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体験的陰謀論序説その2(他人に騙されないための闇の魔術に対する防衛術)
http://www.asyura2.com/0311/idletalk6/msg/531.html
投稿者 リーマン 日時 2003 年 12 月 18 日 01:09:16:FagqpUDXKcu9o


以前体験的陰謀論序説その1を書いたら、このサイトの大御所の方々に思いもかけず期待のレスをもらって舞い上がってしまって、その後下品なレスをしてしまい、反省を兼ねてしばらく投稿を控えておりましたが、HAARPさんやエンセンさんに釣られて先日投稿してしまいました。
いったん投稿してしまうと、以前投稿しますといっておきながら放っておいたことが気になります。

「体験的陰謀論」について、私がいいたい結論を先にいってしまうと、
1.国家間の陰謀、その他あらゆる組織の陰謀と、個人間の陰謀には共通点がある。
2.書籍を通じて得たそれらに関する事実叙述的な知識をひたすら溜め込んでも、自分(及び自分の属する組織)が何かを新たに切り開いていく際には、あまり役に立たないような気がする。
3.自らがかしこく生きていく際のよすがとは、そのような知識を溜め込むことではなく、もっと別のことが重要となるのではないか。
〜というようなことが言いたいわけです。

勿論人を騙す技術というものは、ほとんど考えたことがありませんので、特段皆様にお伝えすることはないのですが、「人から騙されないようにするのはどうしたらいいのか」というテーマについては、私なりにあれこれと考えてきました。
私なりに考えた結論は、「自分(或いは自分の属する組織)を過不足なく、等身大にありのままに理解すること」が他人から騙されない(陰謀を仕掛けられない)重要なポイントではないか、ということです。(常識的な内容でゴメンなさね)

ここのサイトの皆様方は、これを聞けば「そんなこと聞いたことあるよ」とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、しばらくお付き合いください。

「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉があります。
この「己を知る」との言葉に関しては、「味方陣営の戦力等をしっかりと分析・把握する」といった意味で理解されることが多いと思います。そのような解釈も間違っているとは思いませんが、もの足りません。おそらく日常何らかの「戦い」に従事している人は、この言葉をそのようには受け取らないだろうと思っています。

私は、上記にも述べましたとおり、己を知るとは、「自分を過不足なく、等身大にありのままに理解すること」だと受け止めています。

自分を理解する、という要素を自分の「強みを理解する」という要素と「弱みを理解する」、という要素に分けて以下のように考えてみましょう。

1.a もしある人が、自分の強みを不当に低く評価しているとしたら、その人間は、決してその強みを生かして生きていくことは出来ません。
従って、ある人の可能性を事前に摘んでやりたい、と思うのであれば、その人が本当の能力に気付かないように仕向ける必要があります。

1.b もしその人が、自分の強みを不当に高く評価しているのであれば、その不当に高く評価している部分を思い切り膨らましてやり、その後で足払いをかけてやればいいのです。そして、その人が高転びに転ぶ様をせせら笑ってやればいいのです。

2.a もしある人が、自分の弱みを不当に高く評価している(即ち自分の弱みの問題に正しく気付いていない)のであれば、その人は放置しておいても、どこかでつまづいていくでしょう。黙って見守ってやればいいのです。

2.b もしその人が自分の弱みを不当(必要以上に)に低く評価しているのなら、その部分を思い切り罵倒し、決定的な劣等感を植え付けてやればいいのです。その人に与えられた仮面はやがて取れることのない素顔となって定着していくことでしょう。


たいていの陰謀は、上記のどれかの分類に属することが多いのではないでしょうか。
「陰謀」というものに結び付けて考えなくても、それぞれが自分の人生を考えていく上で、上記に関連する事柄を一度も考えた事がないという人はおそらくいないでしょう。
それぞれが自分の過去の人生の思い出の中において、何かしら酸っぱい想いを抱えて生きているはずです。

しかし上記のような事柄は、普通の日本人の大人であれば、誰しも自分を振り返る際に多かれ少なかれ考えていることでもあるはずであり、私がことさら偉そうにあげつらうことでもありません。

しかし、上記のようなパターンは、組織対組織、国家対国家のあり方(生き方)にもそのまま当てはまるのです。そしてそのこと(個人としての生き方の処世訓が国家としての生き方の処世訓にもそのまま当てはまるということ)を日本人が自覚していないことが、他人(他国)に付け込まれ、もてあそばれ、てんぷらに揚げられる大きな原因になっているのです。


