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モP)「米軍は今回の戦争前に、イラクと国際的テロ組織アルカイダ
とが密接な関係を持っていたとの証拠を握っていた」
――(イエスと回答)48%
2)「米軍はイラクで大量破壊兵器を発見した」
――(同)22%
3)「国際世論はブッシュ政権のイラク戦争開始を支持していた」
――(同)25%
*米大手メディア視聴者3300人に対するメリーランド大学の調査報告の恐るべき結果。
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メディア:イラク戦争への理解・判断狂わす米の大手民間テレビ 最悪なのがマードック氏率いるフォックス・ニュース
米メリーランド大学の調査報告で判明:IPS日本語版
http://www.ipsnews.net/jp/
11/10/2003
世界の政府にとりメディアをいかに活用し、味方につけるかが影響力維持の大きな要素となっている。その意味で最大の試練が「戦争」で、政府は報道内容に神経をとがらせる。一方、メディア、中でも激しい競争を展開する民間テレビ局にとって、戦場など生々しい現場のある「戦争」は高視聴率を稼げる千載一遇の機会でもある。そこで問われるのがそうした「戦争」をどのような姿勢で、どう正確に報道するかだ。これに関し米国の大学はこのほど、今回のイラク戦争では米民間テレビ局のニュースは、イラクの大量破壊兵器問題など多くの点で視聴者に「思い違い=誤解」を与える可能性がある、とする調査結果を発表した。
【ワシントンIPS(ジム・ローブ記者)】米国の民間テレビ局ニュースを見れば見るほど、視聴者はイラク戦争およびその後のイラク復興に関する主要点を誤解する可能性が高くなる。中でも、メディア王と呼ばれるルパート・マードック氏所有のフォックス・ニュースを見続けば、それだけ視聴者はイラク戦争への思い違いを深める可能性が高まる。
米メリーランド大学がこのほど発表した「思い違い、メディアそしてイラク戦争」と題した調査報告書の内容だ。調査書をまとめたのは同大学国際政治問題計画で、イラク戦争終結後の今年6月から9月までの間、カリフォルニア州にあるノレッジ・ネットワークスと共同し、世論調査を含め全国規模の調査を実施した。全国での対象者は約3300人。
同調査の主な質問内容と、判明した回答結果は次の通り。
1)「米軍は今回の戦争前に、イラクと国際的テロ組織アルカイダとが密接な関係を持っていたとの証拠を握っていた」――(イエスと回答)48%
2)「米軍はイラクで大量破壊兵器を発見した」――(同)22%
3)「国際世論はブッシュ政権のイラク戦争開始を支持していた」――(同)25%
▽「危険な調査報告」
報告書は、イラク戦争を支持し、かつ、その情報を民間テレビのニュースに頼っている視聴者ほど、これら3つの質問で思い違いを起こしている、と指摘している。
同大学の調査報告により、今後、米国内で主要な報道機関、特にテレビ・ラジオ放送はどうして、イラクの大量破壊兵器および対アルカイダ関係の問題に関するブッシュ政権の主張を鵜呑みにしたのかの議論が、さまざまな分野で活発化するだろう。
「これは危険性を併せ持った調査報告だ」と指摘するのは、テレビ局の特派員経験を持つマービン・カルブ氏。同氏は現在、ハーバード大学のショレンスタイン・センター(報道・政治・政策研究)で上級研究員を務めている。
回答者に提示された質問内容には言及を避けながらも、カルブ氏は「政治と報道機関との間には不自然なつながりがある、と固く信じている人たちは、この調査結果でさらに意を強くした」と述べ、さらに、「中でも『報道するのはわが社。判断するのは視聴者』を社是にしながらも、超愛国主義的な報道姿勢を取るフォックス・ニュースは矢面に立たされるだろう」との見方を示している。
▽「誤解派」が漸増
今回の調査結果を総合的に見ると、回答者の60%が3つの質問のうちで、少なくても1つの思い違いをしていることが分かった。これに対し、誤解ゼロの回答者は全体で30%にとどまった。
