの大量殺戮現場は、いまだに殺人者だけにしか知られていないだろう。
自由と平和を愛する全ての人々にとって、フセイン体制のない世界はより好ましく、より安全な場所になっている。
■国際協力
イラクでの米国の任務は国際化しなければならないという批判がある。この種の批判は、イラクに派兵している英国やオーストラリア、日本、韓国ーーなど17カ国のパートナーに説明するのは難しい。
我々は国際的パートナーの大切な貢献を無視したり、彼らの犠牲を無駄にしてはならない。米国は初めから、アフガニスタンとイラクでの作戦のための国際的支援を求め、多くの支援を得た。
しかし、多くの国による連合指導力と、少数の国による異議申し立てとの間には違いがある。米国は自国民の安全確保を低下させる許可を決して求めないだろう。
■中東問題
民主主義が自由の少ない中東の現実的なゴールであることへの疑問を聞くことがある。全ての文化と宗教は自由や自主的な政府と両立しないと考えるのは間違いであり、見下した考えだ。私は神が自由のもとに暮らしたいとの願望を全ての人に植えつけたと信じる。その願望が数十年の暴政によって破壊されたとしても、また蘇る。
中東が暴政、絶望、怒りの土地でありつづけるかぎり、米国と友好国の安全を脅かす人々や運動を生み続けるだろう。よって米国は中東の自由化に向けた前進戦略を続ける。
憎むべきプロパガンダの障壁を取り除くため、「ボイス・オブ・アメリカ」やその他の放送サービスで、アラビア語やペルシア語の番組を拡大する。まもなく中東地域で信頼できるニュースや情報を提供する新たなテレビ放送が始まる。私は国家民主基金の予算の倍増を求める。基金は新たな仕事として中東での選挙や市場、報道、労働組合の自由発展に焦点をあてる。さらに、アフガニスタンとイラクの民主化に向けた歴史的作業を完了させる。これらの国々は他国に光を与え、世界の困難な地域の変化を助ける。
■米国の指命
米国は使命を持った国であり、使命は我々の最も基本的な信念からくる。我々は支配を望んでおらず、帝国の野望はない。我々の目標は民主的な平和、全ての男女の威厳と権利に基づく平和だ。
米国は友好国や同盟国とともに行動する。我々は特別な義務感を理解している。偉大な共和国は自由の理想を導くだろう。
■米国経済
この3年で、逆境が米国経済の根本的な強さを明らかにした。我々は景気後退、テロ攻撃、法人スキャンダル、戦争の不確実さを経験してきた。減税による刺激で、経済はより強くなった。
米国は減税により、経済を前進させる。03年の第3四半期の経済成長率は過去20年で最も高くなった。住宅新築は過去20年で最も高い。自宅保有率も最高だ。製造事業は増加している。インフレは下がっている。金利は低い。輸出は増えている。生産性は高い。仕事は増えている。
これらの数字は、米国人が自分たちのお金を政府よりも上手に使っていることを裏付けている。 米国の成長する経済はまた、経済を変えている。技術が全ての仕事の方法を変えたため、米国はより生産的となり、労働者は新たな能力を必要としている。仕事の増大のほとんどは、ヘルスケアやバイオテクノロジーなど熟練度の高い分野にある。
■教育政策
我々が望んでいるのは常識の問題だ。3年生にはそれに見合った、読んだり、算数をしたりするレベルを期待しているのだ。テストは、落ちこぼれの生徒を識別し、助ける唯一の方法だ。
いかなる子供たちについても、私はあきらめない。すべてのアメリカの子供たちに、機会のドアは開かれている。
同時に、年長の学年の生徒たちと大人には、職業を見つける必要のある技術を獲得することのできるよう保証しなければならない。急成長をしている職業の多くは数学の力と科学、訓練を要求している。私は今夜、21世紀の職業に向けた一連の計画を提案する。
この計画は落ちこぼれた中高生に特別な助力を与える。新しい雇用を創出する産業で働く人たちの訓練をすることができる。職業訓練は重要だし雇用の創出も重要だ。我々は、経済成長に応じた基本計画を追求し続けなければならない。
■経済政策
議会は税金の論争で問題を抱えている。通過した減税(法案)は期限が消失している。行動しなければ、不公正な税金が復活するだろう。また、何百万もの家庭では、それぞれの子供に対する連邦税が300ドル以上課されるだろう。また、相続税が戻ってくるだろう。議会が与えてきたものを議会ははく奪すべきではない。雇用発展のため、通した減税(法案)は永久であるべきだ。
不必要な連邦法規を免除して、我々は中小企業の経営者と従業員を助けなければならない。そして、軽薄な訴訟から保護しなければならない。私は米国のエネルギー国外依存度を低くさせることを強調する。政権は自由で公正な貿易を進めている。米国の企業家と製造業者、農家に新市場を開放するため、米国人に雇用を創出するためだ。
■医療制度改革
06年1月から、高齢者向けの公的医療保険(メディケア)制度下でも高齢者は医師の処方薬が利用できるようになる。月々35ドルの保険料を支払えば、現在適用外となっている高齢者の多くも薬代負担がほぼ半分になる。
この改革によって、高齢の市民は、現行通りのメディケア制度の適用を受けるか、自分に最も適した制度を選択することが可能になる。今年からは、何百万人もの米国人が非課税の医療費貯蓄制度も利用できるようになる。
■薬物対策
我々の子どもたちの決定で最悪のものは、薬物によって人生と未来を棒に振ることだ。
高校での薬物使用は過去2年間で11%減少した。01年に比べ、違法薬物を使った若者の数は40万人減った。
学校での薬物検査は、この努力の有効な一部であることが証明された。
薬物検査を実施する学校のため2300万ドルの追加支出を提案する。目的は、子どもを罰することではなく、「我々は君を愛しているし、君を失いたくない」というメッセージを送ることだ。
若者が直面する危険に正面きって立ち向かう必要がある。毎年、300万人の若者が性感染症にかかり、傷ついたり、命を落としたり、親になる可能性を失う危険がある。
こうした医療上の危険性について家族の理解を深める草の根キャンペーンを提案する。私は、禁欲プログラムに対する連邦予算を倍増し、若者が性感染症を防ぐ唯一の確実な方法は禁欲だけだ、との教育を学校で行えるようにする。
[毎日新聞1月21日] ( 2004-01-21-13:51 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20040121k0000e030059000c.html