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(回答先: Re: 金日成偽者説 投稿者 シジミ 日時 2003 年 10 月 29 日 23:21:01)
>私は金日成偽者説は既に定説化しているものと考えていました。
私の聞いている「金日成偽者説」とは、スターリンが金成柱というソ連軍大尉を抗日パルチザンの伝説の英雄、金日成将軍に仕立て上げて第二次大戦後ピョンヤンに送り込んだ、というものです。
>この説は、伝説の金日成将軍は金成柱とは年齢的に全く一致しない(金成柱は金日成よりはるかに年下)という根拠付けがなされている筈です。
>この説は学界的には否定されているのでしょうか?
学界的には完全に否定されています。
手元に『金日成と満州抗日戦争』がないので、不正確な点があるかもしれませんがお許しください。
「伝説の英雄金日成将軍」は、存在しなかったのです。実在した金日成以前に、そのような英雄伝説が存在したという史料はありません。存在しなかったのだから、偽者もクソもないわけです。
解放後、金日成がピョンヤンに現れたとき、「あれは若すぎる。偽者ではないか。」という反応が起こったというのは事実だと思われます。しかしそれは、実在した金日成が指揮したポチョンボ(普天堡)戦闘の戦果に尾ヒレがついて、「偉大な金日成将軍」の伝説が出来上がったことによるものと思われます。実在した金日成の戦果が大袈裟に伝えられたのであって、別の金日成の名を実在した金日成が借りたのではありません。
実在した金日成が、他の金日成の名を借りたというのは他の点から見ても不自然です。満州抗日ゲリラの指導者としては、金日成以前に英雄だった人物が2名います。一人は中国人でもう一人は朝鮮人で、どちらも戦死しています。名を借りるならこの実在した英雄の名を借りると思われます。が、この2名が戦死した後に、この英雄の名を借りた2代目は現れなかったのです。それなのに、記録にない「伝説の金日成将軍」だけ2代目が現れるというのはどう考えても不自然です。
入手可能で簡単に読める本としては、以下のものがありますので参照してください。
朝鮮近現代史における金日成
水野 直樹 (編集), 和田 春樹 (編集)
価格: ¥1,000
単行本(ソフトカバー): 108 p ; サイズ(cm): 210 x 148
出版社: 神戸学生青年センター出版部 ; ISBN: 4906460291 ; (1996/08)
目次
第1部 朝鮮近現代史における金日成―解放前を中心として(金日成ニセモノ説
抗日闘争の新資料
金日成の回顧録
辛珠柏氏の新しい研究
金日成の活動地域 ほか)
第2部 朝鮮近現代史における金日成―解放後を中心として(朝鮮工作団と金日成
ソ連の対応
スターリン感謝集会での金日成
党の主役へ ほか)
第3部 質疑応答