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昨日見た 「視点・論点」との比較
http://www.asyura2.com/0311/war44/msg/333.html
投稿者 Q太郎 日時 2003 年 12 月 09 日 14:32:12:4V2zl9FyN7Ano

(回答先: 二人の悲劇はブッシュのバクダッド電撃訪問が原因だ【P.アーネット現地特別レポート】 投稿者 愚民党 日時 2003 年 12 月 09 日 10:31:23)

昨日寝る直前にリモコンをパシパシと押してチャンネルを切り替えていたら、
ちょうどNHKの「視点・論点」という番組に、
アジア経済研究所の参事、酒井啓子さんが出演しておられました。

この人は中東問題、とくにイラクに関してはスペシャリストであろうかと思われますし、
発言の底流にはイラクに対する大きな親密感があるように感じられる人です。
テーマは「イラク人は何を必要としているか」でした。

現在の米軍による(占領)統治は、

今現在元のフセイン政権政府の省庁や警察で働いていた勢力を、
かなりの割合で解雇して居る為に大量の失業者を生んでいる事

そしてその事が英米軍による統治に対する不満を産む原因になっている事

が語られました。

つまりイラクの人達にとっての今の状況は、
フセイン政権は倒れたが、一向に暮らし向きは良くならないばかりか治安は悪化するし、いつまた米軍とレジスタンスの間にはさまれて大変な目にあうかわかったものではないという状態で過ごしているというのが現実のようです。

その中で、復興に当たって、イラクに住む人たちは
(日本が自衛隊をどれだけ「軍隊ではない」と言ってもイラクの人達の目にはそう映る)軍人が現地に来ることよりも、日本が戦後に復興を果たすのに大きな力であったその技術力の面での協力などを必要としているという見解を示し、
現状のイラクへの自衛隊派遣では、どうしても「対米追従」が先に目立ち、
軍を狙って行動をする抵抗勢力の強襲と派遣地域の混乱を招くばかりでなく、
これまで地道に活動をされてきたNPOや企業などの民間文民による活動で培われた
日本人に対するイラク人との信頼まで壊れてしまう、という分析をしていました。

で、昨日見た「視点・論点」を思い返しながら
投稿されたP.アーネットの記事を読んだとき、
いくつか引っかかる事がありました。

まずこの全体に流れている「文明の衝突」といったような図式。
キリスト教の感謝祭とラマダン明けのお祝いを持ち出す事で
その対立をほのめかしている雰囲気、これには疑問を感じます。
ものすごくアングロサクソン系の人が好む図式です。

(もうひとつ、重要なポイントを指摘しておかなければなりません。
これは私のコンタクト(情報提供者)から得た情報ですが、戦後、イラク警察に就職したイラク人は平然と暫定行政当局(CPA)を裏切り、テロリストやレジスタンスに内通しているということです。)

となんらかの情報提供者がいる事をにおわせ
【その人がどの筋の人間なのか、何の息のかかった人なのかはここでは明らかではない】
 
(もちろん、警察が人を採用するに当たっては厳重な身元確認を行っているはずですが、必ずしも徹底されているとは言えない。
そのため、外国軍の動向や要人、政府関係者のスケジュールは、イラク警察を通してリアルタイムで反米組織に伝わっていると見るべきなのです。)

とイラク人自身の中に内通者が居るかのように言います。【ここではイラク警察のせい】
 
(そして、ミスター奥もそうした監視対象の一人だったと思われます。彼は日本政府の代表としてCPAで復興事業に尽力していた。仕事ぶりも非常に熱心だった。その彼が、第82空挺師団のサンクスギビング・ディナーに出席していたことを、抵抗勢力側が承知していたとしても何の不思議もないのです。)

この最後で「何の不思議もないのです」と結語して、
結局彼が「イラク警察を通してもたらされた情報で」
イラク人側の「反米レジスタンス」にやられても「おかしくない」
という彼の推測が理論的に証明できたかのようです。

先に書きましたように、イラクに暮らす人達の現状は、「戦闘終結宣言」後、イラクでは大量に旧フセイン政権を支えてきた勢力が解体され、その多くがリストラにあってイラクに住む人たち自身の雇用が無く路頭に迷った状態に居るようです。そうしたなかで警察などの機関に雇われている人材というのは比較的仕事があるだけましな人達ではあります。

そうした中に、現在の米軍主導の占領統治に対する不満を持つ「内通者」が居てもおかしくないだろう、という推測は成り立つと思います。

奥参事官に関しては、野上元次官を通じた
イギリスとのパイプを指摘する声がありました。

■■■奥克彦参事官は「暗殺」!?■■■歳川隆雄のインサイドラインより
http://www.asyura2.com/0311/war44/msg/164.html
投稿者 五里霧中 さん

