現在地 HOME > 掲示板 > 議論11 > 927.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: 海外派兵するなら交戦権を認めてあげないと。まず、その前に憲法改正が必要ですが。 投稿者 ジャック・どんどん 日時 2003 年 7 月 09 日 02:05:50)
日本刑法によると、殺人罪は日本人の国外犯にも適用されますから、自衛隊員(日本国民とする)が国外で殺人を行った場合も殺人罪が問題となり得ます。しかし、これによって、自衛隊員の軍事行動がただちに処罰されるわけではありません。
刑法は、「正当行為」や「正当防衛」などの処罰されない場合を定めています。正当行為は、たとえば死刑の執行など、法秩序から判断して違法とされない行為です。正当防衛は、不正な侵害が急迫しているときに、それへの反撃を適法化するものです。
「交戦権」は、これらのうち、前者との関係でお考えのようですが、仮にこのような権利を国に認めたとしても、個人の行為に関する評価である正当行為の成否とは、直接には結びつきません。国にとって、宣戦布告に基づく正当な戦争権の行使であっても、現実に殺傷行為を行った個人の行為が違法とされ得ることもあるでしょうし(非戦闘員が殺傷行為を行った場合を考えてください)、国の行為が違法であっても、それへの参加者の行為を適法化する国内法的措置も可能です(イラク派遣法のうち、派遣を定める部分が違憲無効としても、処罰阻却の条文まで無効とは限らない)。
一方、正当防衛についてですが、自衛隊員としてイラク占領に関与するという自ら招いた相手方の攻撃であったとしても、危険地と知って旅行するのと同じで、これによって、ただちに正当防衛が否定されるわけではありません。