また、興味あるのは、この過去3カ月間で「誤解派」の率がわずかとはいえ上昇したこと。「米軍はイラク占領後に、フセイン元大統領がアルカイダと密接な共同行動を取っていた証拠を発見した」という質問に対し、「イエス」と回答した者は7月段階で45%だった。これが9月になると、49%と4ポイント上昇したのだ。
「米軍はイラクで大量破壊兵器を発見した」との質問にも同じ傾向が見られる。「イエス」は7月時点で21%、9月で24%だった。
「イラクは今回の戦争中に、化学兵器あるいは生物兵器を使用した」の質問では、「イエス」が20%に上った。
▽戦争支持者に多い「誤解派」
どうしてこのような思い違い(誤解)が生じるのだろうか。この点に関し、今回の調査はいくつかの要因=相関関係が考えられる、としている。
その第1は、思い違いをしたほとんどの回答者がイラク戦争開始への賛成派だったという相関関係が見られたこと。思い違いをしなかった回答者のうち、戦争を支持したのはわずか23%だったのに対し、ひとつでも思い違いをした回答者では、戦争支持派が53%にも上った。
「イラク領内で大量破壊兵器発見」「アルカイダとの関係を示す証拠発見」そして「国際社会は米政府を支持」の3つの質問で、それぞれ「イエス」と回答した者のうち、実に86%が戦争支持派だった。
さらに詳しく見ると、「アルカイダとの関係を示す証拠発見」で「イエス」と答えた者のうち3分の2が、イラク戦争開始が最良の手段だと考えていることも分かった。これに対し「ノー」の回答者のうち戦争開始賛成派は29%にとどまった。
▽支持政党とも関連
その第2は、支持政党との関係だ。民主党支持者に比べ、共和党支持者のほうに思い違い派が多かった。思い違いをひとつでもした者の中で、来年の次期大統領選でブッシュ大統領(共和党)に投票すると答えた者は45%、民主党候補に投票と答えた者は17%だった。
また、ブッシュ支持者のうち68%は「米軍はフセインとアルカイダとの関係を示す証拠を発見」に「イエス」と、対照的に、民主党支持者の3分の2は「ノー」とそれぞれ回答した。
▽フォックス視聴者が最大の「誤解派」
一方、今回の調査ではニュース源によっても思い違いの有無が分かれることが判明した。回答者に「ニュースをどこから得るか」を尋ねたところ、テレビ・ラジオなど放送メディアが80%、新聞など印刷メディアが19%となった。
放送メディアとの回答者のうち30%が2、3局からとし、その内訳はフォックス・ニュース18%、CNN16%、3大ネットワーク24%(NBC14%、ABC11%、CBS9%)、公共テレビ・ラジオ放送3%だった。
フォックス・ニュースの視聴者が最も多く思い違いをし、逆に最も少なかったのは公共テレビ・ラジオ放送を情報源にしている回答者だった。フォックス・ニュース視聴者の回答者のうち、ひとつでも思い違いをしたのは80%。これに対し、同公共放送派で思い違いをひとつでもしたのは23%にとどまった。
他のメディアはその中間に位置し、CBSが同率71%と最も高かった。CNNとNBCがそれぞれ同55%で、民間テレビ中では“好成績”を収めた。
印刷メディアを読み、情報を得ている回答者のうち、ひとつでも思い違いをした者は47%だった。
▽ニュースに接する頻度でも違い
思い違いの数でもフォックス・ニュース視聴者が群を抜いて高かった。回答した視聴者のうちなんと45%が3つの質問すべて思い違いをしていた。他の民間テレビの視聴者では同率は12−16%だった。印刷メディアでは同9%、公共放送では同4%にとどまった。
支持政党と情報源にも相関関係があることが分かった。フォックス・ニュースを見ているブッシュ大統領支持者のうち78%が「米軍はイラクとアルカイダとの関係を示す証拠を発見」に「イエス」と回答。大統領支持者で公共放送派の「イエス」は50%だった。
これに対しフォックス・ニュース派の民主党支持者で「イエス」回答は48%、同派で公共放送派ではなんと0%だった。
ニュースに接する時間、頻度によっても思い違い率は違っていることが分かった。ブッシュ大統領支持者で「ニュースを頻繁にみる・聴く」派は最も思い違いを起こし、逆に同頻度以下の回答者は、頻度の多寡によって思い違い数が減っている。
これに対し、民主党支持者で「ニュースをほとんど見ない・聴かない」派と「よく見る・聴く」派を比べると、前者が後者よりも思い違い率が2倍も高かった。