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長壁さんを批判した思いは、『ふざけているのは「あなたの態度」であり「あなたの書き込み内容」ではないのですよ!』( http://www.asyura2.com/0403/war49/msg/1365.html )に集約的に書いたつもりである。
「長壁さんなんかほっとけばいいじゃないか」とか「弱いものの側に立って切実と訴えている長壁さんをいじめるな、“あっしら”こそふざけている」という声もあるのではと自戒を込めて思っている。
あっしらは過去に一度長壁さんについて“サジを投げた”と宣言したのに...と思っている方もいられるだろう。
正直に言えば、言っても無駄なんだろうなと思いつつ投げ掛けた。と思いつつも、何かをきっかけに長壁さんが気づいてくれるかもしれないとかすかに期待するところもあった。
多くの共産党員は、やり取りされている情報のなかに胡散臭い「陰謀論」があると受け止め、“反共色”の強い投稿者も多いと阿修羅サイトを敬遠すると推察する。
長壁さんは、何か政治的な意図をもって阿修羅に来ているというより、阿修羅で飛び交っている情報や阿修羅の雰囲気に魅かれているのだろうと思っている。9・11もブッシュ政権の自作自演説を採っているようだから、「陰謀論」を忌避する人ではないようだ。
長壁さんの切々と訴える書き込みを読んできたものとして、それがご自身の心の底から湧き上がる怒りと熱情に支えられたものであることに疑いをまったくもたない。
長壁さんが、自己を犠牲にしてでも、理不尽なことをやる連中に反対し、虫けらのように殺されたりただ生きることにさえ苦しんでいる人たちを何とか助けたいと思っている人であり、日本という国のこの間の動きを見て、それに気づかない人たちを揺り起こさないとその人たちにもとんでも災厄が覆うことになると危機感を抱きいてもたってもいらない思いから叫び(茹で蛙論)を上げている人であることもわかっているつもりである。
長壁さんのそのような心情は尊重しているしそのような心情を持つ人が増えなければ、現状のような流れを押しとどめることはできないだろうとも思っている。
しかしそのような思いと同時に、投稿から読み取れる長壁さんの心情は、ある状況において極めて危険なものになると思っている。
それがどのような危険性を想定しているかは、『私の共産党批判』( http://www.asyura2.com/0311/idletalk6/msg/468.html )を参照していただきたい。
自己犠牲をも厭わない善意と革命的政治理念が結合している政治勢力があるレベルの力を持ったとき、私利私欲をある政治的手段で実現しようとする政治勢力や価値観的理念を政治的手段で実現しようとする政治勢力のそれとは異質の悲劇がもたらされると考えている。
自分(たち)が正義と善意のかたまりだと確信しているから、他の人たちに揺るぎなく熱情をもって訴えかける。(自分たちに同調しないものは、反動であったり、人間のカスであったり、堕落した者であったり、反革命であると映るし、そのように非難もする)
彼らの訴えを受ける人たちも、彼らの善意は痛いほどわかるから、自分たちのことを心底思ってくれていると思う。
それが高じると、彼らを支持しなかったり彼らと行動をともにしないのは、人類や歴史への裏切りであるかのように思えたり、自分のエゴイズムや弱さの現われではないかと考え、自分を行動に奮い立たせるようになる。
フランス革命でも、ロシア革命でも、そのような思いに突き動かされて戦いに身を投じた人も少なくなかったはずである。
ジャコバンによるギロチンの嵐も、正義の実現として歓呼の声が上がった。そのギロチンの刃は、王党派だけではなく裏切りの烙印を押された革命参加者の首にも数多く落ちた。ロシア革命も中国革命も、革命(内乱)期にどれだけの人間が死に、革命後も革命参加者が“反革命”の烙印を押されてどれだけ死んだことか。
