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(回答先: Winnyの衝撃(4)デジタル技術の攻防・激増する違法コピー(京都新聞) 投稿者 シジミ 日時 2004 年 5 月 30 日 12:36:53)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2004053100070&genre=C1&area=K00
眼光鋭いタカが印象的な二条城の障壁画・松鷹図や、京都府亀岡市にある金剛寺の円山応挙作の波濤図…。「アーテファクトリー」(京都市中京区)の本社ギャラリーには、京都の貴重な文化財と寸分違わぬデジタル複製品が並ぶ。
社寺が持つ文化財の画像をデジタルデータにして、雑貨やビルの内装として商品化する同社は、京都の企業ならではのビジネス分野を開拓して急成長を続けている。「データの不正使用には最も注意している。将来的には脅威に感じる」。越谷匠邦社長(31)は、「Winny(ウィニー)」に代表されるファイル共有ソフトによる著作権侵害の横行に警戒感を示す。
■横行する無断転用
同社は現在、ネット上で複製品を公開していないが、「いずれネット配信は避けて通れなくなる」。そのために、画像データに「電子すかし」を入れるといったコピー防止策の研究にも取り組んでいる。
京都は、文化財や伝統産業の意匠といった知的財産をデジタル技術で保存し、新産業の創出を試みる「デジタルアーカイブ」の先進地だ。産官学でつくる「京都デジタルアーカイブ研究センター」の事業として、社寺などが所有する絵画や古文書など数千点もの文化財がデータ化されている。
デジタルアーカイブの利点は計り知れない。紙のように劣化せず、原本と同質のものが幾つもできる。一方で、こうした技術の進歩で流通と加工が容易になったことで、知的財産権の管理が新たな問題として注目されるようになった。
それは、京都の文化財が優れたコンテンツとして人気がある表れでもある。高山寺(右京区)の鳥獣戯画や、建仁寺(東山区)の風神雷神図など著名な絵画は、陶器の図柄などに無断転用される例が後を絶たない。高山寺の田村裕行執事は「インターネットの広がりで、より多くの場面での転用が目につくようになった」と困惑する。
■所有者側に警戒感
文化財を人類共通の財産として保存、発信しようという動きが強まる中、所有者側に「デジタル化することで作品が一人歩きすることが怖い」との声があるのも事実だ。京都市の委託でデジタルアーカイブ事業を推進する京都国際文化交流財団の田辺幸次理事は「ファイル共有ソフトの流行で、『デジタル化すると権利を侵害される』との風潮が広まることに危機感を感じる」と話す。
閉鎖されたウィニーの公式ホームページには、「従来のデジタルコンテンツをめぐるビジネスの形態はすでに時代遅れ」との言葉が記されていた。
比較法研究センター(下京区)理事長の北川善太郎・京都大名誉教授は「ソフトにあらかじめ著作権情報を埋め込むなど、デジタル著作物が流通する際に対価が支払われるプログラムを開発し、法整備などの仕組みづくりも進めるべき」と話す。匿名性の高いファイル共有ソフトの出現で、知的財産権の意味と在り方が根底から揺らいでいる。
(おわり)