現在地 HOME > 掲示板 > 政治・選挙2 > 946.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: 拉致問題:北朝鮮と接触の山崎氏「直ちに実務者協議」 [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 4 月 03 日 00:04:09)
中国・大連で北朝鮮政府高官と接触した自民党の山崎拓前副総裁と「拉致議連」事務局長の平沢勝栄衆院議員が2日夕、帰国した。日朝交渉の原則を踏み外した「二元外交」との批判を意識して、山崎氏らは、膠着(こうちゃく)状態にあった日朝の政府間協議が近く始まるだろうと訪中の「成果」を強調している。しかし、北朝鮮が協議再開に応じたとすれば、どんなメリットがあると判断したのか、「見返り」の密約があったのではないか、などの数々の疑問を呼び起こす。功名心の影がちらつく山崎氏らの単独行動に、波紋が広がった。【中川佳昭、高山祐、磯崎由美】
山崎、平沢両氏と北朝鮮の日朝国交正常化交渉担当の鄭泰和(チョンテファ)大使、宋日昊(ソンイルホ)外務省副局長の会談は1日、中国・大連市内のホテルで、コーヒーを飲みながら始まった。
鄭氏は「日本政府の人と会うつもりはなかった」と北朝鮮側の空気を伝えた上で「日朝協議は10年、20年も放っておいてもいいんだ。経済制裁、やるのならどうぞやってください」とたたみかけた。協議が再開されずに困るのは日本側だろうと言わんばかりだった。
ところが、翌2日に行われた2回目の会談で、山崎氏が「日朝協議を早くやってほしい」と要請すると、鄭大使は意外にあっさりと「分かりました。早くやります」と応じたという。この言葉が「近く日朝の実務者協議が始まる」という山崎氏の自信に結びついているようだ。
帰国した平沢氏は2日夜、自民党の平沼赳夫拉致議連会長の事務所を訪ねた。前議連会長の中川昭一経済産業相や民主党の西村真悟、松原仁衆院議員も同席した。中川経産相は「訳の分からない元幹事長がくっついて行った」と山崎氏の行動を厳しく論評していただけに、平沢氏としては真意を理解してもらう必要があった。
平沢氏は北朝鮮側の主張を紹介した上で、同議連事務局長の辞表を提出したが、詳しい説明はなかったという。
会談後、平沢氏は記者団に「ノーコメントだ。山崎さんが責任ある立場だ。山崎さんに聞いてくれ」とおびえるような表情で、立ち去った。平沼氏は「(山崎氏の訪中は)首相との関係ではないかと感じた。山崎さんはYKK(のつながり)の中で動いたと思う」と語り、小泉純一郎首相に相談していたのではないかとの見方を示した。
◇政府
その首相は2日夜、記者団の質問に対して、山崎、平沢両氏の訪中について「知らなかった」とことさら繰り返し、自らが関知していなかったことを強調した。山崎氏は首相の盟友だけに「首相官邸も了解済みの行動」と受け取られることを避けたとみられる。
山崎氏らは北朝鮮側との接触によって、日朝協議再開の見通しが立ったと判断している。しかし、米国から「安全の保証」を取り付けることが最優先の北朝鮮にとって、日朝協議の優先順位は低いというのが、政府内の見方だった。それだけに、山崎氏らの口にする「会談成果」について、外務省などは懐疑的だ。
福田康夫官房長官は2日の記者会見で、日朝交渉について「政府中心でやることは当然。相手に間違ったメッセージを与えると複雑化する」と二元外交批判への警戒感をあらわにした。
北朝鮮問題を所管するアジア大洋州局の幹部も「2日ぐらい前からうわさは聞いていたが、外務省にも北京の日本大使館にも事前に連絡はなかった」と語った。外務省幹部は「政府間交渉の原則を踏み外すパフォーマンスだ」と両氏の行動に強い不快感を示した。
北朝鮮側の狙いの一つは、小泉首相に近い山崎氏という新しい交渉ルートを構築することにあったとみられる。さらに自民、公明両党が、北朝鮮船舶の入港を禁止する「特定船舶入港禁止法案」を6日に国会に提出する方針を決めるなど、北朝鮮への経済制裁に向けた動きも目立つだけに、交渉継続の姿勢を強調してみせたとの見方もある。
外務省幹部は「首相が山崎氏らに乗って、北朝鮮で二匹目のドジョウを狙おうとしているなら大変危険だ」と語った。
◇家族会「何のために」
山崎、平沢両氏の訪中については、拉致被害者の家族会からも、批判の声が上がった。
家族会の横田滋代表(71)は「何のために行ったのか分からない。政府間交渉が動かないので、何とか自力で解決しようという善意からの行動かもしれないが、好ましいことではない」と批判。事務局長の蓮池透さん(49)も「平沢議員には『当事者を無視したような行動は慎んでほしい』『交渉は政府の公式ルートでやってほしい』と再三再四、お願いしてきた。今回の行動が北朝鮮に誤ったメッセージを与え、今後の交渉がこじれる危険性がある」と不快感をあらわにした。
平沢氏は中国に向かう前日の3月31日、拉致被害者の支援団体・救う会や家族会の幹部と東京都内のホテルで懇談していた。懇談は、拉致問題をめぐる自らの発言を報じた最近の週刊誌の記事が、家族会の反発を招いたことなどへの釈明機会として、平沢氏側の申し出で行われた。関係者によると、平沢氏は訪中予定を明かさなかったが、山崎派入りの理由を「山崎氏が小泉首相と親しく、山崎氏を通じ拉致問題解決に力を注ぎたい」「首相からも協力要請がある」と説明したという。
拉致被害者の家族らは、平沢氏が昨年12月に北京で北朝鮮高官と非公式に接触した際、帰国した5人が家族を平壌に出迎える案を持ち帰ってきたことなどについて「論評に値しない」と冷ややかに見てきた。家族らは交渉を政府に一本化するよう求め、平沢氏も「もう動くつもりはない」と表明していた。
[毎日新聞4月3日] ( 2004-04-03-02:38 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/seiji/20040403k0000m010159000c.html