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(回答先: 珠洲原発断念、年度内に正式決定 新木北電社長「関係先と協議」[北國新聞社] 【電力需要低迷?+立地可能性調査再開が困難になった理由は?】 投稿者 なるほど 日時 2003 年 10 月 25 日 17:12:09)
日本の原子力産業は現在、経済的な危機に直面している。製造業の海外移転などで電力需要は伸び悩み、割高な料金を引き下げるための電力自由化も進む。一方で国は原発の新増設を進めるが、自由化を控える電力会社は巨額な設備投資を嫌がり、計画の先送りが続く。さらに核燃料サイクル、廃炉に伴う廃棄物処理(バックエンド)などに経済的な見通しは立たない。原子力を取り巻く経済情勢の変化を、立地地域の視点から追跡する。 【日野行介】
「敦賀原発3、4号機は、建設できるかどうかの瀬戸際にあります」
今年3月末、敦賀市内で開かれた県議選立候補予定者の集会で市議の1人は、強い危機感を募らせた表情で訴えた。日本原子力発電(原電)がこの直前、3、4号機増設計画の運転開始時期を1年先送りしていたからだ。増設は総工費約7700億円と言われる巨大プロジェクト。不況に苦しむ地元の経済界は「早く仕事が欲しい」と、1日も早い特需の到来を待ちわびるだけに、先送りに大きな衝撃を受けた。
原発の新増設計画で運転開始時期の先送りは珍しくない。しかし地元漁協と漁業補償契約が既に結ばれ、昨年末には知事、市長の地元了解も得ているなど、地元に障害がないだけに異例と言えた。表向きは「東京電力の原発トラブル隠し問題の影響」だが、実際には経済的理由が大きい。
世界初の改良加圧水型原発(APWR)となる3、4号機の出力は各153・8万キロワットと世界最大級。原電はこの巨大電力を関西、中部、北陸の電力3社に各5・4・1の割合で供給予定だ。
しかし関電は昨年、関西地域で特に深刻な需要低迷に対応するために金居原揚水発電所(滋賀県木之本町)建設を中止、さらに04年度末までに社員3000人の削減策を打ち出すなど全社的なリストラ策を進める。「3、4号機の半分を受け入れる力は関電にない」と語る関係者は多い。
原電は「電力自由化に対応するため、工事費全体の削減を検討したい」と説明。関係者によると、埋め立て工法変更や工事用トンネルの掘削本数を減らすなどして費用削減を図るという。
9月定例敦賀市議会では、1日も早い着工を求める意見が市議から相次いだ。しかし、次の手続きとなる国への安全審査申請や県への開発許可申請は今も提出されておらず、増設計画を取り巻く不安は晴れない。
3、4号機から電気を受ける予定の北陸電力も石川県志賀町で志賀原発2号機(沸騰水型、出力135・8万キロワット)を建設中。06年3月に運転開始予定だが、敦賀3、4号機と同様に電気の供給先が課題となっている。
志賀2号機が運転開始すれば北電の全発電設備のうち原子力は25%に達する。北電は当初から2号機のうち余剰分の60万キロワットを関電と中部電力に融通する予定だった。
しかし北電は今年3月、運転開始から5年間限定で融通量をさらに30万キロワット増やして90万キロワットに変更することで関電、中部電の両者と合意。北電広報室は「融通量の増加はこちらから提案した。供給余力の有効活用が目的で、互いにメリットがある」と説明するが、将来需要の深刻な見通しが融通量増加の背景にあるのは明らかだ。
3、4号機の運転開始予定は現在、それぞれ「11年度」「11年度以降」。呼応するかのように志賀2号機の融通量の増加期間は「11年3月まで」とされている。原発増設に伴う余剰な電気の使い道を巡り、駆け引きが既に始まっている。
=つづく(毎日新聞)
[10月22日19時52分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031022-00000002-mai-l18