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http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20040407ig90.htm
首をかしげざるを得ない「違憲判断」である。
小泉首相の靖国神社参拝について、福岡地裁は「内閣総理大臣の職務の遂行と認められる」としたうえで、政教分離を定めた憲法が禁ずる「宗教的活動」にあたり違憲、との判断を示した。
九州や山口県などの宗教関係者、在日韓国・朝鮮人らが、国と小泉首相を相手取り、「信教の自由を侵害された」として国家賠償を請求していた。首相の靖国参拝をめぐる国家賠償請求訴訟の判決で違憲と断定したのは初めてだ。
首相の靖国参拝をめぐる同様の訴訟の判決が今年二月に大阪地裁、三月には松山地裁であったが、いずれも憲法問題とはせずに、原告の訴えを退けていた。
福岡地裁の判決は、靖国神社の参拝について、小泉首相には「継続的に行う強い意志」「政治的意図」があり、「憲法上の問題及び国民または諸外国からの批判等があり得ることを十分に承知しつつ」行ったとした。
判決は、こうした小泉首相の参拝は、一般人からすると「単に社会的儀礼とは言い難く」、靖国神社を援助する宗教的意義を持つものと述べている。
だが、首相の靖国神社参拝は戦後も、伊勢神宮参拝などと同様、日本の伝統や慣習に基づいて歴代首相が行ってきた、ごく自然の儀礼的行事だった。
靖国神社への首相参拝を最初に問題にした訴訟は、一九八一年提訴の岩手靖国訴訟で、首相らの靖国神社公式参拝を求めた七九年の岩手県議会決議を問題としたものだった。
八五年に中曽根首相が靖国神社を「公式」参拝した後になって、それが違憲だとする訴訟が相次いだ。
小泉首相は、今年一月五日の伊勢神宮参拝の際に「内閣総理大臣小泉純一郎」と記帳している。他の首相も同様だが、違憲訴訟が出されたなどという話は聞いたことがない。なぜ靖国神社参拝に限って、近年になって違憲かどうかが問題にされるようになったのか。
福岡地裁の判決の憲法判断は、傍論として示したもので、原告の損害賠償請求自体は棄却した。
原告側は「完全勝利」として控訴しない方針を固めている。国としては、控訴して争いようがない。
同様の“判決確定”は、岩手靖国訴訟の仙台高裁判決や、中曽根首相の靖国参拝を「違憲状態」とした大阪高裁判決の場合にもみられた。
小泉首相の靖国神社参拝を「政治的意図」とする今回の判決自体が、政治的性格を帯びた内容だ。
(2004/4/8/01:36 読売新聞 無断転載禁止)