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「サダム・フセイン拘束劇」を読む  − 妄想編:豊穣なる想像力と貧困なる想像力 −
http://www.asyura2.com/0311/war44/msg/1231.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 12 月 16 日 23:58:39:Mo7ApAlflbQ6s

『「サダム・フセイン拘束劇」を読む    − 第一報を受けて −』( http://www.asyura2.com/0311/war44/msg/1018.html )の続きと言うか妄想編です。
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 「サダム・フセイン拘束劇」が発表されてからのメディアは、その話題で持ちきりである。

 CPAが公表した映像と画像(別バージョンもあり)が繰り返し流され、サダム拘束後のイラクでは“テロ攻撃”が激化するのかそれとも下火になるのか、サダムの隠れ場所を漏らしたのは誰なのか、サダムはどういう裁きを受けることになるのか、そして、それは米英が刺し違えを覚悟しなければならないものになるとか、サダムはカタールに移送されたなどの話が満ちている。

 世界のメディアは、CPAが口頭で説明した内容と公表したわずかな映像と画像から、「サダム・フセイン拘束劇」を舞台化している感がある。

 冷静に考えれば、“外部”のものが見たものは、「髪の毛と髭がボサボサのサダム・フセインが髪の毛や口内のチェックを受けている状況と隠れていたとされる地下の部分的様子(米兵の足元と換気扇や換気口が映っているもの)だけで、あとは、頬や顎の髭を剃って口ひげだけを整えた画像」だけである。

 映像も手間をかければでっち上げることができるが、サダムが拘束される瞬間の映像もなければ、収監されている様子の映像もなければ、カタールに移送される姿の映像もないのである。

 米英政権は人々(メディア)の想像力に期待し、メディア(人々)は豊穣なる想像力でその期待に応えているという構図である。

 隠れ場所とされる地下の映像も、誰か人が潜んでいたと見える痕跡なぞまったくないものである。
 隠れ場所とされる農家の寝室映像も流れているが、袋に入ったままの下着や写真などは装着されていない写真立てが映っているだけである。
 600人の部隊を動員した作戦とされているが、数十名の第4師団が作戦後と称して記念写真を撮影している場面がCNN独占というかたちで流されただけである。

 髪の毛と髭がボサボサのサダム・フセインの映像と言っても、わずか1m四方の白いタイル壁を背にし頭を剃り上げた別の人間が一人という空間映像でしかない。
 あの場所がイラク国内かどうかさえわからないと言えるものである。

 メディアやそれを真に受ける人たちは、米軍によって収監され取調べを受けているサダムの現状を思い描いているかもしれない。
 しかし、サダムは、ゆったりとしたソファにもたれかかりながら、ハバナ産葉巻と高級ワインかブランデーを楽しんでいるかもしれないのである。

 だったら、CPAの口車に乗って過剰とも言える豊穣なる想像力を働かせるのではなく、貧困な想像力を働かせてCPAを茶化し、しかるべき情報を示すよう迫る道だってあるはずだ。

 私は、サダム・フセインが12月初めからアメリカ合衆国にいると妄想している。
 そう、ブッシュ大統領の電撃バグダッドの帰りに、大統領専用機エアフォースワンに同乗して米国に入ったという見方である。

 イラク内部は米軍の軍事支配下にあるから細工はそれなりにできるが、それでもサダムがエアフォースワンに乗り込むところはできるだけ限られた者だけの目にさらしたいはずだ。
 より対処が難しいのは米国内であろう。
 大統領が外遊それもバグダッドを訪問となれば、帰国した時点でも取材陣でごった返すことになるはずだ。当然、各国のメディアも数多くその場にいる。

 思い起こせば、ブッシュ大統領の電撃バグダッド訪問では、帰国時点の映像さえ流れていないのである。
 イラク国内はともかく、大西洋を飛行している大統領専用機に所在が知られたら“安全”上の憂慮があるとは言えない。
 それなら、欧州諸国を訪問するときも、その情報を秘匿しなければならないことになる。
 ワシントンのアンドリュー空軍基地に到着した時点では、メディアの歓呼の声に迎えられ、カメラにフラッシュを浴びても“安全”上なんら問題ないのである。

 大統領再選をめざしているブッシュ大統領であれば、危険に怯えず兵士を慰問するためにバグダッド訪問を成し遂げた勇姿をできるだけ多くの国民にTVを通じて見て欲しいはずだ。

 それをしなかったのは、不特定多数の取材者に見られたらなんらかの不都合が生じることがあったからではないだろう。

 このようなことから、サダム・フセインは、現在アメリカ合衆国で優雅な日々を送っていると妄想している。


※ エンセンさんが、この“妄想”を既に披瀝していたことを付け加えさせていただく。

『サダム・フセインが捕まった!増田俊男の時事直言!』( http://www.asyura2.com/0311/war44/msg/1109.html )の末尾に書かれているエンセンさんの「ブッシュがイラクへ突然訪問した事実がやはり何か臭う。」というもの。


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