現在地 HOME > 掲示板 > 雑談専用2 > 795.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: Re:第一段階は終りね 投稿者 すみちゃん1 日時 2003 年 8 月 08 日 21:59:57)
すみちゃんさん:
どうも,流れが速くなってきて,もたもたしていると置いてけぼりを食いそうです.すみちゃんは,
「第一段階は終りね」とあっさり決め付けてますが,ちょっとだけ補足させてください.
累積的信用創造が銀行システムの脆弱性の根本原因であり,パニックをつねに潜在している
ことは明らかですが,その詐欺的性格についてはまだよく理解されていないような気がします.
普通預金(要求払い預金)を逆向きから債権として見ると,期限無指定の定利率債権ということ
になります.定期預金は有限期限の定利率債権です.A,B,C,D,Eの5人の人がいて,A→B→C→
D→Eの順に100円が移動したとします.BはAに100円の証券を発行し,CはBに同じく100円の証
券を発行します.場にはキャッシュ100円と400円分の証券があります.つまり,400円分の信用
創造が成されたと言えます.経済が順調なら400円分の証券はキャッシュとして働くので,経済
を活性化する効果があります.Xという人が400円分の証券を手に入れて,同時に払い戻しを要
求したとすれば,そんなお金がどこにも無いことは明らかです.これが銀行システムの破綻で
す.銀行システムは要求払い預金が全額引き出されることを予定していないからです.
もし,Eがフィリピンバーでそのお金を使ってしまったのなら,経営破綻したのはEであると推定
されますから,公金100円を投下し(Eには刑務所に入ってもらって)Dに100円の払い戻しができ
ます.DはCに返却し,CはBに返却し,BはAに返却して話は終わります.ところが,実際に行な
われていることは,公金を使って400円分の穴をそっくり埋めようというものです.ここまでゆくと
信用創造の真の詐欺的性格が露骨に見えてしまいます.1行や2行を見せしめに破綻させたと
しても,銀行システム全体を救済するというスキームがどれほど無理なものであるか...
共同的資本主義でも焦げ付いたローンの損失は公金によって埋め合わされると考えられます
が,その性質がまったく異なるものであることは上記から容易に分ると思います.(しかも共同
的システムでは担保価値が劇的に下落することがないので,実損はほとんど発生しない.)
社債や約束手形を共同的マネタリシステムで許している理由として,それらが期限付き債務で
あり,要求払いではないという点があります.約束手形は要求払い的な面も持っていますが,
債権者側がペナルティを支払います.期限付き債務は時間軸に沿って回収が可能であり,破
綻者を特定することができます.
英治