「日露戦争は、日本が成し遂げたすばらしい祖国防衛戦争だったんだ」という事実にしがみつくことは、間違いなく1.bに当たる行為でしょう。
その後の、日比谷焼き討ち事件は、自分を等身大以上の人間だと思い込む第一歩でした。
当時イギリス人がその現場に立ち会っていたならば、彼は日本人が彼の思い通りの人間に育ちつつあることを知ってにんまりと笑ったに違いありません。

もしそのときの日本人の一人一人が、外国人に向かって下記のような挨拶が出来たならば、その後の日本人は、第二次大戦まであのように坂を転がっていくことはなかったでしょう。

「このたびの戦争に関してましては、イギリスさんをはじめとする先進国の皆様のおかげを持ちましてかろうじて勝つことが出来ました。金銭的な援助・裏からの援護射撃・貴重な情報提供・作戦戦術の立案等全てにわたってイギリスさん達の援助がなければどれも達成し得なかったことばかりでございます。え?日本人の敢闘精神に感服した?いや、日本人は、それぐらいしかとりえがないんですよ。これからも精進を重ね、イギリスさんのせめて足元にでも及ぶよう引き続き頑張っていきたいと思っています。」

表面上は、これくらいのことは皆様の前で挨拶するのが、日本社会内の「大人」の常識であるはずです。
なのに、どういうわけか外国(人)に対してはこのような大人の感覚(目線を自分自身の外に置く感覚)をもてない。

どうしてだろう?
答えはやはり明治維新政府設立の経緯を日本人一人一人が過不足なく知るということをしていないから、という事実にぶち当たります。
「実は、明治維新って、イギリスのシナリオに沿って行われたんだ」という事実に真正面から向き合うことは日本人にとって不愉快な事柄です。しかしそのことから目をそらそうとすることは、上記の2.aに当たる行為でしょう。

明治の元勲たちが「自分たちは日本国民を騙している。しかしこのことは今さら国民の前にさらすべきことではない」と思っていた限り、イギリスがそのことを逆手にとって日本を動かそうとしている事実を例え見破っていたとしても、彼らはどうすることも出来なかったのでしょう.(例えば、伊藤博文は、イギリスの犬として生きながら、一方で時々飼い主に逆らっています。日露戦争開戦前には、日英同盟に反対し、日露協商派としてロシアと話し合いで問題を解決しようとしました。しかしそれも大勢の中では無駄な抵抗でした。)


日露戦争から第二次大戦まで、大きく背伸びした日本の姿(1.b)がなぜか、世界の都会であるイギリスからみると丸見えだったはずです。都会人は田舎から上京してきた田舎者が虚勢を張ったり、おどおどしている後姿が丸見えなのと同じ構図があります。

戦後は、「日本人はだめな奴だ。アジア人を沢山殺したとんでもない奴だ」という部分をことさら引き伸ばして、日本人の顔に貼り付けようとしました(2.b)。
「日本人の経済力は世界一だ」と思っているときには、その思いを局大値まで引き伸ばして、足払いをかけてやりました。(1.b)


自分の等身大をありのままに理解することの出来ない人間(国)は、操りやすいんです。
逆にしっかり理解している人間(国)を騙すことは、なかなか一筋縄ではいきにくい。


金持ち父さんシリーズの本からの受け売りですが、皇室の三種の神器は三つの力を象徴しているそうです。
剣は「武力」、玉は「財力」、そして鏡は「自分の姿を知ることの力」を象徴するのだというのです。

上記のことを日系人とはいえ、アメリカ人から教えてもらうなんて。
勿論、イギリス人がこの力についてよく知っていることは、「イギリス人は夕方明かりもつけない部屋でひとり物思いにふけっている」というエピソードでご紹介しました。(彼らは、心の鏡に自分の行動を再現しているのでしょう。もしかしたら一人一人がそれぞれ神と対話することのメリットはこんなところにもあるのかもしれません。)

古代の日本人に比べて「自分を知る」ということから生まれる力・パワーを日本(人)一人一人が気付けば日本人はもっと強くなれるハズなのに。

これほど哀れにも・無残にもそのことを忘れてしまった分水嶺は、やはり明治維新にあるような気がしてならないのです。

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