どの死もが、意味がなかったとか、無駄なものだったと言いたいわけではない。
必要以上の犠牲を強いたり、必要以上の殺戮に狂奔したことを問題にしている。
心情主義や理念主義と革命志向が結合したとき、めざす内容や善意をよしとして見過ごすことができない危険性を孕むと思っている。
長壁さん批判のなかでも書いたが、罪なき人たちが殺されることに反対している勢力が罪なき人たちを驚くほど多く死に追いやるというとんでもない倒錯が正義と善意のもとで繰り広げられることがあるのである。
現在の世界を支配的に動かしている連中は、自分たちの願望を達成するために、自作自演の大規模虐殺テロを敢行したり、それを他のものの仕業として殺戮と破壊を平気で行い、外国を占領支配してその国家の在り様や政策を変えようとまでしている。
また、パレスチナでもイラクでも、挑発行動を仕掛け、それに乗って挑んでくる人たちを虐殺する戦術をとっている。挑発に乗ってこないのなら、自分たちがやったことを相手のせいにして虐殺の拡大を正当化する。
さらに、そのような連中は、群を抜いて強大な軍事力を保有する米国の権力機構を握り、世界の主要メディアを牛耳っている。
圧倒的な力を持ち冷徹非情の戦術を厭わない連中の動きをどうやって止めるのかという難題の渦中にあるのに、あの人は善意の人だからあの人は自己犠牲を厭わず戦っているからという理由で危険性が潜む言動を見過ごすことはできない。
“彼ら”は“彼ら”の代わりの敵を用意し、善意の人たちをそれに向かわせ、それを好機とばかりに虐殺に走る。
“彼ら”は、本来ならば“彼ら”を共通の敵としなければならないはずの人たちのあいだに対立や分断を持ち込み、お互いを戦わせる。
長壁さんを反戦平和を願っている献身的な善意の人だと思う人には、「地獄への道には善意が敷き詰められている」という言葉を忘れないでいただきたい。
長壁さんに悪意があるかどうかは無関係なのである。言わせてもらえば、悪意ではなく溢れんばかりの善意であるからこそ危険なのである。
長壁さんはただの熱心な善意溢れる反戦平和主義者で弱者に深い思いを寄せているひとでしかないのだから、そんな心配は無用だと思われる人もいるかもしれない。
私は、この間の日本の推移そして今後予測する動きから、共産党がそれなりの力を手にする可能性もあると思っている。
ワイマール共和国が生まれたとき共産党とナチスが政権奪取でしのぎを削ることになるドイツを思い浮かべた人はごくごく少数だったはずである。
小泉政権も含めてこの間の政治で日本は徐々に経済的困窮が進んできたし今後も進んでいくはずだ。それが国民多数派の政治への反発を増大させることになれば、まずは民主党が政権に就くことになるだろう。
断言するが、現在のような価値観と政策を持ったままの民主党が政権をとれば、小泉政権以上に経済的困窮が進むことになる。
じゃあ、民主党主力政権のなかで増大する国民の政治への反発は、どの政党への期待に変わるだろう?もっとも可能性が高いのは共産党だと予測する。
現在の共産党中央は中道左派的な政策を掲げているが、そのような政治状況になれば、長壁さん的というか「さざ波」的左翼主義が勢いを伸ばすことになるはずだ。
国民経済をずたずたにし国民生活を困窮化させる現在のような愚かな政策が採られ続ければ、共産党が日本で大きな政治勢力になるという今は夢想に近い現実にならないとは言えないのである。
管理人さんが代理投稿した『認識番号欄は8文字以内の半角英数字で記入して下さい。』( http://www.asyura2.com/0401/test7/msg/239.html )にある長壁さんの投稿部分からその“危険性”を抽出してみたい。
長壁さん:「米国という巨大な悪の前に、当のパレスチナ意外は、本気で関わることすらしない。自らに火の粉が落ちてくるのをおそれるばかりで、みてみぬふりを決め込みます。
非道な虐殺が目の前で繰り広げられても、子供が犠牲になっても、一時的なニュースになるだけで終わる。