二人の犠牲者は、職務だけでなく一個人としてみた場合に、一個人としてはイラクの人達の「人道援助」に対してなみなみならぬ気迫を持っていた事は、これまでの報道を見ていて感じました。井ノ上書記官に関しては、「この戦争は間違っている」と日本から来た人間の楯の方に言っていたという話も聞きますから、「美化」だけではなくて、そこには一辺の真実があると思います。私が見た報道で記憶に残っているのは、奥参事官がイラクの子ども達にノートや鉛筆を手渡しで届けたいという話でした。

話をもどして、内通者が居ると仮定してみますと、内通者が「あいつ等は欧米の手先だ」という報告をして、「抵抗勢力」に流して米軍以外の文民を狙い撃ちにして狙撃する事が、果たしてイラクに住む人達を最終的に利することになるのか?という疑問があります。
ましてや奥参事官がなんとかイラクを復興したいと駆け回っていたならなおさらです。
この「内通者」が、なぜそのような情報を流したのかも怪しくも思えてきます。

今現在は米軍が世界中から無理を言って引き出した資金援助にしたがって、イラクで「復興事業」をしようという計画が立とうとしています。しかし、その復興事業のほとんどはアメリカに受注されるという見方は既に知られています。

阿修羅で検索しただけでもさらっと見つかります。

【JMM】イラク復興事業と日本
http://www.asyura.com/0304/war31/msg/1153.html
投稿者 愚民党

中前国際経済研究所:イラク戦後の復興需要分捕り合戦 [英エコノミスト]
http://www.asyura.com/0304/war33/msg/452.html
投稿者 あっしら

イラクの社会基盤復興事業(総工費6億8000万ドル(810億円))、米ベクテル社が受注候補 [cnn.co.jp]
http://www.asyura.com/0304/war32/msg/304.html
投稿者 ひろ

既に“イラク復興”9億ドル分事業を米国企業5社が落札 [BBCニュース]【破壊予定リストが既にあるということ。公共財の「民営化」意図も隠されている?】
http://www.asyura.com/2003/war25/msg/697.html
投稿者 あっしら

でも、「視点・論点」を昨日見て、日本は表立っていませんがイラクの人達と独自に親密な関係を構築してきたのかなと、考えました。

そうすると、「レジスタンスが誰彼見境無く撃つだろう」という推測は、一見誰の目から見てもわかりやすいですが、イラクに住む人達が日本に対して親しみを感じていたという報道もありますから、「反米抵抗勢力」が、そんなに簡単に敵として撃つものなのかという疑問があります。

復興援助の資金を、アメリカが良いように使うかもしれないからと出し渋っていたドイツ、フランスとは違って、現に「ATM」呼ばわりされた日本政府ははアメリカにいろいろと釘をさされて、かなりの巨額の資金援助を決定したはずです。

また、ジェームズ・ベーカー元国務長官も動き始めています。

イラク債務削減交渉、特使にベーカー元国務長官を任命(読売新聞)
http://www.asyura2.com/0311/war43/msg/1556.html
投稿者 シジミ

そうした状況で、ORHAから連なる流れのCPAで奥参事官がどのような役割を果たそうとしていたのか、どのような立場で復興会議に参加することを要請されていたのかが、重要なかぎを握ると考えています。日本とCPAの大きなパイプであったのならなおさらです。

実際、今回のイラク戦争が起きるまで、日本人に対してはイラクに住む人たちのかなりが悪感情を持っていなかったと聞きます(今現在はどうなのかわかりませんが)それが覆る背景には、それとなく恣意的な情報が流される事で敵意を持つようになるという仕込みがあるかもしれません。

(殺人者たちは、アメリカ人だけをターゲットにしているのではなく、アメリカにつながるすべての人々、あらゆる物事に向かって無差別の攻撃を仕掛けているのです。
 
 さらに言えば、イラクにいる限り、死の確率はイラク人を含むすべての人間にとって平等なのです。アメリカ政府で働くアメリカ人であろうと、通りすがりのまったく罪のないイラク人の子供であろうと、常に犠牲になるの可能性がある。そして、その犠牲者の中に、二人の日本人外交官がいたということなのです。
 
 二人の外交官はイラクに対して特別な愛情を持っていたようです。
 その仕事ぶりは精力的で、イラクに溶け込もうととても熱心だたっと聞きます。
 
 その二人が、人道支援のためにティクリットに向かう途中で無残にも殺害された。そしてその死は、この地において決して特別なものではなく、あくまでも日常の出来事にすぎません。その意味で、彼らの死は、大変に気の毒なことに、無駄死にと言わざるを得ないのです。)

イラクは今だ危険な場所で、米軍兵士も市民もたくさん戦闘にさらされているのは事実です。しかしこうした文章によって、殺された彼らの立場や「死」を簡単に矮小化しようとしていることには、疑問を差し挟みます。

この方がどのような著名なジャーナリストなのかは存じ上げませんが、私は微妙に事実を曲げてしまっているのではないかと懸念をします。そして、今回の狙撃事件を単にブッシュ訪問のせいにする事ではなにかが見えなくなる気がしました。

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