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(回答先: やはり 「太平洋戦争」を合作したのは山本−米内か 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 8 月 19 日 13:17:39)
すみちゃん、レスありがとうございます。
>なぜヒトラーはゴールドの英米への輸送を許可したのか?
>なぜヒトラーはオーストリアやチェコで我慢しなかったのか?
>なぜ英国−ソビエトの二正面作戦をとる必要があったのか?
>ヒトラーは、「あいつから指令を受けて」ポーランド侵攻を始めました。
>私はオカルトではないと考えています。
まず、すみちゃんへのレス『第二次世界大戦は「米英支配層とナチスドイツの合作」』( http://www.asyura.com/0304/dispute10/msg/341.html )で書いたように、ドイツと英米はサミット合作で戦争を行なったと考えています。
ゴールドの英米への輸送は、日本も開戦直前まで現物輸送しています。
ドイツにとって、オーストリアやチェコそしてポーランド、アルザスロレーヌの領有(一体化)は、日本の満州領有とちがって、民族主義的価値観以外にメリットがそれほどありません。
経済的権益を考えるのなら、植民地解放(門戸開放)という「世界秩序」の再編こそ目的としなければならないのに、そのような動きはほとんどみられません。
ドイツ主体の「世界秩序」再編を成し遂げれば、民族主義的価値観の実現は付随的に達成できるはずです。
(民族主義的価値観で煽ったがゆえにドイツは戦争に熱狂したとは言えます)
日本が、リットン調査団報告で満州国があいまいなかたちながら認められていながら、最盛期の英国さえ手を突っ込まなかった中国との全面戦争に入り込んだのは、ナチス以上の愚策です。
既に中国との戦争が泥沼化していたのに米英蘭とのニ正面作戦(対ソ戦まで考慮しなければならない状況)に入った日本も、同じ愚を犯しています。
>なんで海軍=反戦みたいなイメージがまかり通っているのか理解できません。
>海軍は好戦的かつ不合理極まりない。
>おそらく米国占領軍の意向を受けてのことなんでしょうね。
>それと、敗戦時に昭和天皇の立場を死守しようと考えた人々が、陸軍に主として汚名
>を押しつけ、昭和天皇を捺印機であったと主張したことが原因かな。
>それに、天皇制を死守したかった陸軍高官と東条が協力して乗っかったというストー
>リーが見えてきます。
>戦後、児玉が巣鴨プリズンで東条に対して「汚名をひっかぶって天皇をお守りするよ
>うに」と説得したんだそうです。児玉は海軍の犬でした。
>そのためにわざわざ巣鴨プリズンに入ったんだという噂です。
極東軍事裁判は、「平和に対する罪」と称して戦争を起こした人たちを裁きましたが、作戦・用兵の国家機構である軍令(統帥)部門ではなく、軍政部門の人たちを血祭りにあげるという頓珍漢なことをしています。
これは、統帥権が天皇直轄であることに基づく政治的配慮だと思っています。
内閣やそれに含まれる軍政部門であれば、立憲君主制(捺印機)を楯に天皇に罪を及ぼさずに済みますが、軍令部門の責任を問えば、ストレートに天皇の責任につながります。
東条は、罪を被るつもりでしたが、天皇の意に反することはしていないという態度を最後まで貫いています。(天皇尊重主義者である東条は、天皇の意に反して国政を動かしたということは認められなかったと思います)
>真珠湾には老朽艦船しか係留されていませんでした。
>新鋭艦船は真珠湾から外洋に出航しており、確か南雲中将がその追撃を山本に具申し
>たが、山本が却下したと聞いています。
>米軍の被害が戦略的に致命傷とならない程度にとどめた疑いを持っています。
南雲中将は、航空攻撃部隊や参謀の追加攻撃要請を退け帰還を命令しました。
真珠湾攻撃を指揮した機動部隊司令長官南雲は、“慎重派”で山本連合艦隊司令長官の指示を忠実に守る軍人だったと見ています。(山本と南雲は砲術が専門の仲間ですが、合作仲間ではなく、都合のいい部下として据えたと思っています)
はるか敵地に乗り込んでの攻撃ですから、早期帰還という判断自体は間違っているとは思っていませんが、第一波、第ニ波の攻撃でドッグや石油備蓄基地などの軍事設備を目標に加えなかったのは山本の謀略かもしれません。
(攻撃部隊は軍艦を撃沈したいものですから、攻撃優先順位を明確にしなければなりません。外洋に出ていた米空母などを追うのは無謀な作戦ですが、先乗りしていた潜水艦部隊が出港を認知しながらそれらを追跡していなかったとしたら指示に疑問が残ります)
>昔戦史を読んだとき、一貫して、海軍軍令部が山本の作戦に反対し続けたことに興味
>を感じていました。
>それに比べて山本の馬鹿なこと。
>しかし、マスコミは一貫して山本を支持し、称賛し続けましたね。
>国民も山本を称賛し、最後まで頼りにしていたようです。
>何でだろう?
現在でも「山本五十六神話」はけっこう根強く生きています。
戦時中から現在に至る「山本五十六神話」は、偏に真珠湾奇襲攻撃の戦果に負うものです。
米国には勝てないと思っていた人も少なくなった戦争の緒戦で大きな戦果を上げたのですから、「山本五十六神話」が広まるのも致し方ないでしょう。
「山本五十六神話」の誕生も、日米ローレベル合作による真珠湾攻撃の目的のなかに含まれているはずです。
(ミッドウェー海戦の大敗北は“大本営発表”で覆い隠されていますから、「山本五十六神話」は打ち消されることなく続きました)
>いいにくいことですが、大日本帝国国民に「死相」を感じたのは、まさにこの点なん
>です。
>今の日本国民にも似たような「死相」が見えます。
>馬鹿を称賛するマスコミと民衆−そこに死相が見える。
「敗戦責任」を問わないまま現在に至った日本に「死相」が漂っているのは不思議ではないと思っています。
300万人以上が犠牲になり、ほとんどの国民が塗炭の苦しみを味わい、6年間も占領支配を受けた歴史的最重要問題を、「一億総懺悔」と「極東軍事裁判」で済ましている国家国民に希望があるとは思えません。
(バブルの形成・崩壊の責任が問われず自然災害のように扱われているのも、「敗戦責任」が問われなかったことに遠因があると思っています)
いわゆる「戦争責任」も、「敗戦責任」を問うなかで初めて明瞭になると考えています。