ところが、今度という今度は、ハマス創始者・ヤシン師虐殺にいたり、各国がイスラエルを非難しました。そして、米の拒否権。私は思います。もし、本気で各国がこのイスラエルの野蛮に怒り、パレスチナに理解をもっていたら、ルール上の拒否権など行使させなかったのではないかと。各国の世論が本気であったなら。日本も日本の国民が今の状況を把握していたなら、日本の棄権という卑劣な行為を見過ごすはずはありません。」
怒りの発露や非道に対する多くの国家や人々の動きを待望する内容はことさら問題視することはないと思っている。
そうであるべきだと思うし、そうあって欲しいと同じように思っている。
しかし、心情を吐露した後には、そうであるべきことがそうならないわけを考えて欲しいというのが長壁さんへの願いである。
長壁さん:「目には目にという言葉がありますが、これはイスラムの掟では、「目をやられたら目をやる以上のことはするな」という、限界を示しているということです。ヤシン師を殺されて、私はハマスが「シャロンを」標的にするのは、そうした意味で当然の権利であると思います。実際にシャロンを殺せ!というだけでなく、その踏み付けにされたパレスチナの人々の心を考えれば、この心情を否定することは、尊厳の否定であろうと思います。そうした意味を込めて、私は、素直に、意見表明をしました。
それを、なぜか、あっしらさんは、「煽ることによって、あまたの犠牲がふえる」というような、先走ったことをおっしゃいますが、どうもわかりません。」
私は、パレスチナの対イスラエル戦争はどのような戦術を採ろうとも、その戦術ゆえに非難することはないと表明し続けてきた。
パレスチナが、シャロンを殺そうが、街中で自爆テロを敢行してイスラエルの子供を殺害しようが非難しないということである。
しかし、それを推奨することはしない。あくまでも、パレスチナ人の選択であり、その結果を支持するというものである。
長壁さんに言いたいのは、パレスチナとイスラエルの戦いは、イスラエルに主導権が握られていて、イスラエルが書いたシナリオで動かされているとても戦いとは言えない状況にあることを無視してはならないということである。
パレスチナとイスラエルの戦いは、パレスチナが大きな劣勢にあるというレベルを超えて、パレスチナは、ぎりぎりまで追い詰められた生存条件を徒手空拳に近い戦術でなんとか維持しようという極悪条件のもとで、恥知らずで強大なイスラエルと戦うというものである。
シャロンが、切羽詰ってヤシン師を暗殺したわけではなく、シナリオを一歩先に進めるために余裕をもって暗殺を仕掛けたのは自明である。(イスラエルが停戦を求めるのならヤシン師を生かしたほうが得策である)
たとえシオニストであっても、土地を奪うためにそこにいる人たちを殺害し続けていると見えるような虐殺はしづらい。だからこそ、「テロ」のプロパガンダに狂奔し、自分たちの恥ずべき虐殺に少しでも正当性を付与しようとしている。
ガザ地区の入植地をすべて返還するという“好意”を示しながら、ガザ地区の精神的指導者とされるヤシン師を暗殺した意味を考えずに「目には目をは当然の権利だ。シャロンを殺せ!」と心情のままに叫ぶことの危険性に気づかないようでは、パレスチナの人たちはさらに劣悪な生存条件と戦いの条件に追いやられることになる。
シャロン=イスラエルは、パレスチナの人たちが怒りの激情に突き動かされて攻撃を仕掛けてくるのを薄ら笑いを浮かべながらてぐすね引いて待っているのである。
1の攻撃に5で応える、10の攻撃には50で応える。子供を巻き込むような自爆テロを頻発させてくれれば、ガザの全面占領に踏み切る大義名分が手に入るとさえ思っているかもしれない。
ヤシン師暗殺は、この意味でとてつもなく重いシオニストのテロなのである。
イスラエル非難という口先だけのことでも世界各国の動きが長壁さんの心情に叶うものではないことをわかっていながら、心情のままに“シャロンを殺せ!”と意見表明する長壁さんに、気持ちはわかるという対応で済ますことはできない。
