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インターネット接続サービス「ヤフーBB」の加入者情報が記録されたDVD(デジタル多用途ディスク)を入手した男が、同サービスの運営母体「ソフトバンク」(本社・東京)のグループ企業関係者に数十億円を要求し、警視庁に恐喝未遂容疑で逮捕されていたことが24日、分かった。
男は関係者に「DVDには470万人分の情報が記録されている」と伝えており、警視庁も、その大半が実際の加入者情報であることを確認している。最大規模の個人情報流出事件に発展するのは必至で、同庁は情報流出ルートの解明を急いでいる。
逮捕されたのは、北海道函館市、会社役員湯浅輝昭容疑者(61)。
調べによると、湯浅容疑者は今年1月21日、ソフトバンク・グループ関係者を都内のホテルに呼び出し、「ヤフーBBの加入者470万人分の個人情報が手元にある」と説明。その一部のコピーを見せたうえで、「自分の事業のために数十億円を出資してほしい」と出資金名目で現金を脅し取ろうとした疑い。
同グループ側は、湯浅容疑者と接触した2日後、ヤフーBB加入者242人分の情報が社外に流出していることを公表していた。ソフトバンク広報室によると、流出していたのは、加入者の氏名、住所、電話番号、申込日、電子メールアドレスで、加入者のクレジットカード情報などは含まれていなかった。
同グループ側から相談を受けた警視庁捜査1課と久松署で調べた結果、湯浅容疑者の行為は恐喝未遂容疑に当たると判断。今月11日に湯浅容疑者を逮捕し、DVDを押収した。
捜査1課でDVDの内容を分析しているが、数百万人分の個人情報が記録されており、その大半は実際の加入者の氏名、住所などであることを確認した。
ただ、ヤフーBBの加入者総数は今年1月末現在、381万7000人であることから、捜査1課では、DVDの記録には、中途解約した顧客の情報なども含まれている可能性もあるとみて分析を進めている。
湯浅容疑者は入手経路について、「知人から手に入れた」などと供述、捜査1課では、DVDの入手の経緯についても追及している。
内閣府個人情報保護推進室によると、同室で調査した過去5年間では、大手コンビニエンスストアチェーンから昨年6月、56万人の顧客情報が流出したのが最大規模。これより以前では、97年3月に消費者金融の顧客情報83万人分が不正に引き出されたケースがある。
◆ヤフーBB=国内最大手のADSL(非対称デジタル加入者線)によるブロードバンドサービス。孫正義社長が率いるソフトバンク・グループの中核「ソフトバンクBB」が運営している。2001年9月の商用サービス開始から約2年で加入者が300万人を突破。昨年3月にはプロ野球オリックス・ブルーウェーブの本拠地の命名権を購入、「ヤフーBBスタジアム」として話題となった。
http://news.msn.co.jp/newsarticle.armx?id=690632