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空耳32の方に「名無しA」さんが紹介されていた国際戦略コラム(http://www.asyura2.com/0311/bd32/msg/123.html )にて、極めて重大と思われる指摘がありましたので、こちらに当該部分のみ転載させていただきます。
(以下転載)
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/151124.htm
件名:「新聞批判」 イラクはゲリラ戦だ
田中 良太さんからのメールを転送します。
----------ここから原文----------
◆イラク=戦争継続の事実を報じていない!
「イラクでは、首都バグダッドでテロや襲撃事件が相次いでいる上、南部の都市ナシリーヤでも、きのう、爆弾テロと見られる爆発が起きて、イタリア人兵士やイラク人に多数の死傷者が出ました。
政府はこれまで、サマーワ周辺は、治安が比較的安定しているとしていましたが、爆発が起きたナシリーヤは、サマーワの東およそ百キロにあり、自衛隊派遣への影響は避けられないとして、年内の派遣は難しいという見方が出ています」
以上はNHKのニュース原稿の一部である。ネットの「NHKニュース速報」で13日正午前に流された「イラクへの自衛隊派遣/年内困難の見方」というタイトルの原稿である。
イラクで起きる事件は「テロ」であり、イラクは「治安が悪い」というのが、NHKの統一した用語なのだろう。「テロ」「治安」という用語を使っているのは、各新聞社も同じことのようだ。
ほんとうに「テロ」であり「治安」でいいのだろうか。治安維持にあたる機関は警察である。イラクで「テロ」とされる現象に対応しているのは米軍なのである。軍が遂行するのは、「戦争」である。つまりイラクで行われているのは、「戦争」だといってもいいのである。そうなると「テロ」と呼ばれる事件は、ゲリラが行っている戦闘行為といえるだろう。
以下のようなニュースも流れている(「朝日新聞」11/16 23:59)
<タイトル=武装勢力訓練地帯へ長距離ミサイル発射 イラク米軍部隊>
<イラク駐留米軍によると、米軍部隊は16日、バグダッド郊外から約200キロ北のキルクーク周辺にある武装勢力の訓練地域に向け、地対地ミサイル「ATACMS」1基を発射した。同ミサイルの発射は5月の大規模戦闘終了後初めて。
ATACMSは射程300キロ前後の長距離ミサイル。人工衛星によって精密誘導され、スカッドミサイルと同じ程度の射程と破壊力を持つとされる。AFP通信によると、今回の攻撃には約230キロの弾頭が搭載された。
米軍は最近、米軍への攻撃が続くイラク中北部の「スンニ派三角地帯」やバグダッド周辺で、武装勢力に対する掃討作戦を強めている。F16戦闘機やAC130地上攻撃機などを投入し、精密誘導弾を含むハイテク兵器も使っている。
米中央軍のアビゼイド司令官は8日、この地帯を訪れ、部族長らに「抵抗が収まらなければ、圧倒的な軍事力で攻撃する」と警告していた。今回の地対地ミサイルの使用は軍事力を示威する戦術とみられる。>
「スンニ派三角地帯」などというところは、ゲリラの拠点だとみていい。そういう地帯をミサイルで攻撃することを、「治安維持活動」と呼ぶことはできない。朝日のニュースが伝えているのは、ゲリラ戦の一場面なのである。つまりイラクで起こっている事件は「テロ」ではなく「ゲリラによる攻撃」である。「イラクは治安が悪い」のではなく、「イラクは、戦争継続中」なのである。
新聞社でも放送局でも、しばしば「用語統一」というのをやる。同じ現象を表現するのに、二つ以上の言葉が用いられては困るからである。
イラクの事態を表現する言葉がいつから「テロ」「治安」となったのだろうか?
今年4月11日、ブッシュが「サダム・フセイン政権崩壊」を宣言、同14日には米英軍が中部のティクリートを制圧、米英軍はイラク全土を掌握した。これで戦争は終わったというのが米英側の基本認識で、以後「課題は戦後復興」という発言を展開していく。日本の新聞・テレビもそれに沿って用語統一を行って「テロ」「治安」という用語体系に切り替えたと思われる。
しかしサダム・フセイン政権は、それほどもろくなかった。米英軍にとって「全土制圧」と見えたのは、サダム・フセイン側が戦闘のスタイルを切り替え、ゲリラ戦に突入しただけではないか……。いま有力になっているのはこうした認識である。
新聞社の用語統一のさい、関係各部のデスククラスが集まって協議したりする。こういうとき政治部の代表は、「日本政府の用語体系は『テロ』『治安』となっている。しかし現場を取材しているのは外信部さんだから、外信部の決定に従います」というべきだというのが私見である。新聞社在社中はそうしてきた。
一つの事実をどう呼ぶかを決めるのは、あくまで現場を見ている記者であるべきで、米国大統領とか、日本政府とかであるべきでない。そこで譲って、「力ある者」の呼び方に従うというところから、「官報化」「ご用新聞化」が始まる。イラクの現状を深く知っているわけではない私がいうのもおかしいが、イラク戦争は継続しており、第2幕のゲリラ戦が激しく戦われているという認識に切り替えてほしいものだ。(以下略)