(パレスチナを軍事的に支えようとする国はないのである)
長壁さん:「「気持ちを寄せる」「最大限、彼等の側によりそうということ」によって、彼等の怒りを共有することで、実際の行動が抑止されるのではないかと思います。こんなことはまれでしょうが、日本の掲示板で、パレスチナの人に寄せる心情があふれていたなら、もしや、在パレスチナの人がみたなら、ほっとされるかもわかりません。已むにやまれぬ怒りの行き場ができるかもしれません。自衛隊をイラクにいかせている日本人を少しは、みなおしてくれるきっかけになるかもわかりません。」
そのように受け止めてくれるパレスチナ人がいるとは思う。
しかし、「そうか、報復をしなければ、自分たちの尊厳に関わるのか。よ〜し、やらねば」と考える人もいるかもしれない。
下記に三つほど長壁さんの投稿から引用をさせてもらった。
それらを読んで熱い思いを湧き上がらせる人もいるだろうし、今またさらに長壁さんの熱い心情に胸打たれる人もいるだろう。
私も心情としては長壁さんの心情に近いものを持っている。
しかし、心情が行動に直結したときの悲劇を考えたとき、湧き上がる怒りといたたまれない危機感の発露なんだからと見過ごすことができない。
報復が心情や英雄主義を充足させたりパレスチナの尊厳を示すことにもなるだろうが、そのために多くの人が虐殺され、現在よりも過酷な生存条件と闘争条件に落とし込められることを考えたとき、大義に適うものとも合理的な戦術とも言えないからである。
長壁さんがそのような心情を吐露せざるをえない現実を生み出した連中は、心情のままに突き進んで勝てる相手ではないのである。それどころか、そのような動きを逆手にとって平気で虐殺に狂奔するような連中である。
だからこそ、ある理念を信じるだけで議論という思考の場を放棄し、心情のままに人々を駆り立てるような言動をする人を「悪魔崇拝の片割れ」と呼ぶのである。
長壁さん:「方法は二つ、人間のかけらを一切そぎおとし、ケダモノ以下のケダモノになりさがるか、神と思しき「大義」にすがるかである。否、イラク、パレスチナ人のそれは、神以上の人間の尊厳を大義とした「反撃」のためのやむを得ない自衛=自爆攻撃かであろう。」
長壁さん:「パレスチナでは何十年と、この戦争状態が続いている。といっても、イスラエルの一方的な占領と虐殺に抗する、尊厳という自爆攻撃。あらゆる人間としての尊厳を封じ込められた抑圧に抗する最後の最後の手段。少年、少女、男、女、ハマス幹部すべてのパレスチナ人が自衛する、人間としての誇り。自らの命を、魂を懸ける戦いである。
紙とペンさえも、奪われ、口封じされる、ただ、ただ、虫けらのごとく、ゴミのように掃討される人間の怒りと尊厳。世界は、こうした理不尽を黙認する。自爆という激しいメッセージさえ、見ぬふりを決め込むどころか、自爆テロリストと呼び、蔑視する。」
長壁さん:「ブッシュの狂犬・シャロンの蛮行に、どこまで、鉄槌をくだせるか。否、これら西側諸国には人間の感覚など求めまい。今までの経緯を見れば、明らかだ。期待するのは、アラブ・イスラムの結束である。親米派であれ、何であれ、今こそ、イスラム10億の同胞は、このシャロンの狂気に敢然と向わねばならない。シャロンをあやつるテロ国家米国と、テロリスト・ブッシュに、命の鎖で抗わねばならない。米国の裏側には、英国がおり、日本がおり、スペインがおり・・・
いまこそ、アラブの魂は、結束する。地球上のテロリストと呼ばれる、全ての魂が一同に会し、諸悪の根源に立ち向かう。
私達日本人は、手をこまぬいてはいられない。このまま、ケダモノになりさがりたくなければ、パレスチナのイラクの人に寄り添おう。ヤシン師の遺志をしっかりと受け継ごう。これまでの贖罪として、この日本政府のケダモノ等を打倒するだけだ。
私たちは、ケダモノに操縦されるのは拒否しよう。人間の皮を被った政治家に、これ以上、騙されるのはやめよう。私達の祖先が犯した同じ過ちを繰り返すのは、もう、やめよう。」