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(回答先: Winnyの衝撃(2)伝説の47氏・「天才」「神」と賞賛され(京都新聞) 投稿者 シジミ 日時 2004 年 5 月 30 日 12:32:44)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2004052900057&genre=C1&area=K00
京都市左京区の住宅街。下鴨署の幹部が呼び鈴を押す。「申し訳ございません。個人情報をインターネットに流出させてしまいました」。連日謝罪に回った幹部は「情報を回収できないので様子を見るしかない、と話した。説明に苦労した」とため息をついた。
■情報削除できず
今年3月29日、京都府警は記者会見を開き、下鴨署の交番勤務の巡査がノートパソコンに保存していた犯罪被害者ら11人分の個人情報を含む捜査書類がインターネット上に流出している、と発表した。「ネットから削除したのか」との質問に、府警幹部は「止める要請ができない。誰かが管理している状況ではない」と苦しい表情を浮かべた。捜査書類が流れた先は、管理者がいないファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」のネット上だった。
北海道警の巡査や自衛隊員が職務で使っていた私物パソコンからも、個人情報を含む非公開文書が漏れる不祥事が今春相次いだ。いずれもファイル共有ソフトを長時間接続していて、ウイルスに感染し、パソコンのデスクトップに存在する文書や画像のファイルを勝手に送信されてしまった、とみられている。
下鴨署の捜査書類流出事件は、今も府警が経緯を調べているが、全容は解明できていない。
同署の巡査が公用認定を受けたパソコンには、ウィニーのソフト本体もウイルス感染の形跡もなかった。ただ、巡査の自宅には別に数台のパソコンがあり、ウィニーを使って動画を取り込んでいた。
調査にあたる警察官らは「流出した情報を削除できないネットが誕生したことは、社会の脅威」「ウィニー開発者の著作権法違反ほう助事件の着手は、鳥インフルエンザの問題で遅れただけなのに、捜査書類流出の仕返しのように言われて残念だ」と打ち明けた。
■自由のための道具
海外で1999年に開発された「フリーネット」というファイル共有ソフトをモデルに、ウィニーは生まれた。フリーネットの理念は、政府や大企業による監視や検閲に抵抗するため、管理者を介さず、利用者のパソコン同士を結ぶことで自由な表現や言論の場をつくることにある。「イラクでもファイル共有ソフトが使われたといわれ、情報統制社会では(統制を逃れる手段として)有用。匿名性の技術は、情報隠しをなくすことを可能にする重要な技術だ」。ウィニー事件の弁護団も14日の会見で、匿名ネットの意義を強調した。
ウィニーの利用法や入手可能なファイルを紹介する雑誌には、児童ポルノやわいせつ画像、女子トイレ盗撮の動画などの紹介があふれている。映画や音楽などの違法コピーも横行する。「フリーな匿名ネット」の出現を前にして、われわれはどう振る舞うのか。人間としての品性が試されているようにもみえる。
【公的文書流出】 今年3月以降、京都府警や北海道警、陸上自衛隊、高知市消防局の公的文書がネット上に流出する不祥事が発覚。ウィニー利用者間で感染するウイルス「Antinny(アンティニー)」が原因とみられる。警察では私物パソコンを公用認定するケースが多いため、警察庁は▽捜査情報などを本体に保存しない▽原則としてネットに接続しない―などの対策を通達した。