現在地 HOME > 掲示板 > 議論11 > 948.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: Re: 交戦権の保持は憲法改正なしで可能? 投稿者 ジャック・どんどん 日時 2003 年 7 月 09 日 21:23:19)
ジャック・どんどん氏の視点はわかりますが、国内法的処罰と国の交戦権と関連させるのは、ちょっと難しいですね。以下は、ご質問に対応した形式的な説明です。
「交戦権を認めることは、憲法改正なしで可能なのでしょうか」ですが、「交戦権」は憲法の明文で「認めない」とされていますから、正面からこれを認めるとする解釈論はありません。
一般的には、「交戦権」の意味内容を限定し、あるいは、これをズラすことによって、憲法の明文で「認めない」とされる範囲から除外しようと試みています。たとえば、「交戦権」を「戦争をすべき国家の権利」ではなく、「交戦国に認められた国際法上の権利」、たとえば、戦時禁制品を定める権利や中立国船舶への臨検の権利と意味内容をズラして、憲法はこれを「認めない」としている論者はあります。このような論にしたがえば、憲法は「戦争をすべき国家の権利」について言及していないことになります。
「正当防衛として場合によっては殺害しても、何ら法的に処罰をうけないのでしょうか」は、交戦権の有無あるいはその解釈と関係なく、正当防衛が成立するなら、処罰の余地はありません。
もっとも、実際には正当防衛の要件は複雑です。相手の攻撃が違法でない場合、たとえば、執行官が正当な業務として強制執行で財産を取り上げるのに対し、執行官の行為は違法ではありませんから、これへの反撃は正当防衛になりません。相手の正当防衛に対し、さらに反撃する場合も正当防衛になりません。相手の行為が違法でないからです。
武器を携行し、これを「使用」する自衛隊に対する反撃も、相手の行為が正当防衛などで違法でないなら、これへの反撃も正当防衛になりません。