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(回答先: Winnyの衝撃(1)罪に問われた利用者・ 何でも「ただ」夢の世界(京都新聞) 投稿者 シジミ 日時 2004 年 5 月 30 日 12:30:25)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2004052800050&genre=C1&area=K00
風にそよぎ、つややかに光る女性の長い髪。2000本もの線は、まるで息吹を与えられたかのように、ウエーブを描く。次の瞬間、曲線の束は海中を漂うクラゲのように伸縮を繰り返した。
この仮装現実の世界を生み出したのは、ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」を開発した東京大助手の金子勇容疑者(33)。髪1本1本の動きを計算して、作り上げた物理シミュレーションのプログラムだ。
金子容疑者は高校生のころ、住んでいた栃木県から東京の電気街・秋葉原まで出掛け、店頭に展示してあるパソコンで、数時間のうちに独自のゲームのプログラムを組み、そのゲームで遊んで周囲を驚かせた。茨城大大学院(情報工学科)を修了後の数年は東京のアパートで暮らし、介護用ベッドで上半身だけを起こしてパソコンに向かい、疲れるとそのままベッドを倒して眠る「プログラムざんまい」の逸話でも知られた、という。
「天才プログラマー」を助成する経済産業省の事業(2000年)で、プログラマー発掘を担当する電気通信大の竹内郁雄教授(計算機科学)は、京都府精華町の学研都市に拠点を置くプロジェクトで活動していた金子容疑者を知った。竹内教授は「一口にプログラマーと言っても、力量は10倍の開きがある。もちろん金子さんは飛び抜けた存在。スーパーコンピューターでないと無理なことを、仮想物理学のトリックを使って、パソコンでできる技術を持っていた」と絶賛する。
2年前の4月、ネット上の巨大掲示板に匿名の人物が現れ、ウィニーの開発を宣言。「そろそろ匿名性を実現できるファイル共有ソフトが出て、現在の著作権に関する概念を変えざるを得なくなる」と説明した。書き込み順が47番目だったため「47氏」と呼ばれるようになり、ウィニー完成後は利用者から「天才」「神」と賞賛された。
ウィニーを無償公開したホームページでは、従来のデジタル商品を実物で販売する流通形態を「インターネットが一般に普及した現在では時代遅れ」と批判し、「『情報はただ』が当たり前という、インターネット世界においての集金システムの不備」を指摘した。
京都府警は、逮捕時の記者会見で「金子容疑者が47氏」と発表した。これに対し、弁護団は「47氏の発言のうち、少なくとも著作権関係の部分は金子容疑者の書き込みではない」と反論している。
金子容疑者とウィニー開発の接点を知る関係者はほとんどいない。ある知人は「技術的な課題に挑戦するタイプ。誰かにその面白さを指摘され、作ったのでは」と動機を推測する。学生時代から金子容疑者を知る茨城大の関係者も「彼は正義感が強い。デジタル商品の著作権とネット技術の発展のギャップの中で、勇気を持って、グレーゾーンの問題のホワイトゾーンへの移行を訴えたかったのだろう。問題提起の目的は果たせたのではないか」と話した。